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「発信できる」英語力を手に入れよう!『ロイヤル英文法』

「発信できる」英語力を手に入れよう!『ロイヤル英文法』

英語の基礎力を鍛えるため、『ロイヤル英文法』を読了した、翻訳者のchipmunkさん。この連載では、この文法書をもう一度読み返して、会話で使える例文を徹底的に洗い出し、紹介してくれます。今回は比較の「比較級」についてです。比較の構文を自由に操れるようになると、会話の幅が格段に広がります。『ロイヤル英文法』マスターのchipmunkさんと一緒に、楽しく英文法を理解して、英語の会話に自信を付けましょう!

こんにちは!まだまだ暑いですが、いかがお過ごしですか?私は、洋書を読み、洋画を見て、洋楽を聞いて、英語日記を書いて・・・どっぷりと英語に浸かった生活をしています。

そこで、あらためて思うことがあります。構文力は基本的な文法知識がないと積み上がっていかないということです。「解釈できる」だけではなく、「発信できる」英語力につながるような文法学習をしていきたいと気持ちを新たにしました。「学んで、使う」ことを目指して、一緒に『ロイヤル英文法』の例文を見ていきましょう! 

それでは、張り切って「比較」の復習をしたいと思います。どうぞ、お付き合いを!

ロイヤル英文法―徹底例解

ロイヤル英文法―徹底例解

 

比較とは?

前回を少し振り返りますと、「比較」とは、性質、状態、数量などの程度を表すために、形容詞や副詞の語形が変わること、そして、原級・比較級・最上級の3つの級があることを確認しました。

  • 比較には、原級・比較級・最上級の3つの級があります。

原級:ほかのものと比較せずに、形容詞・副詞のそのままの形で性質・状態・数量などを表します。

比較級:2つの中で、一方が他方よりも程度が高いことを表します。

最上級:3つ以上の中で、程度が最も高いことを示します。

  • 性質、状態、数量などの程度を表すために、形容詞や副詞の語形が変わることを「比較(変化)」といいます。
  • 比較変化をするのは、原則として程度を強調する very などで修飾できる語です。比較級と最上級の作り方には、それぞれ原級の語尾に、er、est をつける場合と、原級の前に、more、most を置く場合と、2通りあります。

※説明は、『ロイヤル英文法』の記述を基にまとめたものです。

今回は、この中の「比較級」を用いた構文を中心におさらいしましょう。

比較級を用いた構文

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2つのものを比べて、どちらかの程度が高いことを表す構文

※例文は、すべて『ロイヤル英文法』からの引用です。( )は掲載ページです。

Tom is two years older than I.

トムは私より2歳年上だ。(p. 359)

これ、使えますね!私と姉の場合は、My sister is four years older than I. なんですよ~。体重は私の方がうんと多いんですけどね。

I am older than you by three and a half months.

私は君より3カ月半だけ年上だよ。(p. 359)

差が少しややこしい数値だと、こんなふうに by を使うのだそうです。ふむふむ。 

Oh no, they can’t go faster than me.

いや、彼らは私より速く行けやしないよ。(p. 360)

than I ではなく、than me と言うのは、くだけた言い方の場合です。たしかに、訳もくだけてます! 

「比較級」を使った特別な用法 

こんな場面で使いたい「比較級」の構文

少し強調して伝えたい

使える表現が目白押しですよ~。

the +比較級, the +比較級 「~すればするほど...」

When should I copy this?

The sooner, the better.

いつこれをコピーしますか?

早ければ早いほどいいんだけれど。(p. 371)

これ、いろんな場面で使えますね!ランチとかオフ会の提案があったときに、「善は急げ!」というときにもいいですね~。ついでに、パーティーは「人数が多ければ多いほどいい」って言いたいときには、The more, the merrier! って言いますよね。

the +比較級+ because (for)~ 「~なのでいっそう...」

I like him all the better for his human weaknesses.

=I like him all the better because he has human weaknesses.

彼が人間的弱さを持っているので余計彼が好きなのです。(p. 371)

この例文、好きなんですよ。そうそう、弱さがあるから魅力があるのです。恋愛に限らず、友情についてもしかりですね。

none the +比較級+ for ~ 「~だからといってそれだけ・・・ということはない」

The child was none the worse for being in the rain all night.

その子は一晩中雨にぬれていたがなんともなかった。(p. 371)

これは、もう none the worse で覚えちゃったほうが良さそうです。

比較級+ and +比較級 「ますます~」

Our world is getting smaller and smaller.

我々の世界はますます狭くなってきている。(p. 371)

知っている人にどこかで偶然に会ったときや、知り合いから紹介された人がたまたま旧友だったりしたときに、What a small world!「世間って狭いねぇ」なんて言いますが、そんな体験が何度か続くとこう言いたくなります。

much [still / even] less ~ 「なおさら~ない」

I did not even see him, much less shake hands with him.

私は彼に会ったことすらないのだ。まして彼と握手したことなんかありっこないよ。(p. 372)

ほう、これはなんだか、強く否定してますね。言い訳のように聞こえるので、ますますもって疑わしい・・・。ところで、この much less は、let alone とも言い換えられます。

know better than to ~ 「~するほどばかではない」

I know better than to do such a thing.

