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「数えられない名詞」はどうやって数える?複数形がわかるクイズ3題

「数えられない名詞」はどうやって数える?複数形がわかるクイズ3題

2020年、小学校で英語が教科化されます。子どもから「英語、教えて!」と言われるケースが増えそうですが、文法をわかりやすく教えるのは簡単ではありません。そんな悩みを解決すべく、『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』が12月に刊行!今回はこの本の中から「名詞の複数形」に関するパートを紹介します。

子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ

子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ

  • 作者: 大竹保幹
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2018/12/18
  • メディア: 単行本

まずはクイズに挑戦!

3題あります。考えてみてください。

Q1 次の英文には間違ったところがあります。どこがおかしいのでしょうか。

I have five moneys.

Q2 次の英文はどちらがより自然な英語でしょうか。

① I like a dog.
② I like dogs.

Q3 写真の中のガン(goose)の数を数えて、下の英文を完成させてください。

We can see ______.

We can see ______.

今回のテーマは「名詞の複数形」

複数形って何だっけ?

「私ね。友達できたんだよ」という言葉を聞いたとき、あなたは何人の友達ができたと考えますか?

この子が社交的なら、たくさんの友達ができたのではないかと想像できますが、引っ込み思案な子だったとしたら1人かなと思うかもしれません。いずれにしても人数は実際に聞いてみないことにはわかりませんよね。

というのも、「ともだち」と言ってはいますが、友がたくさんいるとは限らないからです。1人でも「友達」、2人でも「友達」、どんなに数が増えていっても「友達」という語に何も変わりはありません。日本語ではこれが普通です。

ところが、英語は人や物の数をいつも気にしています

そのため、具体的な数字を使わないときも、それが「1つ」なのか、それとも「2つ以上」なのかを名詞の形を少し変えることで区別することになります。

このように、人や物が「2つ以上」である状態を表す形を「複数形」というのでした。

なんだか日本語より気にすることが多くて面倒だと思うかもしれませんが、数がどのくらいあるのかをいつも伝えてくれているわけですから、むしろ親切ではありませんか。

日本語だって、「子ども」と「子どもたち」のような区別もあるわけですから、「複数形」はこれに似ているのだなと考えておくといいかもしれません。

今回は、そんな名詞の「複数形」について見ていきます。

1つか、2つ以上か

少しおさらいしましょう。人や物が「1つ」であるときには、a(1つの)という語を使います。使い方はとても簡単で a dog(イヌ)、a shop(店舗)のように、名詞の前に付けます。

もちろん、数字の「1」を表す one という語を使って one dog(1匹のイヌ)、one shop(1店舗)と言ってもかまわないのですが、どうしても「1」であることを強調したいとき以外は a を使うことになっています。

一方で、名詞が「2つ以上」であることを伝えるには、名詞に s を付けて、dog → dogs、shop → shops のように単語そのものを少しだけ変化させることになります。これが英語の「複数形」です。

複数形は two(2)や ten(10)などの数字と一緒に使って、two cars(2台の車)や ten eggs(10個の卵)のように、人や物の具体的な数を相手に伝えることができますが、数字を特に意識していないときは、名詞の複数形だけでもかまいません

cats(ネコ)は s があってもなくても、どちらも「ネコ」であることに変わりありませんが、頭に浮かぶネコの数が何匹いるかで使い分けます。

ネコ全般の話をしているときは、「ネコにもいろいろ種類があるよなぁ」と考えることになるので、1匹しかイメージしない a cat よりも複数形である cats を使うことが多くなるという具合です。

複数かどうかをいつも考えながら話をするのは、慣れるまでは少し大変ですが、まずは身の回りにある cup(カップ)や chair(椅子)など、簡単に数えられそうなものを頭に思い浮かべるところから始めるといいかもしれませんね。

「数えられないもの」もある?

物を数える練習をしていると、複数なのかどうか判断が難しいものがあることに気付きます。

例えば rice(米、ご飯)はどうでしょうか。お茶碗に入ったご飯を見ているうちは「1杯、2杯…」かもしれませんが、顔を近づけてみると茶碗の中には米粒がたくさんあることがわかります。ほかにも、air(空気)などは、理科の実験ならともかく、そもそも数えるものではないですよね。

こういった名詞は、英語では「数えられないもの」として扱います。もちろん、米粒だって数えようと思えばなんとかなるのですが、これはあくまでも文法上の話です。英語では、rice や air は「数えられない名詞」ということになっているのです。

数えられないということは、複数かどうかの区別ができないということなので、(×)a rice や(×)three airs のように a や数字を付けたり、複数形にすることは基本的にはありません。

数えられない名詞には、主に water(水)や paper(紙)など、そのときどきで大きさや形が変わるものや、happiness(幸せ)、peace(平和)など、そもそも形がない抽象的なものなどがあります。

このほか、買い物をするときに欠かせない「あるもの」も英語では数えることができません。冒頭のクイズで考えてみましょう。

Q1 次の英文には間違ったところがあります。どこがおかしいのでしょうか。

I have five moneys.

