TOEFLパート別のおすすめ参考書と勉強法~当日の持ち物まで~

海外留学する際に必須となる数々の英語資格。特にTOEFLは世界中で主流です。どう勉強したらいい?当日は何が必要?にお答えします。

IELTS、Cambridge English Testと並んで一般的なTOEFL

海外留学を考えるとき、ヨーロッパに行こうと、アメリカに行こうと、オーストラリアやシンガポールに行こうと大学に入るためには、必ずその大学の英語要件(English Requirements)に見合うことが前提となります。

例えば、イギリスのケンブリッジ大学では学部(undergraduate)入学の英語要件として、IELTS overall 7.5以上・それぞれ7.0以上、TOEFL(IBT)overall 110以上・それぞれ25以上、Cambridge English(Proficiency)overall 200以上・それぞれ185より上を設定しています(参照:Cambridge University English Requirements)。

また、オックスフォード大学では、IELTS overall 7.0以上・それぞれ6.5以上、TOEFL(IBT)overall 100以上、Cambridge English(Proficiency)overall 185以上を設定しています(参照:Oxford University English Requirements)。

さらに、アメリカのハーバード大学大学院(Graduate School)を見てみると、IELTS overall 8.0以上もしくはTOEFL(IBT)でスピーキング26以上を英語要件としして設定しています(参照:Harvard University English Proficiency)。

また平成29年度外務省専門職員採用試験実施計画などを見ても、外国語能力について「受験語学にかかわらず、TOEFL(IBT) 100点以上又はIELTS 7.0以上のスコアを有していることを推奨」しています(参照:平成29年度外務省専門職員採用試験実施計画)。

このように、IELTS、TOEFL、Cambridge English Testなどの英語資格の取得は人生のステップアップに欠かせないものであり、ある程度のスコアを保持しておくことが自分にとって大きなメリットとなります。そこで今回は、特にアメリカでメジャーな英語資格試験、TOEFLについて、受験方法、勉強法、当日の流れまでを役立つ参考書と一緒にご紹介していきます!

TOEFLってどんなテスト?IBTとITP

TOEFLとは「Test of English as a Foreign Language」の略で、英語を母国語としない人の英語力を測るために作られたテストです。大学・大学院レベルのアカデミックな環境で必要とされる英語力を測定するために作られており、現在はETS Japanによって運営されています(こちらも参照:ETS Japan)。

TOEFLにはIBT(Internet Based Test、個人向け)とITPテスト(団体向け)の2種類があり、それぞれコンピュータで受験することができます。

IBT(Internet Based Test)
Reading、Listening、Speaking、Writingの4つのセクションに分かれ、それぞれ30点、計120点満点、所要時間約3時間半

ITP
Listening、Grammar、Readingの3つのセクションに分かれ、677点満点、所要時間約2時間

海外の大学進学でも就職でもTOEFL IBTが要件となっているのは、ITPだと測ることのできる技能が限られてくるからのようです。

TOEFL IBTの受け方

TOEFL ITPは団体向けで、大学や企業がセッティングした場合のみにしか受けることができませんが、IBTは個人で自由に受験することができます。どうしたら受けられるか、イチから解説していきます!

TOEFLのアカウントを作る

まず、TOEFLのサイトでアカウントを作ります(こちらからサインインできます:Sign In for Test Takers)。ログインもしくは、アカウントを新規作成しましょう。

カレンダーでテスト日程を決定

TOEFL IBTは会場受験であれば年82回、自宅受験であれば週4回24時間体制で受験することができます。会場は、日本全国各地にあり、土日のみ(土曜日は午後も実施)の受験が可能です。2022年の会場受験は12月10日、11日、17日の残り3回のようですね。2023年のテスト実施日程はこちらをチェック。テスト日程・会場

受験料の支払い

テスト日程を選択したら、受験料を支払います。受験料は、会場受験がUS$245、自宅受験がUS$110で、ドル円のレートに左右されるので気を付けて。支払方法はクレジットカードが一般的ですが、PayPalなども受け付けています。

TOEFL IBTのテスト構成

「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語4技能で、特にアカデミックな場面で必要となる技能を総合的に測定するのがTOEFL IBTです。すべてコンピューター上で実施され、会場受験と自宅受験では少しテスト内容が変わります。ETSのサイトを参考に、会場受験のテストの概要をまとめました(特徴・料金・構成)。自宅受験について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。会場受験と自宅受験で異なる点について知りたい方はこちら

