短期集中英会話「ジム」に通った結果、TOEICスピーキングスコアはどうなった?

2日間の英語集中合宿「イングリッシュブートキャンプ」から生まれた、約12週間の新プログラム「ジム」。GOTCHA!編集部員が実際にフルで参加して体験レポートします。

英語を話すことを徹底的に体にしみこませ、英語が癖になるまでトレーニングを続ける約12週間のプログラム「ジム」。今回で体験レポートは最終回です。「ジム」って何?という方は、 プログラム内容通学週の様子自宅学習週の様子 をそれぞれ記事で紹介しているのでぜひ参照ください。

発音とアクセントを徹底トレーニング

12週間の「ジム」も終盤戦。 ジムで目指しているのは「明日から海外駐在できる英会話力」 、ということで、外国人に伝わる英語を話すために必要な「発音」「アクセント」「イントネーション」なども徹底的にトレーニングします。

強調する箇所によって意味が全く変わる

例えば、prosody(言語の韻律)のレッスンでは、どこを強調して話すかによって意味が変わってきてしまうことを学びます。

I didn't say she stole the money.

このフレーズを

I didn't say she stole the money.

と I を強調して読むと someone else said it(他の誰かが言っていた)という意味を含み、「彼女がお金を盗んだなんて、私は言ってない」という意味になるんだそうです。

I didn't say she stole the money.

だと、I didn't say that at all. の意味を含み、「彼女がお金を盗んだなんて、私はそんなこと言っていない」となります。

分かりやすいようこのフレーズのバリエーションを表にするとこんな感じです。

I didn't say she stole the money.= 私は 言ってない(他の誰かが言った)

I didn't say she stole the money.=私は そんなこと言ってない

I didn't say she stole the money.=私は 言ってない (推測しただけ)

I didn't say she stole the money.= 彼女が 盗んだとは言ってない(他の誰かが盗んだ)

I didn't say she stole the money.= 盗んだ とは言ってない(借りただけかも)

I didn't say she stole the money.= そのお金 を盗んだとは言ってない(別のお金だ)

I didn't say she stole the money .= お金 を盗んだとは言ってない(別の物を盗んだ)

どこを強調するかで、意味がここまで異なるとはびっくり。日本人なんだから英語も日本語のようなフラットな発音でOKだよね・・・なんて思っていると、 大きな誤解を招くことに なりますね。

ポーズの位置で意味も変わる

また、文章のどこでポーズを入れるかによって、意味が異なってしまうこともあります。

John said the boss is lazy.

という文の場合

John ▲ said the boss ▲ is lazy.

だと(▲はポーズを入れる位置) 「ジョンは怠け者だ、とボスが言ってた」 という意味になります。しかし、

John said ▲ the boss is lazy.

だと 「ジョンは、ボスは怠け者だと言っていた」 となってしまいます。

同じ英文なのに、 どこでポーズを入れて話すかによって、正反対の意味になるとは恐ろしい ・・・。日本語だと自分が伝えたい意味を強調して、誤解されないよう分かりやすく話していると思うのですが、英語も同じということをこのレッスンで実感しました。

「ジム」の仕上げはプレゼンのテスト

あっという間にジムの最終日。この日は、 今まで学んできたことの総仕上げとして、ファイナルアセスメントと呼ばれるプレゼンテーションのテストを受けます 。通学週で、何度もプレゼンの練習を行っているので、不安はないはずなのですが、「総仕上げテスト」となると緊張が。

このテストの流れは、ペアを組んでリーダーを決め、その場で与えられた設定とデータを数分で読み込みます。その後、ペアでプレゼン内容の方向性を考え、リーダーが構成を組み立ててプレゼンを行います。リーダーは交代制なので、どちらにせよプレゼンは全員行います。

えば、このような設定が与えられます。この設定を2分で読み込みます。

【自分の立場】留学カウンセラー

You are counselor at a study abroad center. You have been assigned to help a 3rd year student choose their study abroad destination. Most of the students in your university choose to go to European countries, so your office is trying to encourage students to go to non-European countries.

【クライアント】留学希望 の大学3年生

Joe is a 3rd year student looking for a study abroad program. Joe’s major is Mathematics, and he is a member of the school swim team. He is open to going to a new country, but he is worried that without a good amount of language support, he won’t be able to make friends.

【クライアントのニーズ】留学期間、予算、滞在先の希望など
  • 6 month study abroad program (1 semester)
  • Budget:$10,000-12,000
  • Housing:requests home stay or private apartment
  • Would like to live in a city
  • Would like to be able to swim
【プラン】上海留学、パリ留学

Plan A:Shanghai

  • 6 months (1 semester)
  • Cost:$9,500
  • Housing:homestay
  • Large international city
  • Exchange school has a large pool
  • Exchange school has many international friendship clubs
  • 2nd Best Chinese language program in mainland China

Plan B:Paris

  • 6 months-1 year (1-2 semesters)
  • Cost:$8,000-15,000
  • Housing:dorm by request, cost extra $ 5,000 per semester)
  • Large international city
  • Exchange school has swim team, but no pool. School is located 3 hours from the ocean by train.
  • Has a weak language program, but offers free French language tutoring services once per week

