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エキスパート2人が自ら実践した英語学習法と英語習慣化のコツ【新刊発売記念対談・前編】

エキスパート2人が自ら実践した英語学習法と英語習慣化のコツ【川合亮平さん&早川幸治さん対談・前編】

10月15日に、川合亮平さんのGOTHCA!連載が、電子書籍「GOTCHA!新書」のシリーズ第4弾として発売されました!それを記念して、川合さんと、同じくGOTHCA!でもおなじみの早川幸治さんと対談。息の合った英語学習トークをお楽しみください!

イギリス好きもTOEIC学習者も楽しめる?ミックス型イベント

編集部・山本(以下、編集部):お二方は一緒に「英語力アップ・トークライブ!」というイベントを開催されていますね。どういうきっかけで始められたのか、まず接点からお聞かせください。

早川幸治(以下、早川):初めてお会いしたのが、アルクの「春の英語祭り」にゲスト出演したときですよね。2010年に、永福町のホールで。

川合亮平(以下、川合):そこでは特に何もなく。ただ、ほぼ同じ業界、同い年なので、気になる存在ではありました。僕からだったかな、お茶に誘ったときに「何か一緒にやりたいですね」という話になって、「じゃあトークライブはどうですか?」「やってみましょう」というのが一昨年ぐらいですかね。

編集部:ということは、川合さんが英語の勉強を再始動する前からということですよね。

川合:そうですね。セミナーというかっちりした形ではなく、ラクに聞ける、エンターテインメント性の高いイベントをやりたいなと思っていました。

早川:ほぼ打ち合わせはないですもんね。それぞれ話す内容は事前に決めますが、それが半分ぐらい。あとの半分は来た方々から質問を頂いて。川合さんのアイデアで、質問ははがきに書いていただいて、ラジオDJみたいに「◯◯さんからお便りを頂きました」と読み上げています(笑)。

川合:このトークライブには、僕経由で来ていただく方と早川さん経由で来ていただく方がいらっしゃいます。僕経由で来ていただく方はイギリスが好きな方が多いと思いますが、このトークライブをきっかけにTOEICの勉強を始めたという方もいらっしゃいますし、そういう意味でもいい感じです。

早川:お客さんの層も全然違いますね。川合さんには若い女性が集まるんですが、僕にはやる気のあるおじさんが(笑)。

編集部:でもうまく層がミックスするから面白いですね。

川合:そうなんですよね。そこから広がりも徐々に生まれてきたりしていますね。いいイベントだと思っています。 

英語の仕事を始めた根っこにアルクがあった

編集部:では、今度は時間をぐっと巻き戻して、お二方がそれぞれ企業から独立して、なぜ英語で食べていこうと思ったのか、あたりからお話しいただけると。

早川:企業研修は2009年からですが、独立したのは2003年ごろですね。

編集部:独立しようと思ったきっかけは?

早川:もともと「英語教育の世界に入りたい」という思いはずっとありました。でも教師の世界には狭いイメージがあったので、まずは一般企業を見てみたいと思い一時はシステムエンジニア(SE)をやっていたんです。留学しようと思ってSEは辞めましたが、その留学資金を貯めるのに英語を教えるアルバイトをしていました。留学を2年間して、英語教育の勉強をしてから英語を教えようと思っていたはずなのに、ふと気付いたら「あれ、今英語教えてるよな?」と思って。結局留学は辞めました。

ただ、英会話学校で英会話を教えていて、その中で「留学していないから、英語は教えられるけれど文化が伴っていない」と思ったんです。そんなときに、アルクのTTT*1に参加しました。TOEICはそれまで3回しか受けたことがありませんでしたが、「意外とTOEICを知っているな」と思ったんです。僕はもともと高校2年生で英検4級不合格だったので、「英語が分からない」という人たちの気持ちも分かる。そういったお手伝いをした方がより貢献できるかなと思ったのがきっかけですね。

編集部:TTT出身で、TOEICのエキスパートとして活躍されている方はたくさんいらっしゃいますね。一方、川合さんはどちらかというと英語カルチャー系のイメージがあります。でも、最初は英会話教室でしたよね。

川合:そうですね、英会話の非常勤講師で社会人生活をスタートして、その後同じ会社の法人営業部に就職しました。独立したきっかけは長男が生まれたことですね。

編集部:独立したきっかけが「長男が生まれたこと」というのは、かなり思い切りましたね。

川合:子どもと過ごす時間が大切だと思っていたので、それを優先しました。法人営業部で社員として働く中で、当時早川さんがされていたように、フリーで企業研修講師をされている方々と付き合いがあったので、あまり不安はなかったです。それが12年ぐらい前ですね。

編集部:永福町で初めてお会いしたのは、まだ辞めたばかりのころですか?

