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「色」に関する表現を極めて、英語マスターを目指しましょう。デイビッド・セインの知っ得英語辞典

「色」に関する表現を極めて、英語マスターを目指しましょう。デイビッド・セインの知っ得英語辞典

東京・根津エリアを歩くデイビッド・セインさん

「青ざめる」「真っ赤なうそ」…。目に見えるものから見えないものまで、色に関する表現はさまざまです。英語の場合はどんなときにどんな色を使うのでしょう。今回は、色に関する英語表現をデイビッド・セインさんに教えていただきます。

色に対する認識は国で異なる?それとも同じ?

色彩心理学入門―ニュートンとゲーテの流れを追って』(大山正著、中公新書)によると、アメリカ人は黒を「醜い悪い色」と見る傾向が強いのに対し、日本人は「美しい」と捉える傾向が比較的強く、また、欧米と比べて日本・台湾・韓国では、白がより好まれる傾向が認められているそうです。

さらにこの本の著者は、「赤に興奮を覚え、青に平静を感じ、白に清純をイメージする点で地域差・文化差が少ないかもしれない」とも述べています。

色に対する価値観や好みには、その土地の風土や文化が反映される一方、多くの国や民族が共有する感覚があるというのも、興味深いですよね。

青は空の色?

皆さんは、blue(青)にどんなイメージをお持ちでしょうか。「顔が真っ青になる」という表現から「病気」や「恐怖」を想像したり、「マリッジブルー」や「ブルーな気分」から英語と同じ「憂鬱(ゆううつ)な気持ち」をイメージするかもしれません。

でも、世界の大多数の人に「青は空の色」という共通認識があることは間違いないでしょう。

日本語に「突然の大事件」を意味する「青天の霹靂(へきれき)」という言葉がありますが、これとほぼ同じ意味を、blue を使って表現する英語があることをご存じでしょうか。

out of the blue(突然、思いがけなく)という意味の慣用句です。

日本語と英語がそれぞれ別々につくられたのか、どちらかがどちらかを参考にしたのか、成り立ちの由来には諸説あるようですが、out of the blue の語源は a bolt out of the sky(空から落ちた稲妻)であったと考えられています。日本語の「晴天」と英語の blue や sky が奇妙に一致するおもしろい例のひとつです。

色の表現を極めて英語マスターになる!

英語には、ほかにも「色」の入った慣用表現がたくさんあります。今回はそれらを色別にご紹介しましょう。

カラー1 赤

赤

We had to go through a lot of red tape to establish a company.

「会社を設立するには多くの煩雑な手続きをこなさなければならなかった」。red tape とは、「お役所仕事」や「形式主義的な手続き」を意味します。18世紀のイギリスで、法律文書などを赤い布のテープで結んでいたことに由来するそうです。

The police caught the robber red-handed.

「警官はその強盗を現行犯で逮捕した」。これはなんとなく意味が想像できるかもしれませんね。殺人犯が殺人を犯して間もなく、手に血が付いている状態で捕まってしまう様子から、red-handed は「現行犯で」の意味を表します。

Our sales have dropped, so now we’re in the red.

売上が落ち込んでいるので、現在は赤字です」。in the red は「赤字経営で」。日本語と同じですね。

カラー2 青

青

If you don’t like risk, buy blue-chip stocks.

「リスクを負いたくなければ、優良株を買いなさい」。blue-chip stock は「優良株」の意味です。カードゲームのポーカーでは青いチップが最も価値が高いことから、このように呼ばれています。

I only go to the ocean once in a blue moon.

「私は海にはめったに行きません」。blue moon(ブルームーン)は「一つの季節(3カ月)に満月が4回起こるときの3回目」を指すことから、once in a blue moonは「めったに~ない」という意味を表すフレーズです*1

There’s no blueprint for building a successful business.

「仕事で成功するための設計図などありません」。blueprint はまさに日本語の「青写真」です*2。「設計図」や「詳細な計画」といった意味も表します。

カラー3 緑

緑

When Martha saw Jim and Sally, she was green with envy.

