お祝いをするときのスピーチ【ひびく英語スピーチ】

連載「ひびく英語スピーチ」の4回目は、日常生活で出合うことが多いスピーチの一つ、誕生日を祝う席での「ひと言」です。

乾杯の音頭を取る

まずは、音声を聞いてスピーチのポイントを確認しましょう。

知り合って2年になる友人ジェニーの26歳の誕生会で、あなたは友人代表として乾杯の音頭を取ります。

Let me propose a toast to celebrate our friend Jennie’s 26th birthday. I’ve known Jennie for about two years now, and she really is a very nice person who I’m very happy to know. Jennie, we hope you enjoy your birthday today. Now, let’s drink a toast to Jennie! Happy birthday, Jennie!

私たちの友人ジェニーの26歳の誕生日を祝し、乾杯させてください。私はジェニーと知り合ってから約2年になりますが、彼女は本当にとてもいい人で、知り合うことができてうれしい限りです。ジェニー、きょうは楽しい誕生日を過ごしてね。それでは、ジェニーのために乾杯しましょう!お誕生日おめでとう、ジェニー!

語注
  • propose a toast:乾杯を呼びかける
  • drink a toast to ~:~のために乾杯する ★have/make a toast to ~も同意。

キーフレーズを覚えよう

キーフレーズを覚えましょう。太字部分を1~3の語句に入れ替えて声に出して言った後、音声を聞いて、キーフレーズと1~3の英文の発音を確認してください。入れ替えた語句の英文は記事の末尾にあります。

Let me propose a toast to celebrate our friend Jennie’s 26th birthday.

1. your marriage(結婚)
2. your new job(新しい仕事)
3. the New Year(新年)

乾杯の音頭であることを伝える

最初に、Let me propose a toast to ~.と言い、なんのために話しているのかを明らかにしましょう。スピーチが短ければ短いほど、目的の提示が重要になります。Let me propose a toast to celebrate ~で、「~を祝し、乾杯をさせてください」という意味。乾杯のあいさつの定番フレーズです。丸ごと覚えましょう。toの後に直接名前を入れて、Let me propose a toast to celebrate our friend Jennie.(私たちの友人ジェニーに、乾杯させてください)ということもできます。

人となりを説明する

誕生日を迎える友人がどのような人か、その人となりを伝えることで、オリジナルなスピーチを心掛けます。ここでは2文目で、ジェニーとの付き合いは2年目になるが、彼女はとてもいい人で、彼女と知り合えてよかった、と自分とのつながりについて触れています。もし余裕があれば、彼女の「いい人」ぶりを表す、ちょっとしたエピソードなども入れたいですね。

Every once in a while, we have small get-togethers to welcome a new season. Jennie always takes the initiative to check if everyone can make it.

私たちはたまに、季節ごとのちょっとしたパーティーを開きます。ジェニーはいつも率先して、みんなが参加できるかを確認してくれます。

こうしたエピソードは、スピーチにユニークさを加え、聞き手にとっても、ジェニー像がより具体的になり、楽しいものです。普段から、その日にあった出来事などを英語で言う癖を付けておくと、いざというときにこうした英文がさっと出てくるようになります。

エピソードを加えた応用例

エピソードを加えた応用の音声を聞いてみましょう。余裕があれば、音声に合わせて声に出して言ってみましょう。

流れフレーズ
IntroductionLet me propose a toast to celebrate our friend Jennie’s 26th birthday.
BodyI’ve known Jennie for about two years now,
and she really is a very nice person who I’m very happy to know.
Every once in a while,
we have small get-togethers to welcome a new season.
Jennie always takes the initiative to check if everyone can make it.
ConclusionJennie, we hope you enjoy your birthday today.
Now, let’s drink a toast to Jennie!
Happy birthday, Jennie!

キーフレーズの入れ替え文

1.Let me propose a toast to celebrate your marriage.
2.Let me propose a toast to celebrate your new job.
3.Let me propose a toast to celebrate the New Year.

次回は、お祝いしてもらう人のスピーチについて紹介します。どうぞ、お楽しみに。

小坂貴志(こさかたかし)
小坂貴志(こさかたかし)

東京国際大学言語コミュニケーション学部教授。専門分野は異文化コミュニケーション研究。パブリックスピーキング関連の主な著書に『 ビジネスで使える 英語の1分間スピーチ 』、『 とっさのときに困らない 英語の30秒スピーチ 』(いずれも共著、研究社 刊)がある。

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