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サマー先生に聞く!英語学習法10のポイント【後編】

サマー先生の10の英語学習法【後編】

最近まで6回にわたって「好感度がUPする英語」について連載をしていただいた、英会話講師のサマー先生。実は、日本語をはじめたくさんの言語を独学で身に付けたそうです。今回は好感度UP英語番外編として、外国語の学習方法10のコツ後編をお届けします。前編はこちら

サマー先生、どうしてそんなに日本語を話せるの?

前回の記事では、私と日本語との出会いや勉強するきっかけ、17歳で初めて訪日し、日本の大学へ入学したことを紹介しました。

そして外国語の学習方法のポイントを挙げました。軽くおさらいしますと、

1. 自分が実際に話せるようになれると信じること
2. 目標を掲げること
3. 継続は力なり
4. 大好きなものを見つけること

でした。まだ読んでない方はぜひ前編もお読みください!今回の後編では、残りの6つのポイントをご紹介します!

5. まずは、土台を固めること

日本に住んでいたとき、私はよく電車で英単語の本を開いている学生さんを見かけました。彼らが学習している単語を見てみると、とてもレベルが高いことに驚きました。しかしそこで私が疑問に思ったのは、「この人に簡単な英単語を使って質問をしたときに、この人は私の質問を理解して答えてくれるのだろうか?」ということです。

その学生さんたちと同様に、私の多くの生徒さんは、基礎的な英語をマスターしていないにもかかわらず、次々とより複雑な文法や単語に興味を持ち、質よりも量を重視する傾向がありました。

ですが、基礎的な文法や単語をないがしろにしてはいけないと思います。

家屋で考えると、それらはあなたの英語の土台となり、壁や屋根を取り付ける前の重要な支えになります。そのため、しっかりその土台となるものを固めておく必要があると思います。つまり、複雑な単語や文法を知っていたとしても、基礎文法ができていなければ、相手に良い印象を残すことは難しいと思います。

個人的な話になりますが、私は日本語を学ぶ際、単語を覚えることが退屈だと感じていました。とくに、熟語の読み方や意味の違いなどを長時間かけて勉強しても、なかなか頭に入らず、覚えることに苦労しました。また、会話の中で使う機会が訪れても、その瞬間にいつもど忘れしてしまうことがほとんどです。

そこで気付いたのが、会話中に知らない単語や、ど忘れしてしまった単語が出てきても、その分からない単語に関する簡単な説明をした後に「それは日本語でなんと言うんでしたっけ?」と質問すれば良いということです。そのようにすれば、相手に教えてもらうことができ、普段使わなさそうな単語を覚えることに時間をかけなくても良いのです。そのようにあなたも、複雑な単語を知らなくても、代わりにHow do you say it? や What’s the word in English? などと尋ね、言いたいことを簡単な単語や基礎文法を駆使して説明することができます

簡単な例を挙げますと、英語で「発明」という単語を知らないとしましょう。自分が知っている英語を使い、「A new thing. The first in the world.」や「A completely new product, made for the first time.」などと説明すれば、「An “invention"?」と相手が教えてくれるでしょう。

また、私の生徒さんの中には、日本語のある単語を、英語とまったく同じ意味の単語で表現しようとする方も多くいました。確かにそうしたい気持ちは分かりますが、会話を中断して辞書を開くよりは、まず、自分が知っている近い意味の単語を使って表現してみることをおすすめします。例えば「複雑です」と言いたいのであれば、意味の似ている単語の「難しい」(difficult、hard)や「簡単ではない」(not easy)だけでも十分伝わります。

実のところ、中学校で習った英語のみでも、意外と豊かな会話が展開できるものなのです。複雑な単語が思い出せず、困ってしまうときほど、基礎英語が活躍します。きっちり押さえておきましょう!