川合:そうなんです。雑誌で執筆することに強い憧れがあったので、身の程知らずにもいろいろな雑誌に企画書を送っていました。そうしたら、アルクさんがどこの骨とも分からない当時会社員の僕の企画書を採用してくださって。それが初連載でした。

僕にはイギリス人の姪(めい)がいるので、彼女の、英国の赤ちゃんの生活や、彼女が言葉を覚えていく過程をコラムとして書かせていただきました。そんな彼女も今はティーンエージャーです(笑)。あのときは会社員でしたが、副業的にお仕事をさせていただいたのも自信になって、独立することにしました。

早川:僕もアルクさんとのつながりは10社ぐらいにメールを送って、7社に無視される中、アルクさんに「ぜひ遊びに来てください」と言われて遊びに行ったのがきっかけなんですよ。

川合:ああ、じゃあほぼ一緒ですね!どういうメールをしたんですか?

早川:ブログに本のレビューを書いていたんですが、「レビュー書くから本もらえないかな」と思って10社ぐらいにメールしたところ、アルクから「ぜひ」と反応があったんです。担当者の方にお会いして、「何を持って帰りますか?」と言うので「じゃあこれとこれとこれとこれを下さい」「あとはそうですね、仕事があったら」と言ったら、100冊レビューという仕事が来ました。「じゃあ本送ります」とダンボール3箱分の本が届いて、「本棚も欲しかったな」と思いました(笑)。

分析・研究」「対策・補強」正反対?な英語の楽しみ方

僕はもともと英語が全然できなかったのに、興味を持って学習し始めたらできるようになってきたという経験があります――早川幸治さん

僕はもともと英語が全然できなかったのに、興味を持って学習し始めたらできるようになってきたという経験があります――早川幸治さん

編集部:お二方とも、今こうして英語に10年以上携わられていますが、英語があることで人生がどう豊かになったでしょうか?

川合:一言で言うとやっぱり、人との出会いかなと思うんですよね。

編集部:奥様との出会いもありますしね。記事で「学習のゴールだ」と書いていたような(笑)。

川合:そうですね、妻との出会いもありますね(笑)。書き言葉でも、話し言葉でもいいですが、英語ができるとコミュニケーションの幅が格段に広がるというのは言うまでもないことですし、それで多くの人とコミュニケーションすることで自分の人生は豊かになりますよね。今もそれは感じ続けています。

編集部:早川さんはいかがですか?

早川:僕はもともと英語が全然できなかったのに、興味を持って学習し始めたらできるようになってきたという経験があります。「苦手は憧れの裏返しだな」と思いましたね。苦手なまま努力すると「いかにできないか」が分かりますが、憧れに変わって努力すると「いかにできるようになっているか」が分かるんです。

日本語は「言わなくても分かる」という文化ですが、英語は「言わなきゃ分からない」文化ですよね。僕はしゃべるのが苦手ですが、しゃべらなくてはいけない環境ができたことで、しゃべることに興味を持ちました。しゃべると確かに楽しい。じゃあ人前でしゃべるのに挑戦してみようと考えて、スピーチコンテストに挑戦したのが専門学校に通っていたのときです。完全に人生が変わりましたね。英語をやっていなかったら絶対人前でしゃべるようになっていませんから。

編集部:人前で話すのが苦手だなんて、今からは想像もつかないですよね。動画撮影でも、カメラを回している間、一度もかまないんですよ。

早川:動画の仕事はいずれ来ると思っていたので、家でも練習していたんです。カメラを見てしゃべるのは難しいので、スマホを置いて、カメラを見てしゃべる練習はしましたね。

編集部:ちなみに笑いのセンスはどこで磨いたんですか?

早川:漫才や落語を見に行きました。絶対笑わないんですよ。ずっと真剣に見て「面白い」と思ったら、なぜ面白かったのかを振り返るんです。そうしたら「こういう話の構成になっているのか」と分かる。それをやってから、授業が分かりやすくなったと言われるようになりました。「分かりやすい」と「面白い」は構成が同じなんです。

編集部:川合さんは根っから人前でしゃべるのが好きな感じがします。

川合:大阪人の血なのかどうか分かりませんが、もともと目立ちたがり屋というのはありますね。ただ、人前で話すようになると目立ちたがり屋だけではやっていけません。早川さんは準備して成功するタイプですが、僕の場合はつまずいたときに補強してやっていくタイプです。話すときも、以前はまったくのフリースタイルでやっていましたが、壁にぶち当たってからはネタを自分で仕入れるようにしています。

編集部:今は人前でしゃべるのは楽しいですか?緊張はしませんか?

川合:そうですね、緊張するけど楽しいですね。特に英語は「やりたくない」「嫌い」という人が多いので、そこに対して興味を持たせるのは楽しいですね。「実はやってみたいかもしれない」と気付いてもらえると楽しいです。

編集部:やっぱりできない人に教える機会の方が多いんでしょうか。

川合:できる人に教えることはあまりないですね。できない人に教える方が、僕にとってはたぶん面白いです。

早川:僕は、教えるようになって、生徒の考えることが全部分かるというの不思議な感覚を知りました。説明したものが「今アタマに入ったな」というのが表情で分かるんです。

編集部:そこまで見えているんですね!

