旅のお供に洋書!自宅バカンスにも!英語レベル別おすすめ7冊

ゴールデンウィーク到来です!普段の移動中はスマホをチェックする方も、休暇中は本を手に取ってみては?(もちろん電子書籍でも!)読書と英語学習を兼ねたいという方のために、旅行に持っていくもよし、自宅で本の中の旅へ出発するもよし、なおすすめ洋書7冊を紹介します。

『Haroun and the Sea of Stories(ハルーンとお話の海)』サルマン・ラシュディ

■英語レベル:初中級

風刺がピリッと効いた、子どもも大人も楽しめる冒険小説

マジックリアリズムの作家として知られ、ブッカー賞を受賞、そしてノーベル文学賞の受賞も取りざたされるインド出身のサルマン・ラシュディ。『真夜中の子どもたち』などが有名ですが、実は本書のようにとびっきり楽しいファンタジー小説もあります。作家が長男のために書いたそうです。

実際の社会状況を思わせる風刺が盛り込まれ、言葉遊びも満載。でも、とても読みやすい英語です。また、その世界を日本語で現出させている翻訳もまたすごいです。ぜひ、英語と日本語の両方で読むことをおすすめします。

物語の主人公は、「アルファベー」という「悲しい町」に両親と住む少年ハルーン。無限大の海のようにお話を語るのを仕事とする父、ラシードは、ある出来事を機に突然物語ることができなくなります。お父さんにお話の海を取り戻させるべく、ハルーンは「オハナシー」の世界へ、水の精モシモと機械の鳥デモモと一緒に旅立ちます。その世界では、「お話の海」が大きな悪だくみによって危機に瀕していました。

各章はもれなく、すぐ続きが読みたくなる終わり方をしていて、読むのをやめられなくなります。物語の力がいかに偉大かを思い起こさせてくれる本書は、難しいことを抜きにしても、とにかく面白い第一級のファンタジーです!

『Luka and the Fire of Life』サルマン・ラシュディ

■英語レベル:中級

ハルーンの物語と併せて読みたい、弟ルカの冒険

『Haroun and the Sea of Stories』のハルーンの弟、ルカが活躍する物語です。こちらは作家が次男のために書いたとのこと。日本語訳は出ていないようですが、本書の英語も読みやすいです。この動画で本の朗読が少し聞けます。

12歳のルカがお父さんを救うために、「イヌという名前のクマ」と「クマという名前のイヌ」を連れて、「命の火」を手に入れるために、魔法の世界へ冒険に繰り出します。

『Changing Planes(なつかしく謎めいて)』アーシュラ・K・ル=グウィン

■英語レベル:中上級

空港での待ち時間に読むと極上の臨場感が

このアメリカ作家は「ゲド戦記」シリーズなどヤングアダルトの本でも有名ですが、本書は大人向けです。

空港の長い待ち時間。新鮮に思えるうちはいいですが、慣れてきたり、飛行機の出発が大幅に遅れたりすると、なかなか耐え難いという人もいるかもしれません。そんなときにはぜひこの一冊を!

空港で「飛行機(planes)」を「乗り継ぐ(change)」のではなく、「次元(planes)」を「乗り換える(change)」人々の体験記から成るSF小説です。次元を移動した先は突拍子もない場所で、摩訶不思議な人たちが存在しています。でも、どことなく覚えがあるような?

皮肉なユーモアにあふれていて、ちょっとゾクッとします。

『Matilda(マチルダは小さな大天才)』ロアルド・ダール

■英語レベル:初級

子どものころ魔法が使えるようになりたかったすべての方へ

このイギリス作家の児童文学はどれも最高ですが、ここでは続けて3冊を紹介します。1冊目は、不思議な力を持ち、頭が「良過ぎる」少女、マチルダが主人公の本書。

幼児期に一人で本が読めるようになり、図書館に通って本を読みあさるマチルダ。でも、両親はそんなマチルダを理解できず、「本なんか読むな」としかります。学校に入ると、理不尽な独裁者のような校長と、マチルダを応援してくれる教師との出会いがありました。自分が不思議な力を持つことに気付いたマチルダは、ある行動を起こします。

クライマックスは、大人が読んでも大興奮すると思います。不思議な力がある方がいいのか、ない方がいいのか、考えてしまいそうです。

『The Witches(魔女がいっぱい)』ロアルド・ダール

■英語レベル:初級

「本当の」魔女の姿とは?

少しひんやりしたい方はこちらを。本書に出てくる魔女が怖い!笑える描写も多いのですが、やはり怖い!ホラーほど怖くはありませんが、背筋に寒さを感じるには十分です。

おばあちゃんから「本物の」魔女の話を聞いていた少年が、ある日、とんでもなく恐ろしい会合を目撃してしまいます。少年の運命は?

アンジェリカ・ヒューストン主演で映画化されていますが(邦題は『ジム・ヘンソンのウィッチズ / 大魔女をやっつけろ!』)、本とは結末が異なります。2018年6月時点での情報では、もっと原作に忠実な形で再映画化される話が進んでいるとのこと。監督・脚本を「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス、製作に『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが参加する予定のようです。
記事引用元: www.moviefone.com

『James and the Giant Peach(おばけ桃が行く)』ロアルド・ダール

■英語レベル:初級

桃と虫が好きな人もそうでない人も、ビッグサイズの冒険へ!

かつては『おばけ桃の冒険』という邦題で翻訳が出ていました。ロアルド・ダールの児童書ではよくあることなのですが、この物語の主人公、ジェイムズの境遇は悲惨とも言えるもの。でも、その境遇を吹き飛ばすような少年の冒険と成長が描かれます。

つらい日々を過ごしていたジェイムズが、巨大化した桃に乗り込んで、巨大化した虫たちと一緒に、空へへと飛んでいく物語です。

『Orlando: A Biography(オーランドー―ある伝記)』ヴァージニア・ウルフ

■英語レベル:上級

既成の枠をすがすがしく飛び越えて愛に生きる

『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『波』などで知られるイギリスのモダニズム文学の作家ですが、それらの作品とはちょっと異なる趣向の小説です。

主人公のオーランドーは16世紀から20世紀まで生きて、それでもまだ若いまま、しかも途中で性転換もします。ファンタジーっぽく聞こえるかもしれませんが、タイトルに「伝記」とあるように、読んでいると歴史的事実であるかのように真実味を感じます。不思議です。歴史小説が好きな方、妙に現実味のある異世界へ迷い込みたい方など、必読です!

映画はサリー・ポッター監督の『オルランド』があり、傑作です。

Irene
Irene

日本でも海外でも、外で英語の本を読んでいると、英語で話し掛けられることがあります。話し掛ける人からすれば当然と言えば当然の行為ですが、英語を読んではいても話すのは苦手だったりするので、一瞬戸惑います。

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