canとbe able toの違い。3つのポイントに絞ってやさしく解説【3分で分かる英文法】

「『能力』を表すcanとbe able to、『未来』を表すwillとbe going to。いったい何がどう違うの?」など、英語学習者なら誰もが一度は疑問に思ったことのある英文法のあれこれを、TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんがやさしく解説します。第1回の今回は、『能力』を表すcanとbe able toの違いです。

canとbe able toの違い

こんにちは。トイグルの田邉です。

私たちが英語を学んでいると、能力を表す助動詞「can」を見かけることが多いと思います。canは日常会話だけでなく、フォーマルな場面でも使われるため、使える英語を身に付けるには、必ず知っておきたい文法の一つです。

canとよく似た表現に「be able to(~することができる)」があります。初学者向け文法書などでは、「can=be able to」のように説明しているため、これらが交換可能だと思っている人が少なくありません。

しかし、実際の英語使用場面では、canとbe able toは決して同じものではなく、使い方に違いがあります。もし、これらの選び方を間違ってしまうと、メッセージが意図しない意味で伝わってしまう、という事態になりかねません。

そこでこの記事では、canとbe able toの使い分けを三つのポイントに絞って説明します。本記事を読めば、正確な英語発信力の向上を実感できるでしょう。

違い1 使用頻度はcanが圧倒的に多い

canとbe able toの違いの一つ目は使用頻度です。英語では、be able toに比べてcanの使用頻度が圧倒的に高いといわれています。次の例文を見てみましょう。

Can you type?
Are you able to type?
(タイプできますか?)

文法的にはcanとbe able toのいずれも使用可能です。ただ、ネイティブスピーカーの多くは、canを使った文の方が、自然に聞こえると言います。canとbe able toで迷ったら、canを優先して使うようにしましょう。

違い2 他の助動詞と用いるときはbe able toを使う

canとbe able toの違いの二つ目は、文法的な制約です。次の例文を見てみましょう。

We will be able to answer your questions tomorrow.
(明日には皆さまのご質問にお答えできるようになるでしょう)

ここでは、「~できるようになるでしょう」の意味で、will be able toが使われています。willは助動詞ですが、英語では助動詞を二つ連続で使用することはできません。未来を表すwill(~でしょう)と、能力を表すcan(~することができる)を組み合わせて、will canとすることはできないんですね。

× We will can answer your questions tomorrow.

ここで役立つのがbe able to です。これは助動詞ではないので、will be able toのように、組み合わせて使用できます。

他の助動詞と共に用いる場合は、be able toを使う」と覚えておきましょう。

違い3 知覚動詞ではcanが好まれる

canと be able toの違いの三つ目は、使われる動詞との相性です。

英語では、see(~が見える)、hear(~が聞こえる)、smell(~の匂いがする)といった、人間の五感を表す知覚動詞があります。知覚動詞を用いる場合、be able toは使用せず、canを使います。次の例文を見てみましょう。

I can smell gas.
(ガスの匂いがします)

例文の状況は、なんらかの事情でガス漏れが発生しており、話し手がそれについて述べている場面です。もし、I am able to smell gas.と言えば、「私にはガスの匂いを感じ取る能力があります」と言っている感じがして、不自然になるんですね。

× I am able to smell gas.

「今まさに匂いを感じている」といった意味合いであれば、canを用いる方が自然な言い方になります。「知覚動詞と共に用いる場合、canを使う」と覚えておきましょう。

まとめ

この記事では、英語のcanとbe able toの違いについて、三つのポイントを紹介しました。これらを正しく使い分けることで、自然な英語を話したり書いたりすることができるでしょう。

この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト「英語のbe able toの使い方!canやcouldとの違いについてもわかりやすく説明します」でご覧いただけます。

「3分で分かる英文法」記事一覧

第1回:canとbe able toの違い
第2回:willとbe going toの違い
第3回:mustとhave toの違い
第4回:May I ~? Can I ~? Shall I ~?の違い
第5回:shouldとhad betterの違い
第6回:Will you ~?とCan you ~?の違い
第7回:mayとmight、canとcouldの違い
第8回:wouldとused toの違い
第9回:might have、should have、would haveの違い
第10回:不定詞(to do)と動名詞(doing)の違い
第11回:if I amとif I wasとif I wereの違い
第12回:not to doとto not doの違い

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田邉竜彦(たなべ・たつひこ)
田邉竜彦(たなべ・たつひこ)

英語教師。月間40万人に読まれる英語学習メディア『トイグル』を運営。TOEICR対策特化型スクール『トイグル』代表。マンツーマン講座とセミナーで社会人を中心に200名以上の英語学習をサポート。英ストラスクライド大学大学院経営学修士(MBA)、英ウォリック大学大学院英語教授法修士。

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