モヤモヤをすっきり解消!英語を書く&話す力をブラッシュアップ【ブックレビュー】

英語を話したり書いたりするとき、動詞の時制や、冠詞の有無など、細かいところが気になってモヤモヤしてしまう・・・。そんな方におすすめの本を紹介します。読み終わる頃には英語のモヤモヤがすっきり。自信を持って発信できるようになるはず!

正しい英語の「アウトプットの仕方」が分かる本

こんにちは!ライターの尾野です。

英語を聞いたり読んだりするのは好きだけど、話したり書いたりは苦手・・・。そんな方も多いのでは?

何を隠そう、私もそうです。英語日記をつけたり、手帳に英語で予定を書いたりしているのですが、細かい文法項目が気になり、「これでよかったのかな?」と常にモヤモヤしています。まあ、日記や手帳なら自分が分かればそれでいいのですが、できれば自信を持って、すっきりした気持ちで英語をアウトプットしたいですよね?こんな悩みに役立ちそうな本を見つけました。その名も『英語の落とし穴大全』

そうなんです、私たちが英語のアウトプットでモヤモヤするのは、英文法には常に「落とし穴」があるから。せっかくある項目を覚えても、すぐに例外が出てくることもしばしば。「さっき聞いたのと違うじゃん!」という気持ちになります。

本書は、そんなささくれだった英語学習者の気持ちに寄り添う1冊。「なぜダメか、どこがダメか、どうすればよかったのか」がすっと腹落ちします。例文を丸暗記するのではなく、ネイティブスピーカーの感覚や考え方の筋道をつかめるので、あとあと役に立ちそうです。

文法項目ごとの章立てで読みやすい

本書のコンテンツはこの通り。文法項目ごとに分類されています。

第1章から順番に読むのがおすすめですが、自分の苦手分野が把握できている人は、そこから読み始めてもいいかもしれません。

知識のレベルに応じて、★の数で3段階に分けられているのもポイント。全部をじっくり読んでもいいですし、「この項目は★3つのものだけ」といった読み方もできます。

また、各項目が、英語の「書く」「話す」のどちらに役立つのかを、記号で示しているのも助かりますね。もちろん「書く」「話す」の両方に役立つ項目も多数あります。

×と△で「間違い」の度合いを把握

間違いの度合いを×と△の2種類に分けて説明しているのも、本書の良いところです。

×=「文法的に誤っている」「(コロケーションなどの)慣用に反する」「日本語の意味に対応しない」「実際の使用頻度が低い」などの理由で、使ってはいけない(または使わない方がよい)もの

△=許容されるので使ってもよいが、より適切な表現があるもの

×と△、それぞれのを見てみましょう。

まずは×の例。第5文型(SVOC)の例文です。

トイレはきれいにしておきなさい。

× ①Keep the clean toilet.
○ ②Keep the toilet clean.

keep O C で「OがCである状態を保つ」という意味

①だと、「きれいなトイレ(the clean toilet)を手放さずに持っておきなさい」という意味になってしまうので×です。なるほどと思いませんか?

続いて△の例がこちら。第4文型(SVOO)の例文です。

母にそのゲーム機を買ってもらいたい。

△ ①I want my mother to buy the game console.
○ ②I want my mother to buy me the game console.

buy O1 O2で「O1(人)にO2(物)を買ってやる」という意味になります。

日本語を見ると、「私」が望んでいるのは、「母が私にゲームを買ってくれること」なので➁は○。①でも、「母がゲームを買うこと」を望んでいるのは分かりますが、「私がゲーム機を使う」という意味を表現できないので△なのです。

こちらも納得がいきますね。

「なるほど!」な例を1030題も掲載

本書を読んでいて、特に「なるほど!」と思ったものを紹介します。

まずはこちら。「能動態と受動態の選択」に関する例文です。

この本は10万部売れた。

× ①This book was sold 10,000 copies.
○ ➁This book sold 10,000 copies.

「売れた」という日本語に引っ張られて、つい①のように受動態にしたくなってしまいますが、正解は➁。sell で「売れる」という意味になるんですね。頭では分かっていても、書いたり話したりするときには注意が必要です。

もう1つ。「所有格の名詞の使い方」に関する例文。

ナオコの歌はとても上手だ。

△ ①Naoko's songs are very good.
○ ➁Naoko is a very good singer.

所有格は「~が所有する、~に属する」という意味があるため、①は「ナオコが作った歌はいい歌だ」という解釈になります。日本語の文の意図とはずれているので△ですね。➁は「ナオコは上手な歌い手だ」という意味になるので、こちらが○です。

続いては、「注意すべき名詞」に関する例文。

消防士は地方公務員だ。

× ①Firemen are employed by the local government.
○ ➁Fire fighters are employed by the local government.

昔は①でも正解だったかもしれませんが、現代ではPC(political correctness=政治的妥当性)の観点から、firmanはNG。消防士には女性もいますから、fire fighter としている➁が正解です。

同様に、chairman→chairperson(議長)、stewardess→fligh attendant(客室乗務員)なども注意したい例です。知っている単語や用語でも、常にアップデートが必要ですね。

本書には、こんなふうに「なるほど!」と思える例が1030題も掲載されています。

まとめ

英語には自信があるという方でも、「書く」「話す」際には、なんとなくモヤモヤすることもあるのでは?その点、本書は、巻末に索引が付いているので、疑問が湧いたときにさっと逆引きして使うこともできます。また、細かい文法項目に強くなれるので、TOEICなどの試験対策にも効果を発揮しそう。

英語力をアップさせるには、常に学び続けるしかありませんね。『英語の落とし穴大全』が手元にあれば、何かと役に立つこと間違いなし!ぜひ、手に取ってみてください。

尾野七青子
尾野七青子

都内某所で働く初老のOL兼ライター。

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