6. 自分の失敗を許すこと

英語力を上げようと考えると、学ばなければいけないことが次々と出てきてしまいますよね。新しい単語や文法を習得するには、たくさんの練習が必要だというのは誰もが分かりきっていることだと思います。ですがその過程において、間違えることも大事なステップだということを忘れないでください。

文章の構成がある程度できていれば、ちょっとしたミスがあっても相手は理解してくれるはずです。相手はあなたが英語を勉強している最中だということを理解してくれるでしょうし、あなたのミスを見つけるというよりは、一生懸命伝えようとしている姿にきっと感動するでしょう。

自分が学んでいる外国語を、母国語と同じレベルにまで持っていくことはそう簡単なことではありません。母国語と外国語のレベルを比較するのではなく、2つとも別のカテゴリーとして捉え、外国語を話せるということだけでも誇りに思うべきだと私は思います。

失敗することを恐れて黙っているのでは、話すチャンスを逃してしまい、最終的に外国語を学ぶ意味さえもなくしてしまうかもしれません。
失敗を恐れないで、まずは自分にできる限り、なんとか伝えてみましょう

7. 「単語→文章→段落」へとレベルアップ

文法などに自信のない学習者は、単語を並べるだけで物事を表現しようとする傾向があります。

例えば、Did you do your homework?(宿題をやりましたか?)という質問に対して、Yes, I finished everything.ではなく、“Yes. Finished.”と答えてしまったり、Sorry, I was busy every day this week. ではなく“Sorry. Busy days.” というように片言で答えてしまう生徒さんが多くいました。

英会話に慣れていない場合、主語と動詞を含んだ完全な文を使うことは想像以上に難しいものです。たとえ完全な文章を作るのに必要な文法的な知識を持っていたとしても、つい名詞や形容詞のみを使って、片言で質問に答えてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。実際、緊張していたり、急いで質問に答えようとしていたりするときには、文法のことを考える余裕はないですよね。

ですが、英語では原則として、主語と動詞は省略できません。主語や動詞がない不完全な文を使うと、たとえ意味は伝わったとしても、日本語の感覚で想像する以上に、だらしない印象を与えてしまうことがあるのです。実は、完全な文と不完全な文では、それほど語数は変わりません。多くの場合、あと1、2語を加えるだけできちんとした文になり、それだけで格段に印象が良くなります

主語と動詞を含めた完全な1センテンスを作れるようになったら、次のステップとして、その一つ一つのセンテンスをつなげて、1段落の文章を作ってみましょう。はじめは「~した。~した。~だった。」というふうに、短い文をたくさん並べてしまいがちですよね。それでも間違いではないのですが、少し慣れてきたら、それらの文をつなげて、より話をスムーズに展開できるようにしてみましょう。

「つなぎ言葉」(so、because、and、but など) を使えば、実は、たいていの文は簡単につなげることができます。つなぎ言葉が適切に使われた文は、話の流れが分かりやすいだけでなく、より聞き手を引き込む力を持ちます。

単語のみの話し方から、センテンスへ、そして、1段落の文章へと徐々にステップアップして自分の英語を自然で流れの良いものにしていきましょう!

8. 常に自分と関連させて覚えること

教科書で新しい単語やフレーズを学ぶ際、文脈があったとしてもなかなか覚えにくいものですよね。そんなときは、自分のシチュエーションに置き換えることをおすすめします。

英語を本当に話せるようになりたいと思うのであれば、ただ「暗記する」のではなく、自分の生活の中で使えることが目標となるはずです。

教科書の対話例が、現実にそっくりそのまま使われることは、ほとんどないことですよね。新しいことを学ぶときは常に、いつどこで実際に使えそうなのかを考え、使っている自分を想像すると、本当に使う機会が訪れたとき、自然と思い出すことができます。

例えば、「have to + 動詞の原形」(〜しなければなりません)という文型を学んでいるとしましょう。ただ教科書にある例文を見て、そのまま覚えようとするのではなく、自分の生活に関係する文(例えば、今日やらなければいけないこと)や、実際に使えそうな文(職場の後輩に規則を説明するときなど)、自分がイメージしやすいものを考えながら勉強してみてください。

