未来を表すwillとbe going toの違い。3つのポイントに絞ってやさしく解説【3分で分かる英文法】

「『能力』を表すcanとbe able to、『未来』を表すwillとbe going to。いったい何がどう違うの?」など、英語学習者なら誰もが一度は疑問に思ったことのある英文法のあれこれを、TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんがやさしく解説します。第2回の今回は、『未来』を表すwillとbe going toの違いです。

willとbe going toの違い

こんにちは。トイグルの田邉です。

英作文の際、必ずと言っていいほど迷うのが、willとbe going toの違いです。これらはいずれも、「未来」について述べる際に用いる表現ですが、ニュアンスが微妙に異なります

もし使い方を間違えると、たとえ他の箇所を注意深く書いても、あなたの言いたいことが正しく伝わらないかもしれません。

そこでこの記事では、willと be going toの違いについて、プロの英語教師が要点を分かりやすく説明します。これらの違いを知ることで、より正確で、かつ説得力のある英文を書けるようになるでしょう。

違い1 原因や予兆が表れているかどうか

willと be going toの違いの1つ目は、その出来事の原因、言い換えれば予兆が、既に表れているかどうかにあります。次の例文を比較してみましょう。

It will rain tonight.
(今夜は雨でしょう)

It’s going to rain.
(雨が降りそうです)

1つ目の例文はwillが使われています。このような文の場合、willは客観的な未来を表します。例えば、天気予報などで「今夜は雨でしょう」と述べているような場面です。

2つ目の例文はbe going toが使われています。このような文の場合、原因や予兆が既に表れている未来を意味します。例えば、屋外で遊んでいるところ、雨雲が出てきて、今にも雨が降りそうだ、といった場面です。

原因や予兆が表れていれば be going to」と覚えておきましょう。

違い2 発話の時点で決まっていたかどうか

willとbe going toの違いの2つ目は、その行為をするという気持ちが、発話の時点で事前に固まっていたかどうかです。例えば、話し手が「電話が鳴っているよ!」と言ったとします。聞き手が「私が取るよ!」と言うとして、より自然な答えは次のどちらでしょうか?

I’ll get it.
I’m going to get it.

正解は、“I’ll get it.”です。

willには「その場で決めたこと」のニュアンスがあります。普通、電話の着信は突然掛かってきますよね。「電話が鳴ったから、取るのを決めた」ということで、willが合うんです。一方、be going toには「既に決めていたこと」のニュアンスがあります。いつ、誰からかかってくるか分からない電話を、事前に取ろうと決めておいたような感じがして、不自然に響きます。

尚、場合によってはbe going toが自然なこともあります。例えば、学校で先生が「今日の授業では英文法について取り扱いましょう」と言うとき、willを使ってしまうと、授業内容をあらかじめ考えておらず、今決めたような感じがなくもありません。

事前に考えておくのが当然の状況なら、be going toが自然」と覚えておきましょう。

違い3 ある出来事が起こる条件になっているか

willと be going toの違いの3つ目は、出来事が起こる条件が含まれるかどうかです。次の英文を比較してみましょう。

Don’t sit on the rock, it’ll fall.
(その岩に腰掛けないで、落ちるよ)

Don’t sit on the rock, it’s going to fall.
(その岩に腰掛けないで、落ちそうだから)

いずれも、崩れそうな岩に腰掛けようとしている聞き手に対し、話し手が警告している場面です。

この場面では、willは「条件」の意味に解釈できます。聞き手が岩に腰掛けることで、それが落ちてしまうという状況です。一方、be going toは「不可避」の意味に解釈できます。岩は既に落ちそうなので、腰掛けなかったとしても、崩れ落ちてしまう状況です。

be going to は不可避な変化を表すことがある」と覚えておきましょう。

まとめ

この記事では、英語のwillとbe going toの違いについて、3つのポイントを紹介してきました。これらを正しく使い分けることで、自然な英語を話したり書いたりすることができるでしょう。

この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト「willとbe going toの違い!使い方のポイントは予測や意図を理解すること」でご覧いただけます。

「3分で分かる英文法」目次

第1回:canとbe able toの違い
第2回:willとbe going toの違い
第3回:mustとhave toの違い
第4回:May I ~? Can I ~? Shall I ~?の違い
第5回:shouldとhad betterの違い
第6回:Will you ~?とCan you ~?の違い
第7回:mayとmight、canとcouldの違い
第8回:wouldとused toの違い
第9回:might have、should have、would haveの違い
第10回:不定詞(to do)と動名詞(doing)の違い
第11回:if I amとif I wasとif I wereの違い
第12回:not to doとto not doの違い

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田邉竜彦(たなべ・たつひこ)
田邉竜彦(たなべ・たつひこ)

英語教師。月間40万人に読まれる英語学習メディア『トイグル』を運営。TOEICR対策特化型スクール『トイグル』代表。マンツーマン講座とセミナーで社会人を中心に200名以上の英語学習をサポート。英ストラスクライド大学大学院経営学修士(MBA)、英ウォリック大学大学院英語教授法修士。

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