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Metroがメチョ、 trainがチャイ? ベトナム英語の特徴は?

これからベトナムとのビジネスを始めたい人、ベトナム出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第2回は「ベトナム社会を理解する」です。

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Q ベトナムでは英語はどの程度通じるの? ベトナム人の英語特徴は?

A 都市部の商業施設には、英語が通じる従業員が一人はいますが、発音には若干のクセがあります。

 

留学プログラムを提供しているグローバル教育機関のイー・エフ・エデュケーション・ファーストが毎年公開している、英語以外の国の人々の英語能力ランキング2015年版によると、ベトナムは世界70カ国中29位、アジア圏では5位でした。

対して日本は全体で30位、アジア圏で6位でした。ベトナムが日本を抜いたのは2015年が初めてですが、ハノイやホーチミンといった都市部に住んでいると、日本よりもはるかに英語ができる人が多い印象を受けます。ホテルはもちろん、レストラン、カフェ、コンビニ、ショッピングセンターといったあらゆる商業施設で、最低一人は英語ができるスタッフがいます。近年は子どもを英語塾に通わせる家庭も多く、外国語大学も人気が高いです。

その背景には、外国語を話せるか否かで、給与が大きく変わってくることが挙げられます。一概には言えませんが、何かしらの外国語ができると、できない人と比較して新卒の給与で2~3倍変わってきます。また、外資系企業は現地企業と比べ、福利厚生や評価制度などがしっかりしていることも、外国語学習を後押ししています。

●ベトナム人独特の英語の発音には慣れが必要

ベトナム人と英語で会話をすると、最初は言葉の端々で違和感を感じるかもしれません。その大きな理由の一つが、「tr」の発音です。ベトナムではtrをチャで発音します。例えばスーパーマーケットのメトロ(Metro)は「メチョ」、trust(信用する)は「チャスッ」となります。そのほか、train(電車)は「チャイ」、translator翻訳家)は「チャンスレタッ」のように聞こえます。

また、ベトナム人は単語の語尾の子音を発音しないクセがあります。map(地図)は「マッ」、eight(数字の8)は「エイッ」、rich(裕福な)は「リッ」など。ベトナム人は破裂音や摩擦音といった子音を省く傾向にあるため、日本人が聞くと、単語が途中で止まってしまったかのように錯覚することがあります。彼らの発音に慣れるまでには若干時間がかかるかもしれません。

Q ベトナムにはどんな祝日があるの? 旧正月は企業が一斉に休業する?

A 祝日は全国共通で、企業は休みになります。旧正月には10日前後休業することも。

 

ベトナムの祝日は毎年10日前後。旧正月を除くと、祝日は5日ほどです。2016年の祝日を挙げてみましょう。1月1日(新暦元旦)、2月7日~11日(旧正月)、4月16日(フン王命日)、4月30日(南部解放記念日)、5月1日(メーデー)、9月2日(独立記念日)です。このうち、旧正月とフン王命日は旧暦で数えるため、毎年日付が異なります。

ベトナム人の基本的な出勤日は月曜から土曜の午前中までなので、泊まりがけの旅はなかなか実現できません。ゆえに、数少ない祝日は非常に貴重となり、国内旅や実家に帰省するベトナム人で飛機や長距離バス、南北統一鉄道などのチケットは完売となります。これらの日の前後に出張するのであれば、早めにチケットを手配する必要があります。

テト(Tet)と呼ばれる旧正月は、ベトナム人にとって最大のイベント。新暦の元旦は、ベトナムでも祝日ですが、商業施設はほとんど営業しています。しかし、旧正月の三が日はショッピングセンターを含め、どこの店も休業し、政府機関も休みです。祝日は政府が毎年設定しますので、企業はそれに従って旧正月の休みを決めます。

●ベトナム人社員の休暇の取り方

ベトナムにも振替休日があるので、日曜が祝日の場合は、翌月曜が休日になります。土曜に有給休暇を取得して、帰省もしくは国内旅に出かけるベトナム人も多々いるので、彼らの要望を尊重する必要も出てくるでしょう。

また、旧正月はほとんどのベトナム人が田舎に帰省します。2016年は振替休日も含め9連休でしたが、ベトナム人からすると、それでもまだ足りない様子。減給も覚悟でさらに休暇を取得しようと上司に訴えます。また、休暇が足りないと感じ、退職する人もいるほどです。旧正月の連休が終わり、通常勤務に戻るまでは、業務が滞ることを覚悟しておくとよいでしょう。

Q ベトナム人のメンタリティーは?

