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TOEICを生かせ!英語力も幸福度も高まるブレーンストーミング法

卒・TOEICの英語習得術

TOEICスコアアップ200点請負人のJay(ジェイ)こと早川幸治さんが贈る連載「卒・TOEICの英語習得術」。第5回では、せっかく獲得したTOEICスコアを生かし、英語力も幸福度も高められるブレーンストーミングの方法を紹介します。

TOEICスコアが宝の持ち腐れに?

「英語を勉強しても使う機会がないからなあ・・・」とか、「TOEICスコアを取らなきゃいけないけど、どうせ将来、英語使わないしなあ・・・」と、なかなか英語への取り組みに本気になれないという方もいらっしゃるかもしれません。

この記事をお読みいただいている方は、「嫌でも英語が必要だ」というよりも、「英語を勉強しているけど、使う機会がない」という場合が多いでしょう。しかし、英語を使う機会が目の前に現れるのを待っていても、いつやって来るのか分かりません。

せっかく英語を学習して高いTOEICスコアを取得したにもかかわらず、英語を使わない状態をそのままにしておくと、脳は「必要ない」と判断し、どんどん忘れてしまいますそもそも英語を学習していても上達しにくくなり、モチベーションも下がっていってしまうのです。

必要性で基準が変わる

前回の「TOEICを『解く』から仕事や人生で『行動する』への英語リーディング術」では、基準の高さによってどこまで上達するかが決まり、だからこそ基準を高めることが重要だとお伝えしました。その基準とは、英語を使う環境に入ったことによる「必要性」です。通訳者の川合亮平さんも記事で書いていらっしゃいますが、「英語は必要以上にはうまくならない」のです。

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これは英語に限った話ではありません。例えば電話番号。私が覚えている携帯電話の番号は自分のものだけで、他の人の携帯電話の番号は家族を含めて誰一人として覚えていません(苦笑)。おそらく、同じような方も多いのではないでしょうか。理由は、覚えられないからではなく、携帯電話に登録しておけるため覚えておく必要がないからです。

先日、タクシーの運転手さんと話しているとき、「若い運転手は道を覚えない」と嘆いていました。もちろん、記憶力の低下に嘆いていたわけではありません。カーナビを使うため、覚える必要がないのです。

ちなみに、ロンドンのタクシー運転手さんは、一般の人と比べて海馬(記憶をつかさどる脳の部分)が発達しているそうです。なぜなら、タクシー運転手になるためのテストに合格するには、2万5000本もあるストリートから320のルートを暗記しなければいけない*1からだそうです。まさに、「必要以上に上達しない」の逆もまた真なりで、「必要な基準まで上達する」のです。

ニーズを待つな、ニーズをつくれ

「現在のところ、英語が必要ない」という場合は、すぐに英語が必要になる可能性は低いかもしれません。恋愛も英語も待っているだけでは、なかなかチャンスは来ません。そこで、英語のニーズを自らつくり出すことをおすすめします

ベストセラー『メモの魔力』(幻冬舎)の著者、前田裕二さんは、まさに、英語ができるようになるために自らニーズをつくり出しました。一般的には、「英語を身に付けたい」と思ったとき、真っ先に思い浮かぶのは英会話学校に通うことかもしれません。前田裕二さんもそう考えたのですが、高い受講料に二の足を踏みました。そこで、受講生として入るのではなく、スタッフとして入るという逆転の発想から、英会話学校で働くことにしたのです。スタッフとして勤めながら、講師をするようにもなりました。当然、教えるからには高い英語力が求められます。そのニーズのため、英語学習にも力が入り、ネイティブスピーカーのスタッフとのコミュニケーションも増やしながら、英語力を高めていったのです。

また、元総合格闘家の須藤元気さんも同様です。格闘家引退後にWORLD ORDERというダンスパフォーマンスユニットを結成した須藤さんは、海外での活動が増えるにつれて、英語でスピーチをしたり、会話をしたりする機会が増えました。「一気に英語力を伸ばしたい」と強く思った須藤さんが取った行動は、なんと英会話学校をつくってしまうことでした。「英語が話せて当たり前と思われる」ということをモチベーションに、自分の英会話学校で学習するというニーズをつくり出しました。私たちには、学校をつくることまではなかなかできませんが、ニーズをつくることはそれほど難しくありません。

私の講座を受講してくださった方は、目標スコアをクリアしたあと、自ら異動希望を出し、英語を使う部署へ移りました。最初は「他の人の英語力の高さについていけません」と不安のメールが届きましたが、その後は高い基準のおかげで英語力も高まっていきました。

