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時短ママに迷惑しています!もうフォローしたくありません。

時短ママは迷惑

今、注目の「働き方改革」。残業が無くなる、雇用形態による格差が無くなるなど、いいことがたくさんありそうですが、急激な変化に戸惑っている人も多いのでは?異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタント、ロッシェル・カップさんに、よくある悩みを相談してみました。

時短ママのフォローはもうたくさん!

時短ママのフォローをしている人20代の会社員です。

同じチームに、子育て中のため時短勤務をしている女性がいます。お子さんの病気などで、彼女が急に休んだり早退したりすると、その分の仕事が私に回ってきます。子育て中の女性を支援するのはいいことだと思いますが、正直言ってうんざりしています。

カップさんからの回答

上司に相談f

最近、子どもを持っている女性でも働き続けられる環境が整ってきています。そのこと自体はとてもいいことですし、その対応方法として、会社が「時短」やフレキシビリティのある勤務時間を提供するようになったのもとてもいい傾向ではないかと思います。

誰にでも人生をエンジョイする権利がある

しかし、そのような制度を持つ会社は、他の従業員の負担が急激に増えないよう上手く管理するべきですが、あなたの会社の場合はそうではなさそうです。

残念ながら、一部の職場では子どもを持っている人とそうではない人に対して違った期待を持っています。子どもがいない人なら、いつでも残業したり、週末にも勤務したり、同僚の緊急時でも彼らの仕事をカバーしたりしてくれるだろうという、一方的な期待があります。

また、子どもがいることはフレキシビリティを与える理由として正当だと考える一方で、子どもがいない従業員に対してはフレキシビリティを与える必要はないだろうという考え方もあります。

それらは明らかに正しくないですし、フェアではありません。子どもがいないからといって、仕事以外での責任がない、またやりたいことがないというわけではありません。子どもを持っていようがいまいが、みな仕事以外にも生活を持っていて、それをエンジョイする権利は誰にでもあります

日本の企業は、従業員が何とかすると思っている

あなたの職場は、こういった現象の具体例であるように思えます。会社が同僚に時短勤務を提供していたり、子どもの病気などの際に休める許可を与えたりしているのはとても素晴らしいことです。

しかし、フレキシビリティを提供する際に生じる問題や、それに対してどのような対策が必要になるかを十分考えていないようです。

時短とフレキシビリティを天秤にかけ、その結果、彼女が担当する仕事の量を減らしたでしょうか?その仕事の量をカバーするために、人数を追加したでしょうか?

もしそうしていないのであれば、彼女に対してファミリーフレンドリーを容認する代わりに、あなたに犠牲を求めていると言えます。要するに、あなたに負担を移しているということです。残念ながら多くの日本企業では、仕事の量がオーバーしても、従業員が何とかこなしてくれるだろうという勝手な期待を抱いています

もしそういう状況であるならば、子どもを持っている同僚が悪いのではなく、十分な対策をとっていない会社の方が悪いと思います。

問題は、誰もあなたの立場を考えていないということです。あなたの意思を確認せず、彼女ができない仕事をあなたが喜んで引き受けてくれるだろうと思い込んでいるわけです。

会社側と対話する機会を作ろう

会社の方からはあなたと話す機会を作っていないようですから、あなたの方からそのような対話を会社側に求める必要があります。

そのためのアプローチとしてここでおすすめしたいのは、あなたと時短で働く同僚の共通の上司に話しに行くことです。

まずは、「お気づきになっているか存じ上げませんが、最近◯◯さんが急に休まなければならないときに、いつも私が彼女の仕事を引き受けています。こういう事態が頻繁に起きているため、私の仕事の量が増えてしまい、正直困っています」というような話をして、上司が状況を把握しているかどうかをチェックします。

もし把握していないのであれば、具体例を挙げながら説明する必要があります。

ここで大切なのは、時短の同僚自身に対して文句を言ったり、彼女の時短やフレキシビリティを許すという上司の判断を批判したりしないこと。前置きとして「この会社が子どもを持つ人にとって働きやすい職場であることは、とても素晴らしいと思います」といったことを話しておくとよいかもしれません。

また、「この人は仕事をしたくないんだ」という印象を与えないように気を付けることも大事です。重点を置くべきなのは、「自分が彼女の仕事を負担することによって、仕事に悪影響が出てきている」ということです。

状況改善に向けた建設的な対話を

要するに、「本来の自分の仕事」にプラスして「彼女ができなかった仕事」もカバーするのは難しいということを伝えます。そして、仕事に悪影響が出ないようにするためには、具体的にどのようなことをすればいいか、どう状況を改善できるかという点にフォーカスした建設的な対話に持ち込みます

上司とこのような会話をすることによって、自分にとって現状が望ましくないということを伝えられますし、何かよい対策を求めることができます。

もちろん、彼女のできない仕事をあなたがカバーする頻度がそんなに多いというわけではなかったり、客観的に考えて仕事の質に対してそれほど影響を与えていなかったりするのであれば、クレームを言う根拠はあまりありません。その場合は、上司に話しにいかない方がいいと思います。

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ロッシェル・カップ

執筆:ロッシェル・カップ
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社社長。
異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタントとして、日本の多国籍企業の海外進出とグローバル人材育成を支援している。イェール大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営学院卒業。日本語が堪能で、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)、『英語の品格』(集英社) をはじめ、著書は多数。朝日新聞等にコラムも連載している。

編集:GOTCHA!編集部