9. リスニングこそスピーキングの上手なれ

リスニング、スピーキング、ライティング、リーディングと並べられ、学びの優先順位を付けたとき、リスニングは受動的な活動であるせいか、低く評価されやすいものです。しかし、いくらしゃべれたとしても、リスニングができなくては会話は成立しません。

言語学の研究では、外国語をスムーズに話せるようになるには、その言語が、実際にさまざまな場面で使われているのをたくさん聞くことが重要であると分かってきています。つまり、リスニングはスピーキング力向上への第1ステップなのです。

苦労して覚えたのに、自分ではうまく使いこなせない単語もあるのではないでしょうか。それは記憶の問題ではなく、実際に聞いた回数がまだ少ないためかもしれません。つまり、ある単語にいろいろな文脈で触れると、そのニュアンスや、文の中での使い方などが無意識に記憶されます

スピーキングやリーディングだけではなく、リスニングを練習することも同じぐらい大切です。しかし、リスニングを練習する際は、ただ漠然と聞き流しているだけではあまり身につかないので、よく注意しながら聞いてみてくださいね。

自然な英語をたくさん聞き、慣れることで、自然とスピーキング力の向上につながり、自信を持って話すことができるようになるはずです。

10. とにかく口にすること

日本にいながら、英語が練習できる相手を見つけることはなかなか難しいですよね。英会話のレッスンを始めたり、外国人の友達を作ったりする時間やきっかけがない場合、自分自身と会話をしてみてください。頭の中だけで考えるより、声を出して話した方が実際の会話のシミュレーションになります。

自分の周りのものを英語で説明してみたり、自分に質問をして答えてみるだけでもいい練習になります。相手がいない分、間違えても恥はないですし、焦らず自分のペースで会話を進めることができます。

英文を声に出して読むことや、ドラマや映画のせりふを真似することもおすすめです。言葉ばかりに注意するのではなく、発音も意識してください。完璧に真似をすることは難しくても気にしないでください。真似をすることで、耳を英語に慣らすことができ、発音よく、すらすら話す練習になります。

まとめ

紹介した10個のポイントは私の個人的な学習方法です。

万人に共通するベストな方法はないと思います。全ての人にそれぞれの学び方がありますし、それぞれが自分なりの一番効率的な方法を見つける必要があります。

最後にもう一つアドバイスをさせてください。

それは、残念なことに、早く外国語を習得する技なんてものは存在しないということです。何百時間、またはそれ以上の時間を費やし、頑張るしかないのです。

私自身も日本語はまだまだ勉強中です。外国語を学ぶことは一生の取り組みですが、いつも感じるのは、語学では努力しただけ達成感がちゃんと得られるということです。

私が10年間を日本で過ごし、アメリカに帰った今、毎日一度は「あー、私って、日本人だなぁ」と実感する瞬間があります。日本に住んでいた間に、性格、物事の見方や考え方、価値観、全てが変化したように感じます。日本語を話せるようになったことによって、私は違う世界が見えるようになり、知らないうちにそれを自分のものとして受け入れたのだと思います。言葉というものは目には見えませんが、人の人生を変えるほどの大きな力を持っているのです。

自分の努力が必ず報われると信じて、絶えず努力し続けることが、外国語を学ぶ上で最も大切なことだと思います。そして、学ぶことを楽しむことも忘れないでくださいね!

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サマーレイン

文:サマーレイン https://www.summer-sensei.com
2012年に早稲田大学を卒業。2016年、大学院研究生として東京大学に入学。現在、スタンフォード大学大学院博士課程在籍中。 2008年に来日後、学業の傍ら9年間英会話講師として活動。2016年より英語教材の執筆、監修活動を開始。YouTubeInstagram更新中。

編集:GOTCHA!編集部 末次志帆