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英語プレゼンで堂々と話すための8つのルール

TEDプレゼンに挑戦

ロシア出身で、大学時代にアメリカに留学後、会社経営やNPO法人運営を行い、さらには公認会計士でもある27歳の宮下晃樹さん。2016年に「Ted x Keio High School 2016」に招待されて登壇し、英語でプレゼンテーションをしました。その経験を基に、10日間で、英語プレゼン未経験から数百人の前でプレゼンできるようになるコツを教えていただきます。今回は、本番で緊張せず堂々と、伝わる英語の発音で話せるコツを紹介します。

こんにちは。2016年に「Ted x Keio High School 2016」に登壇した宮下です。

前回の記事では、TEDに向けた英語プレゼンテーションの準備方法について書かせていただきました。今回は、TEDへの登壇が決定してから本番までのわずか10日間ほどで、当日までどんなことを心掛けて練習し、大人数の前で英語で話すことができたのかについて紹介します。

大勢の前で話す度胸の付け方

前回の記事でもお伝えした通り、TED本番までの準備期間は約10日間しかありませんでした。そのため、必然的に、やるべきこととやるべきでないことの取捨選択が必要になります。

詳細は前回の記事でお伝えしましたが、私にとって「やるべきこと」は英語スピーチの作成とスピーキング練習に専念することでした。なぜなら、私は大人数の前で話すこと自体は得意だったからです。

ただ、人前で話すのがもともと好きだったのかといえば、全くそうではありませんでした。暗記したスピーチも、人前に立つと全て忘れ、手に汗を握り、足はガクガク震え、心臓の音が他の人に聞こえてしまうくらい緊張してしまうので、学生時代はずっとプレゼンテーションが嫌いでした。

しかし、大学生のころ、自分で何かを世に生み出して、その魅力を人に伝えたいと考えるようになり、プレゼンテーションは避けては通れない道になりました。そこで、TED Talksをはじめ、多くの上手なプレゼンターの話を聞いて、まねをするために彼らの共通項を見つけ出しました。

その共通項が、次の8つのルールです。私は今でも人前で話すときにはこれらのルールを守るようにしています。

プレゼンを堂々と成功させるための8つのルール

(1) 持ち時間は必ず守る

(2) 観客の目を見る

(3) 堂々と立って胸を張る

(4) 身振り手振りや声の抑揚を付ける

(5) 動画を見せて視覚と聴覚に訴える

(6) スライドの文字をなるべく削る

(7) 配布資料のデザインを極める

(8) 注意を引くようなサプライズを入れる

2年半前のTEDでは、必ずしもこの8ルールを全て守れていたわけではなかったのですが、特に(3)については意識しました。なぜなら、堂々と立って胸を張ることが、深呼吸につながり、緊張を和らげる一番の方法だと考えたからです。

また、「緊張感を楽しむ余裕」があることも、とても大切だと実感しました。昔、プレゼンが嫌いだったときには、「緊張している自分」を責めてしまい、さらに緊張するという悪循環に陥っていました。しかし、スポーツの試合や大事な試験と同じようにプレゼンも、適度な緊張感があった方が意外と良いパフォーマンスができることが多かったのです。そのため今は、「人前に立ったら心拍数が上がるのは当然、でもそんな自分も受け入れて楽しんでいこう」というマインドセットで、プレゼンテーションに臨んでいます。

TEDプレゼンに挑戦

※写真はプレゼンをしている宮下さん本人です。

伝わる英語発音の磨き方

日本では多くの人が自分の英語の発音に自信がないと思います。当時、私もそうでした。それなのに、準備期間は約10日しかありません。そこで、「そもそも全てにおいて完璧に発音する必要があるのか?」ということを問い直して、準備方法を考えました。

イギリス人の友人や英語の先生に相談し、教えてもらったことの中で最も大切なことは、ネイティブスピーカー並みの完璧な英語を話せなくても、言いたいことをプレゼンで相手に「伝える」ことはできるということです。

そのために私が意識したことは、次の2つでした。

伝わる英語発音のための2つのコツ

(1) 大事なフレーズを強調して話す

(2) カンマやピリオドの箇所で呼吸を整える

実際にTEDのプレゼンで使った原稿から、次のやや長い英文を例に、具体的に説明します。

My personal interpretation of a parallel career is where one’s work, hobbies and society all meet and complement one another, or as shown here in other terms, one’s skill, interests and mission.

原稿を作成する際、まずは文中で最も強調したいポイントである「work、hobbies、society」と「skill、interests、mission」の部分を黄色マーカーで塗りました。さらに、1文を一息で話すことはできないため、意味が区切れる部分にスラッシュを入れました。すると、次のようになります。

My personal interpretation of a parallel career / is where one’s work, / hobbies / and society / all meet and complement one another, / or as shown here in other terms, / one’s skill, / interests and mission.

このように、原稿を戦略的に作成し、メリハリを付けて話すことで、発音が完璧ではなくても、意味が伝わるスピーチをすることができました。

TEDプレゼンに挑戦

※写真はプレゼンをしている宮下さん本人です。

プレゼン中のトラブルへの対処法

最後に、プレゼン中にトラブルが起こったときにどうすべきかをお伝えします。

実はTEDのプレゼンでは、開始0秒でトラブルが起こりました。それは、自分の不注意のために、プレゼン冒頭で、指に装着するタイプのクリッカーの電池が切れてしまい、スタッフが急遽用意してくれたクリッカーが、手に持つタイプだったのです。

マイクと原稿を両手に持つ予定だったので、クリッカーが手で持つ大きいタイプだと、それを持つ手がありません。結果的に、原稿と一緒に持つことにしたのですが、冒頭のトラブルで緊張が吹っ飛んで、思わず笑ってしまいました。

ここで大切なことは、「いくら準備していても、本番では大小なりとも予想外のトラブルは起こり得る」という心構えをしておくことです。

何もトラブルがなくても、練習以上の結果が本番で出ることはまれだと思います。そこで、先ほど紹介した「大事なフレーズを強調して話す」にも通じますが、緊張したりトラブルが起きたりする可能性がある中で本番を迎えるに当たって、「本当に伝えるべきポイントはどこか?」「必ず達成すべき目標は何か?」を事前にしっかり考えておくことが大切です。そうすれば、本番で何があっても、一定以上の成果は出せると思います。

「Ted x Keio High School 2016」の動画

宮下さんの動画はインターネットで視聴できます。

宮下晃樹

宮下晃樹/Koki Miyashita
Carstay株式会社 代表取締役、NPO法人SAMURAI MEETUPS 代表理事、公認会計士、一般社団法人モバイルハウス協会 監事。 1992年3月生まれ。ロシア出身。大学時代にアメリカ留学を経て、「訪日外国人に忘れられない体験をプレゼントする」ためのNPO法人SAMURAI MEETUPSを2014年に創業。外国人と地域をつなぐ活動を80人のメンバーと共に推進。4年間で延べ1200人の訪日外国人を地域でガイドした経験から、外国人旅行者の車移動の課題と、地域の2次交通の課題を実感。そこで、2019年1月に、「快適な移動と感動体験を創出するプラットフォーム」としてCarstay(カーステイ)をリリース。「VANLIFE(バンライフ)」という新しい旅のカタチを提唱する。https://carstay.jp/

編集:GOTCHA!編集部