私はそんなことをするようなばかではない。(p. 372)

へ~、そんなことっていったいどんなことでしょう。私だったら、夜中に柿ピーやポテトチップスを食べること、でしょうかねぇ。

自分の意見に説得力を持たせたい

A is no more B than C is D. 「AがBでないのは、CがDでないのと同じ」

自分の意見に説得力を持たせたい

A whale is no more a fish than a horse is (a fish).

鯨が魚でないのは馬が魚でないのと同じことである。(p. 372)

出ました、鯨の構文!懐かしいです。受験生のころを思い出します。「鯨は哺乳類だよ」ってあっさり言うより、やっぱり印象に残りますよね。

A home without love is no more a home than a body without a soul is a man.

愛のない家庭が家庭でないのは、魂のない体が人間でないのと同じである。(p. 372)

この例文、前から好きでした!いったい誰が言ったんでしょうねぇ、こんな名言。もしかして、マザー・テレサとか???

I suppose that iguanas are no more unusual as pets than tortoises.

私はイグアナはカメと同じでペットとして異常ではないと思う。(p. 372)

これも、面白い例文です!とにかく、ペットにどんな動物を選ぶかは人それぞれでいいってことなんでしょうが、やっぱりカメのほうが常識的だっていう前提があるんでしょうね。

A is no less B than C is D. 「CがDであるのと同様に、AもBである」

A whale is no less a mammal than a horse is.

鯨は馬と同様哺乳動物である。(p. 373)

はい、そうです、間違いなく哺乳類ですってば!

A is not more ~ than B. 「AはBほど~ではない」「AはB以上に~ではない」

This question is not more difficult than that one.

この問題はあれほど難しくない。(p. 373)

この例文は要注意ですよ~。This question is not as difficult as that one.とは意味が全然違いますから。「どちらも難しいが」という意味が込められた表現なんですと!難問を2つ抱えたときに、悩みながらも「こっちのほうがまだ取っつきやすそうだね」という感じで使うみたいです。

A is not less ~ than B. 「AはBにまさるとも劣らず~である」

I am not less anxious than you to study abroad.

私は君に劣らず留学したいと思っている。(p. 373)

簡単に言えば、I am very anxious.ってことですね。ぱっと見は否定文ですが、実はかなり強い肯定です。日本語の「まさるとも劣らない」っていうのがぴたりと当てはまりますね!

同じものを「多い」と見るか「少ない」と見るか

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no more than A 「(少ない気持ちを込めて)Aしか~ない」

I have no more than 10,000 yen.

私は10,000円しか持っていない。(p. 374)

no more than 10,000 yen = only 10,000 yen

no less than A 「(多い気持ちを込めて)Aも~ある」

I have no less than 10,000 yen.

私は10,000円も持っている。(p. 374)

no less than 10,000 yen = as much as 10,000 yen

持っている金額は同じでも、金額の見方に違いがあるからこんなふうに別の言い方になるんですね!同じものを「多い」と見るか「少ない」と見るか、幸福感や価値観にも関わることかもしれないです。

not more than A  「A以上ではない→多くてA」

I have not more than 10,000 yen.

私はせいぜい10,000 円しか持っていない。(p. 374)

not more than 10,000 yen = at most 10,000 yen

not less than A  「A以下ではない→少なくともA」

I have not less than 10,000 yen.

私は少なくとも10,000 円は持っている。(p. 374)

not less than 10,000 yen = at least 10000 yen

ふ~む。これまた面白い例文です。not more than はかなり否定的な言い方で、not less than はかなり肯定的な言い方。「なんとかなるさ!」という気持ちを表すんですね!

おまけのクイズ

クイズ

「~以上、以下、未満」はどう表現するでしょう?

Q1「10以上」を(厳密に)英語で言うと、次のどれが正しいでしょうか?(正解は複数あります)

more than ten ②over ten ③above ten ④ten or more ⑤from ten up

 

Q2「10以下」は? (正解はひとつだけです)

less than ten ②ten or less ③under ten

 

Q3「10未満」は?(正解は複数あります)

less than ten ②ten or less ③under ten

クイズの答え

Q1 ④⑤が正解。日本語の「10以上」は10を含んでいるからです。①②③は、「10より上」で10を含みません。

Q2②が正解。10を含んで、それ以下という言い方。

Q3①③が正解。「10未満」というのは、10を含まないからです。

お疲れさまでした!これで、比較級の復習はおしまいです。先日やっと読み終わったEast of Eden(ジョン・スタインベック著)にも、鯨の構文が出てきたんですよ。それも、何回も何回も!見るたびに、私は「おー、まただ。スタインベックはこの構文が好きだったのねぇ」と思いました。さて、次回はいよいよ最上級の復習をします。ちょっと耳慣れない絶対最上級なんてものもあるんですよ。普通の最上級とどう違うんでしょうね? お楽しみに!

chipmunk

文:chipmunk
自宅の英語教室で25年ほど教えた経験を持ち、最近では出版翻訳の仕事として3冊訳すなど翻訳者としても活動中。最近はもっぱら翻訳の勉強をメインに精進中。洋書も和書も、ジャンルを問わず(面白ければ)なんでも読みます。英検1級、TOEIC915。

編集:増尾美恵子