「読む」Reading

約1時間かかりますが、終了次第自分で次のセクションに進むことができます。3つか4つの長文を読み、それぞれ10問の問題に答えます。内容は自然・社会科学から芸術まで幅広い範囲で出題されます。

「聞く」Listening

約1時間かかります。「講義」と「会話」の2種類で構成され、それぞれ約3題ずつ出題されます。どのシチュエーションも大学生活を想定しており、教授や大学生、大学職員などが登場します。

「話す」Speaking

約15分で終了します。出題数は4題で、一つは身近な話題について述べるIndependent Task、残り三つは講義の内容や会話の内容を要約して話すIntegrated Taskです。

「書く」Writing

50分の制限時間の中で、読み聞きした文章についての要約、違うトピックに対する自分の意見の記述という2題をこなします。すべてタイピングで行います。

TOEFLでハイスコアを狙うための参考書と勉強法

単語帳

どんな語学を学ぶにあたっても基礎となるのは語彙力です。特に、TOEFLを受験する!と決めたなら、芸術、医学、化学、生物学、地質学や歴史学などの専門的な単語も頭に入れておく必要があります。メジャーな単語帳をご紹介します。

単語の暗記は誰しもがぶつかる壁。特に中高生におすすめの単語の勉強法の記事はこちら。

Writing・Speakingのトピック集

WritingやSpeakingは受験する前からとにかく量をこなして、長文やTOEFLらしい問題形式に慣れることが大切。勉強をはじめたばかりのころは、時間制限のある中で自分の考えていることをすべて出し切ることが大事です。適切なフィードバックをもらえる環境があればなお良し。次に紹介するのは、WritingやSpeakingのトピック集です。これらを活用して、量をこなしていきましょう。

writingのトピック集
Tesr Resources: TOEFL Resourses by Michael Goodine
Better TOEFL Scores Blog: 80 TOEFL Writing Topics
TST PREP: Topics and Sample Essays for the Writing Section of the TOFL Test (2022)

speakingのトピック集
Test Resourses: TOEFL Resourses by Michael Goodine
Exam Word: TOEFL Speaking Questions and Samples
BestMyTest: New TOEFL Speaking Topics Updated for TOEFL Speaking Task

Readingも量をこなす!

とりあえずたくさん問いて、自分の苦手な傾向をつかみましょう。また、時間制限を設けて時間内で読み切る・解き切る練習が必要です。分からない単語はまず推測することで対応しますが、解き終わった後に読み直し、違う文章でも登場しそうなものはしっかり調べます。続けて、リーディングでおすすめの問題集を幾つかご紹介します。

Listeningは公式教材で

ETSは受験者向けに公式教材を出版しています。Listeningは対策が難しいので、公式教材で過去問演習をすることをおすすめします。TOEFLテキスト公式教材ショップには、ノートテイキングや自主学習セットもあるので是非チェックしてみてください。

「聞く」ことの能力を高めるには、日々の鍛錬が必須です。毎日洋画を字幕で見たり、海外ドラマを作業中に流しておいたり、BBCやCNNなどニュースメディアのPodcastを聞いたり、英語ネイティブの先生とたくさん話したり、友達と英語で会話してみたり・・・自分から積極的に英語に触れに行く姿勢が、英語の「耳」を育てます。

TOEFLの一日と持ち物

TOEFLの1日はとっても長いです。覚悟を決めて臨みましょう。まず、コンピュータに4時間も、完全集中した状態で向き合うことがきつい!休憩はListeningとSpeakingの間の1回10分しかないので、その間にしっかり気持ちの切り替えをすることも重要です。Listeningが終わるとそれまでの点数が非公式なものとして表示されますが、惑わされず、できることを出し切ってください。

絶対に必要な持ち物は、身分証明書申し込み確認メールの写しだけ。休憩時に食べるちょっとしたお菓子や飲み物があるとよいです。個人的に、お菓子は瞬間的な脳の糖分補給として、持ち運びもしやすくてコンビニで買えるラムネがおすすめ。筆記用具や時計、スマートフォンなどは一切会場に持ち込むことができず、ロッカーに入れる必要があります。

がんばって!!

本番当日は、今までの積み重ねを発揮するだけ!メンタルを強く持って、自分を信じて、最後まで諦めずにやり切りましょう。

アルクの本
望月碧
望月 碧(もちづき・あおい)

ICU在学中。2021年4月より気候変動に取り組むClimate Youth Japanに所属。2022年11月よりアルクでEJO編集。中学3年生のときに出会ったネイティブの先生と高校卒業まで英語で話し続けたことが英語への興味のきっかけ。まだまだ勉強中。

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