〈サザエさん、進撃の巨人、バットマンetc.〉 英語でコミックを読む!

アルクの英語学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』(EJ)8月号の特集は「英語でコミックを読む!」です。「英語で読書」というと、英語を普段学習している人でもちょっとハードルが高い……と思ってしまいがちです。そこで、そのハードルをできる限り低くして、自分の「興味のあるものだけ」「好きなものだけ」を選んで読むことから始めてみませんか?本特集では「日本のマンガ」「アメコミ」を題材に、英語コミックならではの変わった英語表現や日本と海外で異なる文化・考え方などを紹介します。

CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年8月号
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 雑誌

Part1 日本のマンガから学ぶ英語

人気マンガ翻訳家に聞く マンガ英訳の面白さ

フリーのマンガ翻訳家として長年活躍されている木村智子さんに、これまでのお仕事やマンガを英訳する際の苦労、業界の裏話をお伺いしました。翻訳する際に気を付けていることや、英訳マンガを使った学習方法も教えてくださいました。

 初めて英訳マンガを読むなら日英対訳形式の「バイリンガル版」をおすすめします。知らない単語があっても原作のセリフとすぐ照らし合わせることができるので、すらすら読み進められます。 専門用語やスラングが多い作品だと、辞書を引く手間がかかってしまうので、まずは1ページあたりの文字数が 少ない 作品、そして語彙が少なくても読みやすい作品から始めるといいと思います。

名作マンガで学ぶ英語表現

日本の少年マンガ、少女マンガ、4コママンガの名作である『黒執事』『鋼の錬金術師』『進撃の巨人』『かくりよの宿飯』『サザエさん』を題材に、マンガならではの英語表現を学びましょう。たとえば、「擬音」について、木村さんはこんな風に訳しているそうです。

 マンガにおいて「擬音」を訳す場合、ネコの鳴き声ならmeow(ニャー)など、日本語に対応する英語の擬音があればそれを使います。ただ、英語の擬音は日本語に比べて種類が非常に 少ない ため、出版社独自の訳し方があります。例えば雨音の「ザアア」は ssssh、ksssh などと訳されますが、波の音の「ザザーッ」も雨音と同じksssh と訳す場合もあります。

PART2 アメコミから学ぶ英語

スパイダーマン」「キャプテン・アメリカ」などのマーベルコミックスと、「バットマン」「ワンダーウーマン」などのDCコミックス。これら2大巨頭といわれる出版社のアメコミ作品を紹介します。「映画は見たことがある」という人も多いマーベル・DCの原作アメコミを使った英語学習は、映画でキャラクターたちになじみがある人には特におすすめです。

アメコミ初心者講座

「アメコミってヒーローもののマンガだけ?」「キャラクターの関係性が複雑でわからない」……など、アメコミをよく知らないという人のために、アメコミ関連ライターの石井誠さんがわかりやすく解説します。

『バットマン:ホワイトナイト』で学ぶ英語表現

6月末に発売された『Batman: White Knight バットマン:ホワイトナイト』から、日常会話でも使える英語表現やちょっと変わった面白い英語表現などを紹介します。アメコミでよく見られるスラングや口語、場面を表現する擬音語などにも注目です。翻訳を担当した秋友克也さんが、訳のポイントをご紹介くださいました。

 I'M YOUR GREATEST VILLAIN BECAUSE I'M YOUR BIGGEST FAN! 「お前の最大のファンだから最高のビランになれるのさ!」

ジョーカーがバットマンに向けて放ったセリフ。 「(スーパー)ビラン」は「スーパーヒーロー」の対立概念で、単なる犯罪者ではなく、超人的な能力や独特な行動規範を持った悪人を指します。villain には長らく「悪役、悪党」などの語をあててきましたが、読者層が成熟して一般的な日本語にはない概念を受け入れる用意ができたのと、アメコミの 影響 を受けた日本のマンガ『僕のヒーローアカデミア』(集英社)などでも使用されていることから、最近は特に注釈もなく「ビラン」と表記するようになっています。

ここで紹介した内容はほんの一部。誌面にはたくさんのコミック画像を掲載しているので、マンガ好きな人も、そうでない人も楽しめる内容になっています。 初心者におススメの注目アメコミなども紹介しているので、もっと英語コミックを知りたい!という方は、是非本誌でお楽しみください。

 

CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年8月号
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 雑誌
 

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構成・文:古川
ENGLISH JOURNAL編集部員。海外旅行と昼寝と猫が好き。TOEIC 950点 取得 に向けて日々勉強中。

『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明れいめい期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。

日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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