「マーサはジムとサリーを見て、ひどくうらやましがった」。green with envy で「ひどくねたんで」の意味になります。病気で顔色が悪いと青っぽくになるところに、その起源があると言われています。

I got the greenlight for my proposal.

「私の企画書にゴーサインが出ました」。greenlight は信号の「青」。「ゴーサイン、許可承認」などの意味でよく使われます。

The plant died within a week. I don’t have a green thumb.

「植物は1週間もしないうちに枯れてしまいました。園芸は苦手なんです」。親指が緑色になるまで植物を扱っていることから、have a green thumb で「園芸の才がある」となります。

カラー4 黒

黒

I was the black sheep of my family.

「私は一家の厄介者でした」。black sheep は「持て余し者」という意味で、特に the black sheep of the family(一家の持て余し者)は慣用句となっています。ちなみに、black sheep に対して white elephant(白いゾウ)も、同様に「持て余し者」を表す表現です。

Are you trying to blackmail me?

「私を脅すつもりですか?」。blackmail は「脅迫、恐喝」。この例文のように「~を脅す」という意味の動詞としても使われます。

George ran out of air and blacked out.

「ジョージは息ができなくなり、気を失ってしまいました」。black out は「失神する」「照明を消す」などの意味を表すイディオムです。

カラー5 白

白

Why is your face white? Have you seen a ghost?

「どうしたの? 顔が真っ青だよ。幽霊でも見た?」。英語では、血の気が引いた様子は「青」ではなく「白」で表すのが一般的です。後に続く Have you seen a ghost? もまた、顔色が優れず動揺した様子の人に対して使われる決まり文句です。

We can’t whitewash this problem. We need a solution.

「この問題はごまかすわけにはいきません。解決策が必要です」。whitewash は「~に漆喰(しっくい)を塗る」という意味に加えて、比喩的に「うわべだけを取り繕う」という意味でも使われます。

She got white knuckles watching her husband climb up the tree.

「彼女は木に登る夫を見てハラハラしました」。緊張や恐怖から拳を固く握りしめると指関節の皮膚が白くなる様子から、white knuckles は「ハラハラさせるもの」という意味を表します。

デイビッド・セインさんの本

英語を勉強していて、いまいち例文が頭に入ってこない…。そう思う人は少なくないのでは?本書は、思わず覚えたくなるような、個性的な例文を取り上げています。

また、おもしろフレーズをただ英語にしただけでなく、その英語から、英語を勉強するうえで知っておきたい数々の言い回しなども、併せて紹介しています。 

英会話 ウケる例文練習帳

英会話 ウケる例文練習帳

  • 著者: デイビッド・セイン、近藤祐次
  • 出版社: アスコム
  • 発売日: 2018/05/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

文京区根津にオフィスがあるセインさんは、通称「谷根千」エリアを熟知。セインさんにご案内いただき、近所を散策しました。

文京区根津にオフィスがあるセインさんは、通称「谷根千」エリアを熟知。セインさんにご案内いただき、近所を散策しました。

David Thanye

David Thayne(デイビッド・セイン)

米国生まれ。証券会社勤務後に来日。日本での30年にわたる英語指導の実績を生かし、AtoZ GUILDと共同で英語学習書、教材、ウェブコンテンツの制作を手掛ける。これまでに累計400万部を超える著書を刊行し、多くがベストセラーとなっている。NHKテレビのレギュラーとしても登場。ほか日経・朝日・毎日新聞等に連載。企業・学校等でビジネス英語、TOEIC、おもてなし英語、日本文化を英語で紹介する講演会やセミナーも開催する。「AtoZ English」を主宰するほか、「日本文化を紹介するのは最高のおもてなし!」をテーマに、オンラインで英語を学習するサイト「和カルチャーEnglish」を運営している。

写真(1、7枚目):山本高裕

*1:blue moon が見られる頻度は2、3年に1度。

*2:もともとは図面などの複写に使った写真で、文字や図形が青地に白く写った。これから比喩(ひゆ)的に「将来の計画」などの意味で使われるようになった。