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インド出張に行く前に知っておきたいこと

これからインドとのビジネスを始めたい人、インド出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第3回は「知っておくべきマナーや現地でやってはいけない動」です。

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Q インドで知っておくべきマナーやエチケットは?

A 過度に堅苦しく考えず、一般常識を守って礼儀正しくふるまえば、問題になることはほとんどないです。

 

インドには日本と異なる多様な文化があり、地域による違いも大きいです。では、各地域を移動するたび、その地の文化に基づいたマナーを身に付けなければいけないかというと、そこまで厳密に考える必要はないでしょう。

過度に堅苦しく考えてしまうと、せっかく社交の場に招かれたときも打ち解けることができません。上から見るような傲慢な態度を慎み、日本にいるとき同様に一般常識を守って礼儀正しくふるまえば、問題になることはほとんどないでしょう。

●あいさつ

相手に向かい、胸の前で両手を合わせて「ハロー」またはヒンディー語で「ナマステ」と言います。「ナマステ」も「ハロー」同様、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の意味で、一日中使えるあいさつです。

ヒンドゥー以外の文化圏にった場合、また相手の母語が分かっている場合などは、それに合わせると喜ばれます。「こんにちは」を何というかは調べておくといいでしょう。

また、欧米のように握手もします。先方から求められたら、快く応じてください。親密になると、再会したときや長い別れになるときなど、男性同士でもハグをしたりもします。

名刺交換も盛んにわれます。大きなレセプションでは多くの人との交換になるので、大量に必要になります。出張では箱単位で用意しておくといいでしょう。

●食事

食事は右手で食べるのが基本です。ただ、ナンをちぎるときなど、地元の人のように右手だけではできません。そういう場面で左手を使っても、慣れない外国人は特段とがめられることもありません。あまり神経質にならず、日本の基本的なマナーを意識して儀よく食べるようにすれば問題はないでしょう。

インドの人たちは右手だけを使って、実に器用に食べますが、指の第二関節以上は汚さないのがマナーだといいます。指の先だけを使うのが品のよい食べ方で、付け根や手のひらが汚れるようでは品が悪いということらしいです。

慣れないうちはうまくできませんから、遠慮せずにスプーンやナイフ、フォークを使ってください。相手に失礼になるということは特にありません。レストランでは必ず用意しているので、前もって置いていない場合でも、頼めば持ってきてくれます。

ちなみに、自宅に招待されたときは、日本と同じく手土産を持参するのが普通です。インドの都市では街角にフラワースタンドがありますから、そこで鮮やかな色の花束を手に入れるのがお勧めです。国産のバラなどが驚くほど安く買えます。

●公共の場でのマナー

インドでは「バーン」と呼ばれる噛みタバコが昔から好まれてきました。喫煙者もまだまだいますが、最近ではインテリ層は徐々に吸わなくなってきています。

公共の場はすべて禁煙で、違反すると200ルピーの罰金です。喫煙できる場所は、日本同様決められた場所か屋外、自宅くらいに限られます。ホテルや高級レストランでも、決められた場所以外はいっさい吸えないので注意してください。会社でも同様です。また、女性の喫煙にはかなり厳しい目が向けられ、男性でも目上の人の前ではあまり吸いません。

飲酒については、宗教上、禁じられているという人のほか、目上の人や親族の前では飲まない慣習もあります。会食やパーティーの際は、飲まない人の前で飲んでもマナー違反ではありませんが、酔っ払いには厳しいのでくれぐれも飲み過ぎには注意してください。

公共の場での携帯電話での通話はごく普通で、日本のように厳格ではありません。あまり気にしない人が多いので、まわりを見て合わせるようにすればいいでしょう。

地下鉄の駅のホームなどでは、順番待ちのに割り込む人もいるので、間を開けないように体がくっつくくらいの状態で並んでいます。割り込みがルール違反だという認識は共有されているので、もしも入ってくる人がいれば遠慮せず注意することです。

●話題

インドの人たちは家族を中心とした暮らしをしていますから、会話の中でも家族の話が多く出てきます。「ウチはこうだけど、そちらはどう?」という自然な流れで質問を向けられますが、特に詮索してやろうと考えてのことではありません。立ち入ったことを聞くとか、プライバシーの侵害といった感覚はないので、身構えずに大らかに受け止めましょう。

インドでは、家族の話がコミュニケーションの潤滑油。こちらも積極的に家族の話をしたり、写真を見せたりすることで、相手と早く打ち解けることができます。

Q インド人のジェスチャーで、日本人が誤解しやすいものは?

A 「イエス」の頭の振り方が日本と違うので要注意。 小指を立てるしぐさには日本とは全く違う意味が!