このように、ニーズが出るのを待つのではなく、自分からニーズをつくってしまうことで、必要性を高めることができ、英語を実践する環境へと入ることができます。もし、社内に海外視察や海外研修の選抜があるなら、応募すると決めて、現地での実習内容や応募要項を読んでみてください。より現実的に考えて勉強や対策ができるようになります。

必要性こそ命

「元気ですか!元気があれば何でもできる」は、アントニオ猪木さんの決まり文句です。元気があっても英語ができるようになるかは未知数ですが、「必要性があれば英語はできるようになる」とは言えます。

今回の記事を通して、「必要性」や「ニーズ」をそろえることの重要性をお伝えしてきました。

なお、これは英語だけでなく全てにおいて言えます。例えば、私は5月6日から毎朝7時にオンライン会議ツールのZoomを使ったミーティングを友人としています。7時から10分間、「前日の振り返り」と「その日にやること」をシェアするだけです。その結果、毎日PDCAを行うことになり、生産性が上がりました。

でも、生産性を上げるために始めたのではありません。友人が「夜型の生活になっているので朝型にしたいけど、起きられない」と言っていたので、「じゃあ、明日から早朝ミーティングをやろう」と始めたのです。つまり、早朝ミーティングを始めた本当の理由は、「早く起きる理由をつくるため」です。

しかし、実際にやってみて、次のようなたくさんの気付きがありました。

  • 時間(朝7時)と方法(情報をシェア)が明確なので悩まない
  • 相手がいるから迷惑をかけられないのでサボらない
  • 10分なので負担にならない
  • 朝からモチベーションが上がる

ちなみに、私はその友人に新しい提案をしようと思っています。それが、「早朝ミーティングを英語で行う」です。おそらく、友人はこの記事を読むので、そのタイミングで週2、3回程度、英語ミーティングになるでしょう。これだけで、私も友人も英語の必要性が出てきます。

英語力も幸福度も高まる相乗効果

ここまで、自分自身でニーズをつくってしまうことを提案してきました。

実は、人からやるべきことを与えられるよりも、自分で決定して行動する方が幸福度が高いという研究結果*2があります。日本は「人生の選択の自由」の度合いが低いという現実の中で、自分で選択している人は幸福度が高いという相関関係があるそうです。当然と言えば当然ですが、「人から強制されたこと」よりも「自分でやると決めたこと」の方が、より力を入れたくなりますし、壁にぶつかったときに克服したいというエネルギーも大きくなるはずです。

「英語を使いたいのに使う機会がない」という待ちの姿勢ではなく、「英語を使いたいから使う機会をつくる」という攻めの姿勢が、あなたの英語力を高めます

英語ニーズづくりのブレーンストーミング

今回はやや抽象的な話に終始してきましたが、最後に、あなた自身が英語のニーズを高めて英語環境に入るために何ができるかをブレーンストーミングすることで、具体化してみましょう。

今の状況で、どのように英語ニーズをつくり出すことができるのか、まずは、現実的かどうかという枠を取っ払って、20~30個リストアップしてみてください!

アイデア出しのヒントに、幾つか例を挙げます。

  • 同僚(日本人)と英語で会話する時間をつくる
  • 海外出張や研修に立候補や応募すると決める
  • 社内英会話サークルに参加する(なければ、サークルを立ち上げる)
  • 英語を話す外国人スタッフをランチに誘う
  • 自分の業務を海外向けにするとどうなるかを考えてみる
  • 英語の仕事をするにはどうしたらよいかを上司に聞く
  • 将来のために英語を学んでいることを周りに宣言してしまう
  • 海外へ行くために有休を数日取ってしまう
  • 海外の動画セミナーを申し込む(何度も見返せるのでおすすめです)
  • 観光客がよく行く場所に行って、話し掛けてみる
  • 国内の外国人観光客向け英語ツアーに参加する
  • Meetupのイベント(交流会)に参加して、外国人と話す
  • トーストマスターズ(パブリックスピーキングの非営利団体)に見学に行く
  • 外国人が多いオンラインサイトに参加する

いかがでしょうか。ぜひ、ご自身にピッタリ合う実践の場を見つけてください。英語を使う環境に入ることで、新たな悩みや壁も出てきますが、それ以上に新たな楽しさと喜びにも出合えます

早川幸治さんの本

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Koji Hayakawa

早川幸治(はやかわ こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。企業研修講師として、英語を公用語化した企業はじめ、これまで全国の160社以上で研修を担当してきたほか、大学や高校でも教えている。セブ島留学プログラムも監修。TOEIC990点(満点)、英検1級取得。豊富な受験経験から傾向をおさえた効率的な対策法が好評。著書多数。アルクの通信講座「TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST 完全攻略600点コース」監修。

編集:GOTCHA!編集部/写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)