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英語学習の目標を宣言するのとしないのと、どっちが達成率が高まる?

英語パートナーシップ学習

連載「英語パートナーシップ学習」では、英語学習コーチ・メンタルコーチの船橋由紀子さんが、NLP(神経言語プログラミング)やアドラー心理学も生かして、「英語学習を楽しく頑張れる」方法を一緒に見つけていきます。第6回は、「目標を宣言することの効能」です。

「英語パートナーシップ学習」とは?

こんにちは!英語学習コーチの船橋由紀子です。

学習者の皆さんが「自分と、周りと、そして英語と、上手にパートナーシップを結びながら、楽しく英語力をアップ!」していけますようにという思いの下、心理学の要素やコーチとして経験した実例を併せて紹介していきます。

「ライスは抜きにしたよ!」の報告

この最終回では、たくさんの可能性を秘めた「目標を宣言することの効果」について見ていきましょう。

さて、今回もわが家の夫婦コミュニケーションのエピソードからです。

ある日、旦那さんがこんな報告をしてきました。

「今日のランチ、い〇なりステーキに行ったんだけどさ。コーンをブロッコリーに変更して、ライスは抜きにしたよ!」

彼はなぜこういった行動を選択するのだと思いますか?

それは当然、旦那さんがダイエットしているからです。ただそれ以上に、旦那さんが私に、「いつまでに〇キロ減」というダイエットの目標を「宣言」しているからなのです。

特に今回注目したいのは、「誰かへの宣言」という部分。ここがパートナーシップを生かした英語学習にとってのキーになります。

目標は人に言わないほうが成功する?

実は、「目標は人に言わない方が成功する」という研究結果があります。これは、2010年のTEDでデレク・シヴァーズが語った内容で、「目標を誰かに言ってしまうと、その時点で満足感が高まってしまい、実際の行動における動機付けが低下してしまう」とのことです。

Derek Sivers: デレク・シヴァーズ 「目標は人に言わずにおこう」 | TED Talk

そのような説がありながらも、目標を宣言することをおすすめしたいのは、特に自分自身と周りとの関係性において、多くのメリットがあるからです。

具体的に見ていきましょう。

効果1:宣言するときこそ、目標と真剣に向き合える機会

目標を「宣言する」とき、実はその目標に対する責任感や主体性が高まっています。つまり、「目標に対して、より真剣に検討する機会」となっているのです。

具体的には、目標を達成することの意味や妥当性を考えるでしょう。目標達成までのプロセスもセットで考え始めることになるでしょう。

これは、「真剣に目標を宣言しなければならない!」ということではありません。人によっては、ノリで目標を宣言するでしょう。それでも、宣言というきっかけを経て、目標の意義やプロセスを真剣に考え始めることが起こり得ます。

いずれにせよ、目標を誰かに宣言するときは、自分自身が目標自体と真摯(しんし)に向き合うチャンスになるのです。

効果2:誰かの目があるから頑張れる「ホーソン効果」

「ホーソン効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、関心を持ってくれる人や期待してくれる人に応えようとする心理のことです。

い〇なりステーキでの旦那さんの行動は、ホーソン効果の一種と言えます。

日々、目標に向かって行動することは、孤独なプロセスになりかねません。そんな中で、行動を継続する確率を上げるために、「誰かの期待に応えたい」という心のエネルギーも活用できたらいいと思いませんか?

つまり宣言とは、目標達成に向けて具体的に行動を起こしていく際の、心のエネルギーを自分に仕込む方法とも言えるのです。

効果3:応援・情報が集まってくる

宣言したからこそ手にできる最たるものは、応援と情報です。

スポーツの試合を熱心に応援した経験は、誰にでもあると思います。

人は応援するのもされるのも好きです。それは、「人が誰しも普遍的に大事にしたい価値観」を満たす要素が備わっているのが「応援」だからです。

その価値観とは、例えば次のようなものです。

  • 貢献感(誰かのために頑張りたいという思い)
  • 一体感、つながり(一緒に頑張りたいという思い)
  • 支え、安心感(支えがあるから頑張れそうという思い)