早川:見えていますね。

エキスパートが勧める英語学習法と英語習慣化のコツ

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英語学習法は数えきれないほどあるので、自分が信じられるかどうかというのが一番の鍵だと思います――川合亮平さん

編集部:では英語学習法の話を。早く習得する方法なんてないのかもしれませんが、「確実に効果が出る」「こういう勉強法がおすすめ」というものがあれば、それぞれの視点からアドバイスをお願いします。

川合:自分より英語ができる友達に聞く、というのが習得に一番おすすめの方法です。英語学習法は数えきれないほどあるので、自分が信じられるかどうかというのが一番の鍵だと思います。信じてやればどんな方法でも構わないのですが、半信半疑でやるとなかなか身に付くものも付きません。実際僕も友達に何回か聞かれていますが、その友達はみんな英語ができるようになっています。

編集部:ちなみにどんな学習法を?

川合:人のニーズにもよりますが、一人は僕の数少ない親友で、「洋書を読みたい」という強い思いがありました。どうしたらいいかと聞かれて「とにかく多読や」とアドバイスしたところ、彼は自分で試行錯誤しながらも親友のアドバイスどおり多読を続け、3、4年たった今、普通にペーパーバックが読めるぐらいにはなっているようです。

編集部:これが効く!と思って実践すると効果があるんですね。早川さんはいかがですか?

早川:まず興味ですよね。興味がある状態、憧れる状態というのがまず前提にあって、プラス「ものまね」かなと思います。自分が使いたい表現や英語を使いたい場面を、映画や教材から抜き出して徹底的にものまねをしていく、声を出していく。カラオケと一緒ですよね。カラオケを歌えるようになる過程と英語を話せるようになる過程は、ほとんど一緒だと思います。僕はそうやってきたことでかなり早く伸びました。

編集部:お二方とも、普段から日常的に英語に触れていらっしゃいますよね。僕も英語を使った仕事をしているので、自然と英語に触れる機会がありますが、一般の人は触れる機会や取り入れる方法がなかなかないように思います。その点について、取り入れられる良い方法は何かありますか?普段学生さんなどにアドバイスしていることがあれば。

早川:勉強というと静かなところで、教材があって、と身構えてしまいがちですが、「英語に触れる」というのは思いきりハードルを下げていいと思います。ただ、ハードルを下げた分、ルールにしないといけない。僕は家を出てから、すぐに英語を聞くようにしています。家を出たらイヤホンを耳に入れて、英語を流すというのをルールにしているんです。

編集部:ポッドキャストですか?

早川:ポッドキャストもいいですね。勉強のためではなく情報を理解するつもりで流して、聞きながら歩いて、駅まで行ったら止める。ルールにすると結構早く、日常に取り入れられますよ。忘れられなくなる。

とはいえ僕も以前から、家の外では英語を聞きたいなと思っていましたが、なかなかできませんでした。家を出て、イヤホンを取り出すと絡まっているので、それを解いて、という作業が面倒で習慣にならなかったんです。「じゃあワイヤレスのイヤホンを買えばいいんだ」と思って買ったらちゃんとできるようになりました。ルール化する前には何かしら障害があるので、障害を取り除けば意外とスムーズに取り入れられます。

川合:ガジェットをうまく使うというのがひとつのキーワードですよね。

編集部:おすすめのガジェットはありますか?

早川:何だろう、それこそワイヤレス・イヤホンはひとつ。あとは、スマホ自体を英語モードにしてしまうとか。周りの環境をなるべく英語モードにするのが良いと思います。デジタル機器は英語モードにして使うとか、電車に乗ったら優先席には必ず日本語と英語が書かれているので、それをいちいち読むとか。ルールにすると、意外と英語は身の回りにあふれていることが分かりますね。

川合:ルール化するのは大事ですよね。ルールになれば習慣になります。そこまで落とし込まないと、ながら学習ではなかなか上達を感じにくいと思います。生活の中でどこを英語化できるか自分で振り返って、「日本語の音楽を聴いていたのを英語にしよう」とか自分で決めてルールにするのがいいと思いますね。決めるというのが重要です。

後編に続く

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満足するまで学習に終わりはない。いつからでも、続けるための方策がある。

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  • 作者: 早川幸治
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川合亮平(かわい・りょうへい)
通訳・翻訳者。最近の通訳実績はエディ・レッドメイン来日イベント(OMEGA主催)、TBSドラマ『グッドワイフ』制作会議など。関西のテレビ番組で紹介され、累計1万部を突破した『「なんでやねん」を英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・監修書は現在9冊。イギリス現地の観光・エンタメ・文化情報を伝えるジャーナリストとしても活動中。

ブログ:https://ameblo.jp/ryohei-kawai-blog/
メールマガジン:http://bit.ly/2JfOfob

早川幸治(はやかわ こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。企業研修講師として、英語を公用語化した企業はじめ、これまで全国の160社以上で研修を担当してきたほか、大学や高校でも教えている。セブ島留学プログラムも監修。TOEIC990点(満点)、英検1級取得。豊富な受験経験から傾向を押さえた効率的な対策法が好評。著書多数。アルクの通信講座「TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST 完全攻略600点コース」監修。

構成・文:吉澤瑠美、写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)

*1:「TOEIC Teachers’ Training」。アルク主催のTOEIC講師養成セミナー