【レベル別】TOEIC Part 2に効果抜群のリスニングトレーニング4選

『TOEIC(R) L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』の発売にあたり、著者の勝山庸子さんにPart 2対策について語っていただく本連載。第5回は、Part 2対策で使える細部を聞き取る力を鍛えるトレーニングをご紹介します。自分に合うトレーニング方法がきっと見つかるはず!

「Part 2は何が何だか分からないうちに終わってしまいます」TOEICの学習をしている方とお話しすると、こういう悩みをよく聞きます。

Part 3とPart 4は、長めの会話やトークで難しそうに見えますが、印刷されている設問文や選択肢がヒントになったり、音声の内容の一部から文脈が想像できたりと、多少聞き取れない部分があっても答えを選ぶことができる場合があります。でもPart 2ではそうはいきません。十数語しかない設問文が唯一の情報源なので、聞き取って理解する能力がシビアに問われるのです。

そこで今回は、特にPart 2に効果がある、細部を聞き取る力を鍛えるトレーニングをご紹介します。ご自分に合うトレーニング方法を見つける手掛かりにしてください。

シャドーイング ~リスニングの総合トレーニングに~

  • 難しさ★★★ 
  • 取り組みやすさ★★★ 
  • 即効性★★☆

シャドーイングは、スクリプトを見ずに音声を聞き、音声とほぼ同時に発話するトレーニングです。このとき、文の意味も考えながら、発音・リズム・イントネーションをできるだけ正確に再現します。これを継続すると、自然な発音の英語が聞き取れるようになるだけでなく、意味も瞬時に理解できるようになります。

シャドーイングをPart 2対策として効果的に行うためは、まずスクリプトを読んで意味が理解できるかを確認しましょう。そして、必要に応じて分からない語句などを辞書で調べてからシャドーイングを行ってください。さらに詳しい練習方法は英語学習アドバイザーの玉木史惠さんによるこちらの記事をご覧ください。

シャドーイングの特徴の一つに、「どこでも取り組める」ということが挙げられます。私が担当してきた生徒さんも、「通勤・通学の電車やバスの中で(もちろん小声で)」「授業や仕事の休み時間に」「家事をしながら」「お風呂で」など、それぞれに工夫をして成果を挙げています。Part 2の音声なら試験1回分(25問)で9分程度ですから、隙間時間を使った練習にぴったりです。

シャドーイングに初めて挑戦する方は、「Part 2の音声は速くてとてもついていけない」と感じるかもしれません。それはごく自然なことです。というのも、発音やイントネーションに注意を払いつつ、かつ意味も考えながら発音するというのは、実は非常に負荷が高いトレーニングだからです。ですから、教材はほとんど辞書を引かずに内容を理解できるレベルの易しいものを選ぶのがよいでしょう。それでもシャドーイングが難しいと感じる方は、無理をせず、次に挙げるパラレル・リーディングに最初に取り組み、ある程度慣れてからシャドーイングに取り組むようにしてください。

パラレル・リーディング ~シャドーイングが難しいという方に~

  • 難しさ★★☆ 
  • 取り組みやすさ★★☆ 
  • 即効性★☆☆

パラレル・リーディングは、シャドーイングの準備段階に適したトレーニングで、シャドーイングと同じことをスクリプトを見ながら行います。とは言っても、必ずしも常にスクリプトを見ている必要はありません。むしろ、言えないところだけを見るようにするとよいでしょう。文字に意識が向いて発音やリズムが自己流になってしまってはいけませんからね。

パラレル・リーディングを行う場合も、シャドーイングと同様、語句や構文を事前にチェックして英文の意味が理解できている状態にしておく必要があります。

ディクテーション ~文頭を聞き取れるようになりたい方に~

  • 難しさ★☆☆ 
  • 取り組みやすさ★☆☆ 
  • 即効性★★☆

ディクテーションは、音声を聞いて書き取るトレーニングです。聞き取れない部分は何度も繰り返して聞き、綴りはあまり気にせずに書いてみましょう。終わったらスクリプトと照らし合わせ、どこが聞き取れていないのかを確認することが重要です。