こういった感覚は、実は応援される側だけでなく、応援する側も同様に満たされます。

ですから、目標を宣言し、それを知った人が応援するのは、どちらにとっても意味のあることなのです。

さらには、応援だけでなく、自身の持つ知識や情報を提供してくれる人もいるでしょう。時にはお節介過ぎることもあるでしょうが、取捨選択すれば、目標達成にとってありがたいサポートになります。

▼「人が誰しも普遍的に大事にしたい価値観」の詳細↓

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「英語発音力アップ」を宣言して2カ月半やりきった実話

私自身が「目標を宣言することの効果」を大きく感じた経験があります。

それは3年前のこと。英語指導者として英語の発音力に自信のなかった私は、「2カ月で英語発音力を徹底的に鍛える」ことを思い立ちました。

そして、自分自身のコミット力を上げるために、次の行動を取りました。

  • SNSで「2カ月間発音チャレンジ」と題した動画をアップし始めた。
  • 発音矯正の先生を巻き込み、2週間ごとに発音を点数化してもらった。
  • 途中の経過報告を1週間ごとに、SNSに動画でアップし続けた。

結果、先生に評価してもらった発音点数は2カ月半(期間については後述)で68点から93点まで上がりました(ご興味のある方は、「船橋由紀子 発音チャレンジ」と検索すると、当時の様子が出てきます)。

ではここで、私が「宣言」したことによって何が起こったのかを振り返っていきましょう。

まず、宣言した途端、本当にたくさんの応援を頂き、全く後に引けなくなりました(笑)。

その様子を見ていた家族の協力も得られて、身近なところで励ましてもらうことができました。

また、英語教育に携わる友人からは具体的なアドバイスをもらうことができて、実際に取り入れました。

その他にも、別ジャンルでの「2カ月チャレンジ」を宣言する人が周りに出てくるなど、さまざまなことが起こりました。

柔軟性も大切に

私の取り組みは当初「2カ月」としていたのですが、実際は「2カ月半」のプロジェクトとして完結しました。2カ月では納得のいく状態に至らずに、半月だけ延長して取り組んだのです。

この「予定を柔軟に変更する」という要素も非常に重要です。

実は、宣言することのデメリットとして、関心を持ってくれる人に応えようとする心理である「ホーソン効果」がマイナスに働くことがあります。

例えば、方向の見直しが必要になった際、誰かの目を気にするが故に、行動の柔軟性が失われる可能性があるのです。しかし、これは避けたいところ。

当時の私は幸いにも、柔軟性を大事にしながら、「宣言」のメリットを多く享受することができたのでした。

さて、「ちょっとやり過ぎ!」(笑)というケースだったかもしれませんが、「宣言」することにおける私自身のエピソードを紹介しました。

良いパートナーシップを築きながら第一歩を!

誰にも何も言わないまま目標を達成し、後から結果を知らせる方がスマートに思えるかもしれません。

また、ある実験や説の通り、その方が目標達成率が高いのかもしれません。

それでも私は、目標は宣言することをおすすめしたいです。

宣言する過程において、自分の未来をより真剣に考え、そこから一歩一歩進む自分のことを、どんどん好きになれるからです。

そして、あなたの目標達成の宣言は、誰かにとっての勇気にもなるのです。

周りと、そして自分自身と、良いパートナーシップを築きながら、ぜひ目標に向かって一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

さあ、あなたは何を誰に宣言しますか?そのことについて考え始めたその瞬間から、目標達成の旅路はスタートします。

あなたの第一歩を応援しています!

船橋由紀子

文:船橋由紀子

英語学習コーチ・メンタルコーチ。英語コーチングスクールに在籍中、7年で約4000人の英語力アップをサポート。2017年に独立。現在はオーダーメードの英語学習コーチングを提供中。NLP(Neuro Linguistic Programing、神経言語プログラミング)・アドラー心理学の資格を生かし、メンタル面からも深く学習者をサポートするコーチング・スタイルを得意としている。

ウェブサイト https://yk53.jp

編集:GOTCHA!編集部