データや設定を短い時間で読み込んで、把握するのもジムのトレーニングで行ってきた ので、2分で読んで考えるのはそれほど苦ではありません。

設定を読んだ後、クライアントが一番気になっている点(problem)を想定し、2案あるプランのうちどちらを薦めるか(solution)と、その理由・利点(benefits)を4分間ペアで検討します。そして検討した内容に沿って、リーダーが5分間で話す内容を考えながら、プレゼン用のスライドを手書きで3枚作成します。

プレゼンのスライド作りで重要なポイント

ここで重要なのが シンプルで分かりやすいスライドにする こと。 アンダーラインを引いたり、文字を大きく書いたり、箇条書きで文頭に●を付けたり 、とプレゼンする相手が読みやすく、分かりやすいように工夫します。

私がリーダーになったときは次のような内容のスライドを作りました(実際に作ったのは手書きなので以下はイメージです)。

まずクライアントの大学生が一番気になっている点は語学サポートだと想定しました。

そして、クライアントの要望と一番フィットする上海留学プランをお勧めすることに。

利点はたくさんピックアップしたくなってしまうのですが、そうすると90秒以内で説明するのが難しく、また文字がいっぱいで読みづらくなるため、4点ピックアップしました。でも今思うと、Large international city は入れずに口頭で捕捉して、スライドに入れるのは3点でよかったかもしれません。

クラスメイトとトレーナーの前でプレゼン

作成したスライドを手に持ちながら、20名弱が見つめる中で、プレゼン開始! ファイナルテストということで、レッスンで行ってきたときよりもオーディエンスの数が多いのですが、そんな緊張の中、私は90秒間で以下のようなことを話しました。

Thank you for coming to my office. I'm Tanaka, a study abroad counselor. I have a special program for you, "Shanghai." This plan has some benefits. First..., second.... I think you will have a great time in Shanghai. If you have any questions, please feel free to ask me. Thank you very much.

ようこそ、私のオフィスへ。留学カウンセラーの田中です。あなたに特別なプログラムを用意しましたよ、「上海プラン」です。このプランには利点がたくさんあり、まず・・・、次に・・・。上海で素晴らしい留学生活を送れると思いますよ。何かご質問があったらご遠慮なくお聞きくださいね。ありがとうございます。

ある程度英語が間違っていたとしても(間違ってないに越したことはないけど)、 自信を持ってプレゼンを最後まで行うことが大切 なんだそう。プレゼン相手の目を一人ひとり見ながら話さないといけないので、 手に持っているスライドも見てはいけません 。そして、強調したいことを分かりやすく、ポーズを入れて話します。まさに 今までに学んだ「伝わる英語」の総決算 でした。

プレゼンが終わった後、トレーナー数名に評価をもらうのですが、「以前に比べて自信を持って話せるようになっていた」「話の構成が分かりやすかった」「声が大きくなったなど褒めてもらい、クラスメイトから拍手をもらって私のファイナルアセスメントは終了しました。今なら、クライアントの前で英語でプレゼンができる気がします。たぶん。

TOEICスピーキングテストのビフォーアフター

12週間のジムプログラム、1回のレッスン内容が濃過ぎて、また宿題の量やオンライン英会話の回数が尋常じゃなくあるので、怒涛のように過ぎ去って行った気がします。ただ、大量な英語の波に流されたというわけではなく、 大量な英語の波を乗りこなせた、という達成感 も感じています。

ただ、ジムを終了したここで英語学習が終わりというわけではなく、話せるようになってきたからこそ次の課題が見えてきたような気がしました。

ジム初日に力試しとしてTOEICスピーキングテストを受けたのですが、事前準備を何もせず、しかも受けることすら知らなかった(という言い訳をたくさんしてみる)状態で90点(200満点中)でした。

あまりの低さに愕然としたのですが、 2カ月後に再度受けた結果30点上がって、120点になりました。 実は、仕事で参加できなかった週も結構あったので、ジムの効果にびっくりです。

ただ、あそこでミスした、もっと答えられた、とまだ余力があった感じがしたので、現在の実力だともう少し点が取れたのでは、と再度TOEICスピーキングテストを受けたい気持ちになっています。

クラスメイトも力試しがしたいと、TOEIC L&R テストを申し込んだ人が数名おり、それを聞いて、自分もこれから申し込むという人もいて、 英語学習欲を刺激し合うよい関係が作れた のではないかと思います。オフ会も定期的に開く予定で、これからも英語学習の進捗や、実際に仕事でどう英語を使っているかなども報告し合えればいいなと思っています。これからも英語学習、頑張るぞ!

ジムの詳細はこちら
english-bootcamp.com
ジムを紹介した体験記事はこちら

取材・文:Natsue Tanaka
GOTCHA!エディター/ライター。学生時代の専攻は近代日本文学。編集者ならTOEIC満点当たり前!という英語教材の会社で肩身が狭い人。社内のネイティブスタッフにひたすら日本語で話しかけ、スタッフの日本語力をアップさせた経験有り。

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