 

インドの人々に特有のジェスチャーの中でも、最も戸惑うと思われるのが「イエス」「ノー」ともに頭を振ることでしょう。「ノー」については日本と同じように頭を横に振ると考えればいいのですが、「イエス」でもやはり頭を縦ではなく、横に倒すように振るのです。

このため、慣れないうちは相手が何か疑問や不信感を感じて首をかしげているのかと思ったり、こちらが言うことに納得できないのかと誤解したりしがちです。

もしもこちらの話をほほ笑んで聞きながら、ゆっくりと首を左右に倒すように揺らしていたら、「あなたの言うとおりだ」と肯定しているのだと思っていいでしょう。

日本人がうんうんとうなずきながら話を聞くのと同じことです。慣れてくると、そのうちイエスなのかノーなのか見分けがつくようになります。

また、相手が右手の手のひらを額に当てるしぐさをしたときは、「困った」という意味です。何か相手を困らせることをしたり言ったりしていないか、考えてみるといいでしょう。

もう一つ驚くのが、小指を立てるしぐさです。たとえば、車で移動しているときに運転手が小指を立てたら、色事の話をしたいのではなく、トイレということ。小用を足したいという意味なのです。何のことか分からないと困りますので、覚えておきましょう。

Q 現地でやってはいけないNG動は?

A 不浄とみなされる左手で握手を求めたり、物を渡したりすることや、「いい子だね」と子どもの頭をなでるのはNG。

 

何をどこまでタブーとするか、どこまで気を遣うかは地域や個人によっても違います。インドでの代的なNG動としては、左手で握手を求めたり、物を渡したりすることが挙げられます。左手はトイレで使うこともあり不浄とみなされるからです。食事でも、基本的に左手は使わず、右手で食べます。

オフィスで書類を従業員に渡すときなども、左手だけで持って差し出すのは控えるようにしたいところです。ホテルでチップを渡したり、キーの受け渡しをするときなど同様に意識して、右手を使う習慣をつけておくのが得策でしょう。

もちろん、大型の封筒や箱など渡す際は、無理に右手だけで持つ必要はありません。日本にいるときと同じように両手で持って渡してください。インドの人たちもそうしています。

ちなみに、インドの伝統的なトイレは和式に似た形をしていて、紙を使わず、手桶にためた水を使って左手で洗ってきれいにします。ここでは左手を使うわけです。ただ、高級なホテルやレストラン、新しいオフィスなどでは、洋式トイレがあり、トイレットペーパーが用意されています。また、手動式洗浄シャワーを備えているトイレもあります。

足もやはり不浄と見なされます。日本人はあまりしないでしょうが、組んだ足をデスクに乗せ、ふんぞり返るのはやめることです。疲れたときに目の前の台などに足を乗せても、やはり不快感を与えるでしょう。

●聖なるもの

ヒンドゥー教の教義には浄・不浄の思想があり、排泄物や血、罪は不浄、死は最大の穢れとされています。俗世の罪や穢れを洗い流してくれるのが、「天界の川」と考えられているガンジス川です。ガンジス川の豊かな流れにはゴミや動物、人間の遺骸までありとあらゆるものが浮かんでいますが、古来、インドに恵みをもたらす聖なる川であり、人々は沐浴により身を清めてきました。

人の頭も神が宿る神聖なものとされるため、決して他人の頭には触れないように気を付けてください。子どもであっても「いい子だね」と頭をなでるのはタブーです。

かわいいと思って左手で何度も頭をなでたりしたら、親を激怒させてしまいます。

また、耳も神聖視されているので、触れないようにしましょう。耳たぶを強引に引っ張るような真似はトラブルを招きます。

聖なるものは身の回りにもいろいろあり、たとえば象の鼻は恵みを与える手や腕の役割を持つとして崇拝の対象となっています。聖なる象の鼻を頭上にかざされると、人々は喜び、ありがたがります。

●他人とのコンタクト

インドでは男性の友達同士が手をつないで歩く姿も見かけますが、、よほど親しくない限り体には触れないようにしてください。やはり習慣や背景となる文化が違うので、親愛の情を込めたつもりで軽くタッチしただけでも、場所や触れ方により不快感を与えかねず、侮辱されたと誤解を招く恐れもあります。

インドの都市部は人が多く、公共の場はどこも混み合っていて体と体が触れ合わんばかりの状況になることも珍しくありません。知っている人と会話するときも、日本で慣れているよりは少し近いところまで寄ってくると感じることがあります。

それでもやはり、意図に反して体が触れ合ったらSorryと謝りましょう。ちょっと手が当たったとか、肩がぶつかったというときでも、何も言わずにいるのは失礼です。

また、人を手招きするときは、手のひらを下に向けて招き猫をまねするように指先を動かしてください。アメリカ式に手のひらを上に向け、指をちょいちょいと動かすと、傲慢だと思われます。

人に指を突きつけるのも避けましょう。単純に念押ししたいだけでも、相手は非難されているように感じるはずです。インドでは人を指すときも失礼だからと指を使わず、たいていは顎で指し示します。手全体を使うのもOKなので、こちらの方が日本人は慣れていてやりやすいでしょう。

冗舌なインドの人々は手のしぐさを交え、豊かに表現をします。手をポケットに入れたままだったり、腕組みをしたりすると偉そうに見えるので気を付けましょう。

 

文:島田 卓
株式会社インド・ビジネス・センター代取締役社長。1972年、明治大学商学部を卒業し、東京銀(現三菱東京UFJ銀)入。 本店営業部、ロサンジェルス支店、事務管理部、大阪支店などを経て、91年インド・ニューデリー支店次長に着任、約4年間インドに駐在。97年同を退職、同年4月に株式会社インド・ビジネス・センターを設立し、現職に。東京商工会議所平成27年度中小企業国際展開アドバイザー。
ホームページ:http://www.ibcjpn.com/

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