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TOEICを「解く」から仕事や人生で「行動する」への英語リーディング術

卒・TOEICの英語習得術

TOEICスコアアップ200点請負人のJay(ジェイ)こと早川幸治さんが贈る連載「卒・TOEICの英語習得術」。第4回では、「解くため」のリーディングを卒業して、実生活に影響を与える読書を英語で行う方法を紹介します。

「解くため」だけのリーディングを卒業する

TOEICの学習をしている方から、たくさんの質問を頂きます。その中に、「英字新聞を読むことはTOEICに役立ちますか?」「英語ニュースを聞くことはTOEICに役立ちますか?」のように、「〇〇はTOEICに役立ちますか?」というものも多くあります。

もちろん、役立たないことはありませんが、これらが直接的にTOEICスコアアップに即効性があるかというと、そういうわけでもありません。なぜなら、TOEIC対策をしているとき、英語を読めるようになりたい理由は、「解くため」です。しかし、「卒・TOEIC」したい皆さんにとって、「解くためのリーディング」のままでは、内容を表面的に理解するだけの読み方になってしまうだけでなく、設問がないと深く読もうとしなくなってしまいます。

そこで、前回のライティング引き続き、今回はTOEICで学んできた知識やスキルを基礎として、「解くために読む英語を卒業する」リーディング術を紹介します。

基準を高めよう!

何かを上達させるとき、上達の限界が存在しています。それは、自分が意識的に、または無意識で設定している「基準です。

タクシーの運転手さんで考えてみてください。タクシーの運転手さんは、私たち一般人よりも車を運転している時間が長いでしょう。しかし、運転が上手な運転手さんばかりかというと、必ずしもそうではありません。私は仕事柄タクシーに乗る機会が多いのですが、上手な運転手さんに当たるときもあれば、そうではないときもあります。これは「才能」ではなく、「基準」によるものではないでしょうか。

例えば、運転手さんの基準が「客を目的地まで届ければいい。目的地が遠い方がもうかるからラッキー」という基準だったとしたらどうでしょう?運転技術は上達しませんし、ワンメーターしか乗らないお客さんには嫌な顔を見せるかもしれません。一方で、基準が「距離にかかわらず、お客さまに車内の時間を快適にお過ごしいただく」という場合は、おのずと運転技術へと影響するでしょう。

ちなみに、私は両方の運転手さんに当たったことがあります。前者はワンメーターの距離だったため不機嫌になり、最後にはお釣りを投げて渡してきました(苦笑)。一方で、後者は(こちらもワンメーターの距離だったのですが)運転も対応も感動的でした。いろいろお話しさせていただいたところ、前職がホテルマンでした。「運転」という技術を考えてみても、本人の基準によってこれだけ違ってくるのです。

英語スキルも同様に基準によって「どこまで上達するか」が異なります

TOEIC(R) L&Rテスト本番では、何のために読むかというと、当然「解くため」です。Part 7に登場するメールを考えてみても、読んだ内容から何かを学ぶことはありませんし、読んだ内容に対して実際にアクションを起こすこともありません。つまり、TOEIC学習において「基準」となるのは、「何が書かれているかを理解する力を身に付ける」となります。

しかし、実際の仕事の場面ではどうでしょうか。メールに書かれている内容を読むだけで終わることはほぼありません。質問が書かれていれば、応答を考えたり、実際に返信したりといった行動へとつながります。また、その内容から相手の感情を読み取ったりもするでしょう。内容によっては、謝罪したり、感謝の気持ちを伝えたり、ということもあるかもしれません。よって、メールを読むという同じタスクであっても、基準が異なります。

目的を「行動」に変えよう!