money(お金)は、普段どのように数えているのでしょうか。

ここで大切なのは、数えられそうだという自分の感覚と、文法上の区別は違うということです。 

money という語は数えられません。これは日本語でも「お金が5つ」と言うのが不自然に感じるのと同じです。では、お金を数えたいときにはどうすればいいのでしょうか。それは、dollar(ドル)や pound(ポンド)などの「通貨名」を使うことです。通貨名なら数えることができるので、one dollar(1ドル)、two dollars(2ドル)、three dollars(3ドル)のように、数字を付けたり、複数形にしたりすることができるというわけです。

yen(円)や韓国の通貨won(ウォン)など、英語圏から見た「外国の通貨名」は、複数でも s を付けずに100 yenという表し方をしますが、ちゃんと数えることができます。

「数えられないもの」の数え方

「お金」のように数えられない名詞であっても、それを数える方法があります。それは、「単位」を使うことです単位といってもグラムやリットルではなく、入れ物など大まかな形が想像できる語です。

例えば、tea(お茶)などの液体はそのままだと床にこぼれてしまいますが、cup(カップ)に入っていれば、a cup of tea(1杯のお茶)と言うことができます。2杯なら two cups of tea(2杯のお茶)、3杯なら three cups of tea と、「入れ物」で数えればいいわけです。

少しだけややこしいのは、数える対象によって数え方を変えていく必要があるということです。同じ液体でも、glass(グラス)に入っているなら a glass of ~(グラス1杯の~)を使い、bottle(ボトル)に入っているなら a bottle of ~(ボトル1本の~)という表現になります。

それでも、英語って数えるのが面倒だなとは思わないでください。日本語だって「1個、1本、1匹、1頭、1台、1杯…」と、名詞によって数え方が細かく決まっていますよね。日本語でも英語でも、それだけ身の回りにある物を分類するのが大切だということなのです。

Q1 の答え

money は数えられないので、five moneys という言い方がおかしい。

money(お金)を数えるときには「通貨名」を使うので、5ドル持っていることを伝えたいなら、I have five dollars. です。

money を monkey(サル)のつづり間違いだと考えれば、I have five monkeys.( サルを5匹飼っています)という答えだってあり得てしまいます。

何が「間違い」かは、お金とサルのどちらが好きかで変わってくるのかもしれません。

Q2 の答え

②のほうが自然な言い方です。

どちらも「イヌが好き」と言っていることに変わりはありませんが、一般的な話をするときには複数形を使うほうが好まれます。

「イヌが好きな人は、1匹だけでなく、たくさんのイヌに囲まれたいはずだ」と考えればわかりやすいかもしれません。頭に浮かべるイヌたちを dogs という複数形で表しているのです。

Q3 の答え

We can see eleven geese.(ガンが11羽見えます)

goose の複数形は geese です。これは知っているかどうかの問題なので、今できなくても何の心配もいりません。ただ、名詞の複数形には goose のように特殊な変化をするものもあるということは知っておいてください。

ガンの数を間違えてしまった方もいるかもしれませんが、こちらも気にする必要はありません。非常に小さいガンも写っていますし、そもそも、それは英語の力とは別の問題ですから。

まとめ

まとめ

ポイント1:人や物が複数かどうかをいつも意識する

英語では、人や物について話をするときに、それが「1つ」なのか「2つ以上」なのかを常に伝える必要があります。

日本語にこういった習慣がない分、数えられる名詞を覚えるときには、a と一緒に声に出したり、複数形にしたりして覚えるようにするといいですね。

a とセットで単語を覚えるようにすると、a が必要であることが自然と身に付きます

ポイント2:数えられないものは、「入れ物」や「形」で数える

water や paper など「数えられない名詞」も、「入れ物」や「形」を決めてあげれば数えられるようになります。

物によって数え方を変えることになるので、一見すると複雑な仕組みに思えますが、実は日本語でも同じようなことをしています。日本語との共通点に気付かせてあげると、感覚をつかみやすくなるはずです。

グラス1杯の水 a glass of water
カップ1杯のお茶 a cup of tea
1の紙 a sheet of paper
1切れの紙 a piece of paper
茶碗1杯のご飯 a bowl of rice
1の米 a grain of rice

名詞が数えられるかどうかの区別に納得のいかないこともあるかもしれませんが、言語が変われば数え方の感覚も違うのかと思うようにして、1つずつ丁寧に覚えていくことが大切です。

子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』では、「名詞の複数形」をはじめとする、子どもが抱きそうな疑問・質問に対して、ある程度答えられるように英文法の基礎を学ぶことができます。英語を学ぶ面白さに触れられる雑学的な小話も随所にあり、楽しみながら英文法を復習できます。 

子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ

子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ

  • 作者: 大竹保幹
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2018/12/18
  • メディア: 単行本

大竹保幹

文:大竹保幹(おおたけ やすまさ)
神奈川県立厚木高等学校教諭。1984年、横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)表彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーヴン・キング。12月18日に著書『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』(アルク)発刊予定。