A 「中国の子ども」と表現する在住外国人も。また、仕事ではあまり謝罪せず、プライベートでは相互扶助の精神を大切にします。

 

歴史をたどれば、1000年以上もの長い間、ベトナムは中国に侵略され続けてきました。その間、中国の文化や人がベトナムに流入し、現在のベトナム国家の基盤を形成する上で大きな影響を与えました。

ベトナム人とはどんな人なのか、これを説明することは非常に困難です。ベトナム人のメンタリティーも多様性に富み、世代や性別によって異なるからです。ただし、根本にはある程度共通する部分もあります。

ベトナム人はしばしば在住外国人から「中国の子ども」と表現されることがあります。中国からベトナムに会社を移した日本企業で働く人たちは、「良くも悪くも中国人のメンタリティーに似ている」と言います。「商魂たくましい」「女性は肝が据わっている」などといった具合です。ベトナム人が聞いたら憤慨するかもしれませんが、ベトナム人と長く接すれば、それだけ「確かにそうだ」と思う機会が増えてくることでしょう。

ベトナム人と待ち合わせをするときは、相手が遅刻してくることを前提に、カフェなど屋内の待ち合わせ場所を選んだ方がいいでしょう。ベトナム人は日本人ほど時間に厳格ではなく、5分、10分は遅刻に入らないと考えるのが普通です。ビジネス上では日本のルールに従って、時間を厳守させるのもいいですが、プライベートでは、郷に入れば郷に従った方がいいでしょう。

●ビジネス上でのメンタリティー

ベトナム人にとって、謝罪とは日本人が考えるよりも重い意味を持ちます。「日本人はすぐに謝るから謝罪の気持ちが伝わらない」と言われることもありますが、ベトナム人は多くのケースで謝らないと言えます。

謝罪をするということは、責任の所在が自分にあることを認めるのと同じなので、ビジネスにおいて、ベトナム人はめったに謝罪をしません。これが日本人上司が業を煮やすきっかけの一つとなります。自分が間違ってしまった場合、ベトナム人は謝罪するのではなく、まずは言い訳をして、その後沈黙を守ります。言い訳も責任転嫁をしたり、支離滅裂な言葉を並べたりして、その場を乗り切るのに躍起になります。ベトナムに現地法人や工場を置く日本企業は、このような文化の違いに頭を抱えています。あるベトナム人いわく、「中国人みたいにストライキをしたり、暴力に及んだりしない分マシでしょ」。しかし、この言葉からも、「中国の子ども」といわれるゆえんが見え隠れします。

●相互扶助の精神を大切にする

ベトナム人は家族の絆が非常に強く、子どもは将来親の面倒を見るのが当然と考えています。それだけでなく、自分の生活や人生を顧みず、親により豊かな生活をしてもらうために働いているような人も多く見受けられます。日本で働くベトナム人は、ベトナムの家族に給料の大半を仕送りしており、仕送りで御殿が建つともいわれています。

絆を大切にするのは家族に対してだけではなく、知人や友人でも同じことがいえます。もし知人の日本人が病気にかかったら、深夜であろうとバイクで病院まで送ってくれるでしょうし、単身であれば、料理を振る舞ってくれたり、買い物を代してくれたりと、身の回りの世話をしてくれるはずです。

2011年3月11日に起きた東日本大震災。ベトナムでも大々的にニュースで報道され、日本人の知人・友人がいるベトナム人は、涙を流してくれました。また、現地のニュースでは、義援金を送るために市バスに乗っている老人がクローズアップされていました。月商300ドル程度の小さな店を営む店主ですが、数年前に一組の日本人がたびたび店を利用してくれたことを思い出して、居ても立ってもいられなく、有り金を握り締めてバスに乗ったとのことでした。その老人の手には、くしゃくしゃになった200ドル分の紙幣がありました。このように、ベトナム人は相互扶助の精神を大切にし、常に人とのつながりを求めている人が多いといえます。

●曖昧な返答はNG

日本人は曖昧な返答をしてしまいがちです。例えば飲み会に誘われたときに、「また今度ね」と断りを入れたら、彼らは決まって「じゃあいつならける?」と聞いてきます。ほかにも「考えておく」「次の機会に」といった言葉は、日本人が聞くと、あまり乗り気じゃない、答えはノーだと雰囲気や口調から分かりますが、それは長く同じ環境で生きてきたからです。

ベトナム人は常にイエスとノーをはっきりさせるので、こちらが曖昧な返答をすると、意図が理解されません。仕事上ではトラブルに発展する可能性もあるので、はっきりとした返答をするように心掛けましょう。

 

文: 古川 悠紀
フリーランスライター。ベトナム・ホーチミン在住。2010年12月、フィリップ モリス ジャパン株式会社を退職、翌1月にベトナムのホーチミンへ移住。当初はベトナム旅に関連する記事を旅会社に提供現在はベトナム人のライフスタイルやビジネス事情なども含めて幅広く執筆し、クライアントは市場調査会社やIT 企業など多岐にわたる。ホーチミン観光情報サイトを運営。

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