Part 2対策として特にお勧めしたいのは、文頭の4、5語のディクテーションです。文頭は、疑問詞や主語など質問の核となる情報が現れることが多い部分ですが、意外と聞き逃しやすい部分でもあります。例えば、特に頻出の疑問詞when、where、whatは、単独だと聞き取れても、直後に単語が続いてwhen will、where are、what typeのような形になると聞き取りづらくなります。こういった語句も、ディクテーションを続けると聞き分けられるようになります。なお、ディクテーションには、アルクの英語学習アプリ「booco」など、音声を繰り返し再生する機能がついたアプリがお薦めです。

設問と応答の丸暗記 ~応答を聞いてもピンとこない方に~

  • 難しさ★☆☆ 
  • 取り組みやすさ★☆☆ 
  • 即効性★★☆

最後にご紹介するのが、設問文とそれに対する応答(正解の選択肢)のセットを丸ごと暗記するという方法です。これに取り組めば、応答のパターンが身に付く上、Part 2に頻出の話題や会話の流れ、いわゆる「Part 2あるある」を知ることもできるため、応答を選ぶ勘が養われます。

ただし、音声なしでスクリプトを丸暗記してもリスニング力向上にはつながりません。シャドーイング(上記)やリピーティング(拙著『TOEIC® L&Rテスト Part 2リスニング解体新書』をご覧ください)を行い、音声とともに覚えることで解答力が身に付きます。

ご褒美に

リスニング上達の秘訣は、トレーニングを毎日続けることです。しかし、TOEICの教材を使うトレーニングばかりでは飽きてしまうかもしれません。そんなときには、毎日トレーニングをしているご褒美として、TOEIC教材以外のお好みの英語の音声を使って今日紹介したトレーニングを行ってみるのも一案です。TOEICの素材よりも難しくはなりますが、英語のプレゼンをスクリプト付きで視聴することができる Ted Talks は、トレーニングにもってこいです。好きな映画やテレビドラマも、英語の字幕があればパラレル・リーディングやシャドーイングに使えます。

ENGLISH JOURNALにも、こうしたトレーニングに使えそうな記事があります。例えば、俳優さんのモノマネをしながら英語のセリフをシャドーイングするこちらの記事などはいかがでしょうか。洋楽が好きな方にはLyricsTraining(Web版とアプリがあります)がおすすめです。これは、MVを見ながらリスニングのトレーニングができるというものです。

ご自分の弱点を克服できそうなトレーニング、楽しく続けられそうな教材は見つかりましたか? リスニングが得意になると、さまざまなメディアのコンテンツを楽しめるようになり、世界が広がります。そのためにも、トレーニングを楽しく続けられる方法が見つけられると良いですね。

書籍『 TOEIC® L&Rテスト Part 2リスニング解体新書 』でも、Part 2対策に有効なトレーニング方法をコラムでご紹介しています。ぜひお読みください。

勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)
勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)

TTT 11期生。カリフォルニア大学大学院にて社会学を学び、帰国後は大学と英会話学校でTOEIC・TOEFL・英検などのテスト対策講座や英会話などの授業を担当。TOEIC® L&Rテストは18歳の時から現在まで断続的に受験を続けている。米国で苦労して英語を学んだ自身の経験に基づく丁寧な指導には定評がある。TOEIC® L&Rテスト 990点(満点)、英検1級(日経Weekly賞)。共著に『TOEIC(R) L&Rテスト Part 5 語彙問題だけ555』、執筆協力は『TOEIC® L&Rテスト 直前の技術』『TOEIC(R) L&Rテスト 200%活用模試』『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』(以上アルク刊)など、アプリ教材も含め多数。趣味は英語学習も兼ねた洋楽・洋画鑑賞と英語のPodcast視聴。

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