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3500万人以上が受験、 日本の大学入試や単位認定にも利用されるTOEFL®テストとは

留学といえばTOEFLテストを連想するくらい、だれでも一度は名前を聞いたことがあるTOEFLテスト。近年日本の大学入試や単位認定においてもその利用が増えている。今回は、TOEFLテスト日本事務局である、一般社団法人 CIEE国際教育交換協議会(https://www.cieej.or.jp/)(以下、CIEE Japan)の代表理事、根本斉氏にTOEFLテストの特徴やねらい、勉強法などを聞いた。
※文部科学省が発表した、2020年度に予定されていた大学入学共通テストへの英語民間試験活用の延期を受け、内容を一部修正しました。(11/13)

いつどこで受けてもスコアがブレない、正確で公平な世界標準のテスト

――TOEFL®テストとは、どんなテストなのか教えてください。

根本さん:TOEFLテストは、1964年に米国の非営利教育団体Educational Testing Service(ETS)が開発した世界標準のテストです。英語を母語としない人を対象とし、大学等のアカデミックな環境で求められる英語運用能力を測定することを目的としています。
これまで延べ3500万人以上が受験し、世界150カ国、10,000以上の大学等の機関が、入学選考や奨学金選考などの際に、TOEFLテストのスコアを利用しています。

――最近では、TOEFL®テストよりもTOEFL iBT®テストと言われることが多いですが、これはどういうことですか?

根本さん:TOEFL iBTテストは、2005年から導入された、インターネット形式のテストです。テストセンターでコンピュータを使って受験をし、インターネットから配信された問題に解答します。「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に、かつ高い精度・公平性をもって測定できるので、いつどこで受験しても正確に受験生の英語力を測定することができます。もうひとつ、名称は似ているのですが、団体向けに実施運営しているTOEFL ITP®テストというテストも日本で行われています。以前公式テストだったペーパー版のTOEFLテストの問題を利用し、大学をはじめとした様々な団体・教育機関で利用されています。こちらのテストもあるので現在の公式テストはTOEFL iBTテストと呼んで区別しています。

――スコアはどのように測定するのでしょうか。

根本さん:「読む」「聞く」「話す」「書く」それぞれ0~30、合計120で評価されます。合否判定はありません。一般的に大学学部課程で必要なスコアは、61以上、大学院課程では79~80以上のスコアが求められますね。

日本の大学でも入試や単位認定でTOEFL®テストの利用が広がっている

――TOEFL®テストと言えば、留学というイメージがありますが、日本の大学でもTOEFL®テストが利用されているそうですね。

根本さん:海外の大学に限らず、近年では国内の大学でもTOEFLテストのスコアを入学試験や単位認定に利用するところが増えてきています。実際に日本の約330の大学では、入試の際にTOEFLテストスコアの提出が出願要件になっていたり、加点対象や単位認定など、何らかの形で利用されています※1。今後、日本の大学でも英語で講義をする大学が増えていくと考えられますから、TOEFLテストのスコアが利用される場面はこれからも増えていくと思われます。

ただし、TOEFLテストの問題は、アメリカの教育課程の大学1年生が使う教科書を素材として作られているので、日本の高校生にとってかなりハードルが高いのは確かです。

――TOEFL®テストではどのような問題が出るのでしょうか。

根本さん:TOEFLテストは、たとえば、海外の大学で英語の講義を聴き、それに対して自分の意見を言う、出された課題についてエッセイを書く、など、実際に大学で遭遇する状況を想定した問題が作られています。ですから、TOEFLテスト対策の勉強が、そのまま大学留学の準備となる。TOEFLテストの勉強をしっかりしていれば、いざ海外の大学に行ったときも、自信を持って授業に参加でき、意見を言うことができます。

自分の現在地を知り、ゴールまでの距離を知るのがテストの役割

――TOEFL®テストを受験したい生徒に対し、教師はどのような指導をすればいいのでしょうか。

根本さん:CIEE Japanでは、ETS公認トレーナーによるワークショップを開催するなど、6~7年前から学校や教師の方の支援を行っています。とくに教師の方の関心が高いのは、スピーキングやライティングをどう評価するか。発信技能を測る問題に対する答えは一つではないので評価は大変ですし、どうすればスコアが上がるのかもわかりづらい。しかし、評価基準がわからなければ、生徒たちに効果的な指導ができません。

――確かにそうですね。採点基準がなければ、公平で正確な評価もできません。

根本さん:TOEFLテストでは、何をもって受験者の英語力を評価するのかを、Rubrics(SpeakingWriting)にまとめてあります。
たとえば、スピーキングであれば、Delivery、Language Use、Topic Developmentという3つの評価軸があり、それぞれについて、どのような力を求めているかが明記されています。
Deliveryでは、適切な発音とペースで明確かつ流暢に話せているか、Language Useでは、言いたいことに対して適切な語彙が使われているか、文法は正しいか、Topic Developmentでは、聞かれたことに対して理路整然と説明ができているか。さらに、それぞれの評価軸について1~5段階の詳しいスコアガイドが設定されています。
Rubricsは、受験者も見ることができるので、何をどう勉強すればいいのか自分で対策を立てることができます。

――テストの役割とは何でしょうか。

ゴールがなければマラソンが成り立たないのと同じで、勉強にもゴールが必要です。まず、自分はどういうゴールを目指すのか。そして、ゴールに対して、今、どの位置にいるのか。あとどのくらいでゴールにたどりつけるのか。それがわからなければ、今、何をどう勉強すればいいかわかりません。
テストは、今の自分の位置を知り、ゴールに到達するためにやるべきことを知るための指針として使っていただければと思います。

世界の中で日本人の英語力はどのくらい?