そこで大切なのは、「読む目的を明確にすること」です。

例えば、洋書を1冊読むと決めたとします。その読書の目的は何でしょうか。

「英語の勉強のため」であれば、おそらく「内容を理解する」や「分からない単語をなくす」などがゴールとなります。もちろん、これは立派な目的ですし、私自身も英語の勉強のために洋書を読んでいた時期があります。

しかし、目的が「プレゼンを上達させるため」や「生産性を高めるため」などの場合は、「内容を理解する」は通過点にすぎず、プレゼンの上達のためにすべきことを学び、すぐに実践に移したり、生産性を高めるために仕事のやり方や時間の使い方を変えてみたり、というように行動することがゴールとなります。「英語学習のために読書をする」という目的よりも、「行動するために読書をする」という目的の方が、内容を深く理解できます。

この「行動につなげる」という目的を設定しやすいのが、実用書です。英語を読むことに慣れていない場合は、英語が易しめでページ数も少なめの書籍(『Who Moved My Cheese?』など)を選ぶとよいでしょう。

また、日本語に翻訳された本でお気に入りのものがあれば、ぜひその原書に挑戦してみましょう。一度読んでいる内容のため、覚えていなかったとしても、脳からすれば「新しい知識を取り入れる」ではなく「一度頭に入れたものを思い出す」という作業のため、知らない内容を読むよりも比較的読みやすく感じられます。

また、伝記から仕事術や生き方などを学び、実践することも可能です。

原書だとハードルが高いという場合は、英語学習者向けにレベル別に書かれたGraded Readersがおすすめです。次の3つがメジャーなものです。

洋書の選び方

洋書選びに失敗しないためにも、洋書を多く扱っている大型書店で実際に手に取ってパラパラと読んでみることをおすすめします。内容を軽く読みながら、以下をチェックしてみてください。

内容に興味がある

「売れているから」という理由だけで買ってしまうと、「実はあまり興味が持てなかった」ということになる恐れがあります。必ず内容に興味があるものを選んでください。

単語レベルが適切である

ざっと読んでみて、知らない単語が多くて意味が取れない場合は、読むのに向いていません。知らない単語が多い本を読んだからといって、英語力が上達するわけではないのです。調べながら読もうとしても、単語の意味を調べることに終始して、内容がつかめずになかなか進みません。むしろ、ほとんどの単語を知っているものの方が読書に向いています。

読み切れる厚さである

洋書を読んだことがなければ、なるべく薄いものを選びましょう。ただ、「どうしても読んでみたい!」という魅力的な本であれば、厚くても問題ないでしょう。

文字の大きさがちょうどよい

読む気をなくすような小さな字で書かれているものは避けた方がよいでしょう。なお、電子書籍であれば、文字の大きさを変えられます。

例えば、次のような選び方もできます。

読み方のコツ

TOEICのPart 7を読むときには、設問の答えを選択肢から見つけるために読んでいると思います。

しかし、当たり前ですが、洋書には設問もなければ選択肢もありません。TOEIC以外のものを読むことに慣れていない場合、洋書を読もうとしても、何となく英文を読んでいるだけで、記憶に残らないことが多くあります。

そのため、「英語を読む」という意識ではなく、「参考になるポイントを行動につなげる」という意識で読むことが大切です。そのような問題意識を持って読むことで、内容が頭に入りやすくなります。

また、基本的に、内容は抽象的な話と具体的な話(事例など)が交互に登場します。「〇〇である」という抽象的な話の後に、「例えば、このような事例があった」という具体的な話が続き、「だから〇〇である」という抽象へと戻ります。

これまで「英語を読むといえばPart 7のみだった」という方は、身に付けた英語力をさらに高めるために、洋書に挑戦してみてください!

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Koji Hayakawa

早川幸治(はやかわ こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。企業研修講師として、英語を公用語化した企業はじめ、これまで全国の160社以上で研修を担当してきたほか、大学や高校でも教えている。セブ島留学プログラムも監修。TOEIC990点(満点)、英検1級取得。豊富な受験経験から傾向をおさえた効率的な対策法が好評。著書多数。アルクの通信講座「TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST 完全攻略600点コース」監修。

編集:GOTCHA!編集部/写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)