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物の数え方…。日本語と英語の違いは?日本語はバリ難しいやん!

物の数え方…。日本語と英語の違いは?日本語はバリ難しいやん!

北九州市立大学准教授であり、言語学者でもあるアメリカ人のアンちゃんの連載「かなり不思議な日本語の世界」。第9回は、日本語と英語の「数え方」の違いを取り上げます。

ある日、私の授業で生徒2人が「先生!英語はすごく難しい!困る!」と言いました。私は「そうなんやけど、日本語もバリ難しいやん!特に物の数え方は半端ないからさ。お箸も特別な数え方がある。1膳、2膳とか」と返しました。

するとその生徒の1人が「そうなん?それ聞いたことがないな」と言いました。その生徒はあとで友達に聞いてみたそうですが、みんな箸の正しい数え方を知らなかったようです。

やっぱり!

外国人だけではなく、日本人にとっても物の数え方は難しい!

そう気付きました。外国人を悩ませる日本語はいろいろあるけれど、もしかしたら、物の数え方が一番難しいかもしれません。

だから今日は、それについて書くバイ。では、始めよう!

船の数え方は種類が多過ぎ!

船の数え方は種類が多すぎ!

私が日本で最初に習ったのは、「枚」と「本」でした。平らな物は「枚」。そして、細長い物は「本」。面白くないですか?

友人は「日本人はこういうふうには習わない」と言います。そうだとすると、日本人はこのメチャクチャ難しい数え方を、いったいどうやって覚えるんでしょうか。

勘?

私たち外国人は、とにかく覚えるしかない気がします。でも、いくつ覚えても次々と例外が出てきます。

例えば、船は「1隻、2隻」だけではなくて、船の種類、大きさなどによって数え方が変わります。

艘(そう)、艇、艦、杯、盃、船、葉、本、枚、台、床、帆

厳密な区別はないそうですが、とにかく種類が多過ぎる!もう、勘弁してください!

全て「1船、2船」と数えたらいいのに!

ちなみに、英語ではこうです。

貨物船1隻 one freighter
ボート1艘 one boat
ヨット1艇 one yacht
軍艦1艦 one warship
競争用ヨット1盃 one racing yacht

ほとんどの物は英語では “One, two, three, four, ...”で済みます!

鉛筆1本 one pencil
シャツ1枚 one shirt
脚1本 one leg
メニュー1つ one menu

もちろん、英語にも独特な数え方はあります。例えば…

紙1枚 one piece (sheet) of paper

これは One paper と言うことはできません。ほかにもいろいろあります。

キャベツ1個 one head of cabbage
食パン1斤 a loaf of bread
牛乳1パック a carton of milk
眼鏡1本 a pair of glasses
ズボン1着 a pair of pants
靴1足 a pair of shoes

英語では、眼鏡は両目、ズボンや靴は両脚でセットだから、pairを使います。よく考えると、眼鏡やズボンは2つに分けることができません。でも、どう考えてもセットだから上のように数えます。

動物は「群れ」になると英語も少し難しい

動物は「群れ」になると英語も少し難しい

動物の数え方は、最初「匹」を習いました。でも、ここにも例外はたくさんあります。第一、ウサギは鳥じゃないのに、何で「羽」と数えると?日本語を学び始めた頃は疑問だらけでした。

こちらも英語は簡単です。

牛1頭 one cow
猫2匹 two cats
ゴキブリ3匹 three cockroaches
ウサギ4羽 four rabbits
馬5頭 five horses
鳥6羽 six birds

楽やろう?でも、英語では動物が「群れ」になると難しくなります。

ブタの群れ a herd of pigs
ガチョウの群れ a gaggle of geese
オオカミの群れ a pack of wolves
(同じ母親から同時に生まれてきた)子ネコたち a litter of kittens
魚の群れ a school of fish
鳥の群れ a flock of birds
羊の群れ a flock of sheep

英語にもややこしい数え方はあります。でも、やっぱり日本語ほど難しくないと思います。

ちなみに私は、数え方が分からないときは、一番オーソドックスなものを使います。

1つ、2つ、3つ!

でも、人に使うことができません…。これはバリ失礼だ!生き物には禁止!

一方、英語では人も物も“One, two, three, ...”で大丈夫です。

ところで数え方以外の場合でも、英語は「生きているもの」と「生きていないもの」を厳密に区別しません。だから、私は日本に来たばかりの頃、よく次のようなミスをしました。

友達をパーティーに持って行く。

英語では、友達でもケーキでも区別なく bringtake を使います。

I am going to bring my friend to the party.
I am going to take a cake to the party.

「(物を)連れて行く」と言ったり、「(友達を)持って行く」と言ったり…。私は何度も笑われました。

言葉は難しい!

外国語を話すときは、自分の母国語から直訳してしまう傾向があるので、こういうミスをする人はきっと多いと思います。

日本語では英語を取り入れた数え方もします。もちろん和製英語です!例えば、

パイをワンホール one pie
ツーショットの写真 picture with two people in it
(音楽などの)ベストテン top ten

二人ショットとか、ベスト十と言っても全然かっこよくないのは、なぜでしょう?笑

日本語の数え方は音も変わるからバリ難しい!

日本語の数え方は音も変わるからバリ難しい!

ここまで数え方について書いてきましたが、発音にも触れておきます。例えば動物を数えるとき、多くの場合は「匹」を使います。

しかし、発音はというと…

1匹(いっぴき)
2匹(にひき)
3匹(さんびき)
4匹(よんひき)
5匹(ごひき)
6匹(ろっぴき)
7匹(ななひき)
8匹(はっぴき)
9匹(きゅうひき)
10匹(じゅっぴき)

ここで多くの外国人は2つのことにつまずきます。

まず、1つの数字に複数の言い方があることです。4は「し」と「よん」。9は「きゅう」と「く」など。どっちを使ったらいいか、分からなくなるときがたまにあります。どっちでもいいときもあれば、そうではないときもある。難しいなぁ。

次に、後ろに来る音に合わせるために、発音が変わることです。例えば「3」の場合…

3匹(さんびき)
3本(さんぼん)
3百(さんびゃく)
3杯(さんばい)

音が「ひき」から「びき」、「ほん」から「ぼん」に変化します。日本語を勉強すればするほど、いろいろな音声パターンが見えてくるので、何となく分かるようになります。でも、難しくてお手上げ!という人も多いはずです。

また、日本人でさえ、こういう音声のルールを厳密に守ってはいません。建物の「階」を言うとき、私は1階(いっかい)、2階(にかい)、3階(さんがい)と習いましたが、「さんかい」を言う人もいます。

どんな言語でも音声のルールはありますが、使う人が多ければ、そのルールに当てはまらない言い方でも、いつか正しい日本語になります。 

ところで話は最初に戻りますが、日本の人は船を「1船、2船…」と数えてほしいなぁ。笑笑。

まとめ

ここまで「数え方」は難しい!とずっと書いてきましたが、よく分からないときは適当に言いましょう。通じる可能性は高いです。

日本語なら、最もオーソドックスな「1つ、2つ、3つ」を使うと、言いたいことはたいてい伝わります。

同じように、英語では全て“One, two, three.”。そうしておけば、通じないことはあまりないと思います。現地の人が使わない言い方だったとしても、コミュニケーションは取れるはず。

でも、それが言葉のゴールですよね?

話す言葉が完璧ではなくても、あなたの言いたいことが相手に伝わればコミュニケーションは成功です!

結論!あまり神経質になり過ぎないように、楽しく物の数え方を勉強しましょう!

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アン・クレシーニ

文:アン・クレシーニ
アメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページ更新中!