――日本人は英語が話せないと言われて久しいですが、改善はしているのでしょうか。

根本さん:TOEFLテストを作成しているETSでは、Score Data Summaryhttps://www.ets.org/s/toefl/pdf/toefl_tsds_data.pdf)※2というそれぞれの国のTOEFL iBTテストの平均点やパーセンタイル表を毎年作成して公表しています。各国ごとの状況は異なるので点数のみの単純な比較はすべきでないですが、それでも最近日本の平均点は変わっていないので、この点からみると大きな変化があるようには見えません。日本のGDPは世界3位という位置にあるので、もう少し高い位置にあってもいいのではと思います。

――2020年の東京オリンピックを控え、「これから多くの外国人が日本を訪れるので、英語力を上げなければ」と言われていますが、1964年の東京オリンピックのときも同じことが言われていた、そのころと全く変わっていない、という声もあります。なぜ、日本の英語教育は、50年以上も改善されなかったのでしょうか。

根本さん:要因は様々あると思います。大学入試が原因と言われることもありますが、必ずしもそのことだけが理由ではないと思います。大学入試において英語4技能の導入が進む動きは良いきっかけになると思いますが、ただ試験だけ追加してもあまり意味はないと思います。むしろ人や情報の動きが過去とは比較にならないくらい速い現代、世界で自分がどういう学びや進路に向かいたいのか、世界の人たちとどう共同して様々な課題に対処するのがいいのか、そういうことを考えて英語を学んでいけば自然とどんな英語力が必要かがわかってくると思います。

日本の若者は、高い英語力を持つアジア人との戦いに勝てるのか

――CIEE Japanでは、留学や国際交流の事業も手掛けておられます。最近どんな動きがありますか?

根本さん:ここ10年くらいの間、世界では自分の国だけでなく自分の国以外でも学ぶことが一般化してきています。中でもアジアでは中国とインドという2つの大きな国が中心となり、数多くの留学生を送り出し、留学を経験した若い世代が社会を変えています。OECDの調査によれば、海外で学ぼうとする約24%は修士や博士といった高い学位を目指す学生というデータも出ています※3。
これから社会に出ていく日本人の若者は、同年代で英語が流暢に話せてしかも修士号や博士号を持っている、そういう外国人を相手に一緒に仕事をしたり、あるいは競合しなければならない、そういう時代です。非常に大変な時代になっていくと思います。

また、インターネットの発達や技術の進歩は、かつてないほどに世界を変えてしまっています。 そういう時代を生きていくには、大学4年間に学んだ知識だけではついていけない、一生学び続けなければならないと言われています。インターネット上の情報でも、最も新しい情報は英語で書かれたものですし、MOOC(http://mooc.org/)のようなオンラインで学べる大学のプログラムもほとんどが英語です。若い人たちだけでなく、生涯学習の面からも、英語の必要性はますます高まるでしょうね。

勉強面だけでなく、早くから海外に出て、異文化体験をすることも重要です。異なる国籍の人たちと出会い、いろいろな文化、社会を見て、多様性を尊重する、理解するという中から自分はどう生きるか、多様な世界の中で自分のコンピテンシーをどう高めていくか。そういう視点を持つためにも、外の世界を見ることは、大変重要だと思います。

TOEFL iBT®テストについて

■試験時間
Readingセクション:マウスを使用(時間:54~72分)
Listeningセクション:マイク付きヘッドセット・マウスを使用(時間:41~57分)
Speakingセクション:マイク付きヘッドセットを使用(時間:17分)
Writingセクション:キーボードでのタイプ入力による解答(手書き不可)(時間:50分)

測定方法
Reading      0~30
Listening     0~30
Speaking    0~30
Writing        0~30
TOEFL iBTテスト トータルスコア:0~120

■受験料 US$235(2019年10月現在)

■試験回数:年間約40回(月2~5回)

■TOEFLテストに関する情報
TOEFLテスト 公式webサイト https://www.ets.org/toefl
TOEFL iBTテストの準備 https://www.ciee-onlineshop.jp/
学習者向け情報サイト https://www.cieej.or.jp/toefl/
団体・教職員向け情報サイト https://www.toefl-ibt.jp/

※1 出典:一般社団法人 CIEE国際教育交換協議会「TOEFL iBT®テストスコア利用実態調査報告書2018年版」https://www.toefl-ibt.jp/dcms_media/other/score_report2018.pdf

※2 出典:Educational Testing Service. (2019) Test and Score Data Summary for TOEFL iBT® Tests January 2018 – December 2018 Test Data

※3 出典:ICEF. (2015) New OECD report summarises global mobility trends https://monitor.icef.com/2015/11/new-oecd-report-summarises-global-mobility-trends/

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執筆&編集:あの国で留学 編集部

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