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大学入試・英語4技能試験で注目される IELTSを徹底解剖

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2020年度から大学入試が大きく変わる。英語では、「聞く、読む、書く、話す」の4技能を測る試験の実施決定。TOEFLや英検、IETLSなど、民間試験の利用が認められることになり、注目を集めている。現時点で、採用されている英語4技能試験は、ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定(英検)、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBTの7つ。それぞれに、出題目的や試験の傾向実施回数や受験料も異なり、受験生や、指導にあたる教員の間でも不安が広がっている。 しかし、英語で4技能を重視することは、時代の流れから見ても決して間違ってはいない。大事なことは、それぞれの試験の特徴をよく理解し、自分に最も合った試験を選ぶことだ。

今回は、大学入試で採用された英語4技能試験の中からIELTSについて紹介する。

IELTSとは

IELTSは世界をリードする英語教育、言語研究機関であるIDP:IELTS Australia, Cambridge Assessment English, British Councilの3団体が共同開発したテストで、世界で年間350万人以上が受験している英語4技能テストである。TOEFLと並び、海外留学や海外移住の際に、英語力を証明するためのテストとして知られている。

IELTSのスコアは0から9.0まで0.5刻みのバンドスコアで、合格・不合格はない。成績証明書には、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各セクションのバンドスコアと、総合評価としてオーバーオール・バンドスコアの計5種類のバンドスコアが示される。スピーキングは、面接官と対面式で行われることが大きな特徴だ。

また、大学など高等教育機関への留学を目的とする人のためのアカデミック・モジュールと海外での仕事や、移住を目的とした人のためのジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類がある。
ちなみに、海外の大学に留学する際には6.0以上のスコアを求められるのが一般的だ。
そのほか、IELTSの特徴やどんな人に向いているのかを、IDP:IELTS オーストラリアの前田剛さん、市川智子さんに聞いた。

(左)市川智子さん。IDP:IELTS オーストラリア 事業開発 日本統括責任者。大学時代にオーストラリアに留学し、大きな刺激を受ける。その後、再びオーストラリアに戻り、大学院に進む。卒業後、教育系企業、オーストラリア大使館主席商務官を経て現職。
(右)前田剛さん。IDP:IELTS オーストラリアIELTS業務管理 日本統括責任者。日本で6年間働いたのち、オーストラリア移住のためIELTSを勉強。2002年には永住権を取得し2007年よりIDPに入社。QLD州のオペレーション・マネージャーを経て現職。

英語力があるだけでは太刀打ちできないのがIELTS

――IELTSとはどのような試験なのでしょうか。

前田さん:まず、大前提として、IELTSは、Cambridge Assessment English, British Council,そしてわれわれIDP:IELTS Australiaが共同開発したで試験で、1989年より世界中で実施され、今日に至っては世界140ヵ国の1,200以上の会場で受験することができます。日本においては大学入試センターの発表として、試験を保有するわれわれをIELTSの実施主体、日本スタディーアブロードファンデーション(JSAF)、北九州予備校、公益財団法人日本英語検定協会(英検)のような公式テストセンターをIELTSの実施団体と呼んで区別しています。

市川さん:どんな試験か、受験をした経験者として言うと、「英語力があるだけでは歯が立たない、考える力が必要とされるテスト」と言えます。たとえば、スピーキングでは「AI(人工知能)の発展に対して賛成か反対か」、ライティングでは250ワード以内で自分の意見を踏まえたエッセイを書きなさいといった、日本語でも答えるのが難しい問題が出ます。英語力があっても自分の意見がなければ太刀打ちできません。

⇒サンプル問題はこちら!
https://ieltsjp.com/study-for-ielts/ielts-practice-test/

試験対策がそのまま海外生活に役立つのが最大の利点

――アカデミック・モジュールと、ジェネラル・トレーニング・モジュールがありますが、それぞれの違いは?

前田さん:アカデミック・モジュールは、専門学校を始め、海外の大学や大学院等で学ぶ場合に必要となる英語力が試される試験です。ジェネラル・トレーニング・モジュールは海外に移住したり仕事をしたりする上で必要とされる英語力が問われる試験です。

IELTSのよいところは、試験対策のための勉強が、即、海外での生活に役立つことです。私はIELTSの勉強していた当時、試験勉強がとても嫌だったのですが、海外移住という人生をかけた目標があったので集中的に勉強をしました。その後、オーストラリアで生活を始めた瞬間から、これまで勉強してきたことがすべて役立ったのです。駅のアナウンスやテレビのニュースから自分に必要な情報を聞き取る、諸手続きのために英文レターを書く、英語でビジネスの相手と交渉する……、これらは、IELTSの試験対策をする中ですべて学んでいたことだと実感しました。

市川さん:アカデミック・モジュールも同様です。海外の大学で、英語を母国語としない外国人が英語の講義についていくためには、大量の英語の情報の中から必要なポイントをしっかり聞き取る力が必要です。また海外の大学は課題が非常に多いことで知られていますが、大量の参考文献を読んで短時間で要点をつかみ、自分の意見をレポートにまとめなければなりません。ディスカッションも多いので、英語で意見を言うことを毎日のように求められます。これらの力も、IELTSの試験で問われるところなので、IELTS対策がそのまま大学生活に役立つのです。

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留学を視野に入れているなら、IELTSはおすすめの試験

――IELTSが、大学入試に採用されたことにはどのような意味がありますか? 高校生にとって、IELTSは最善の選択でしょうか。

前田さん:日本の英語教育は、長文読解や文法に偏っていて、実際に使える英語力が身につかない、4技能をバランスよく学ぶことが大切だと20年以上も前から言われてきました。しかし、大学入試が変わらない以上、高校・中学の英語教育は変わらない。ですから今回の大学入試改革により英語教育そのものが変わる、よいきっかけになると思います。

市川さんただし、正直言って、IELTSがすべての高校生に合っているとは言えません。IELTSは、やはり大学レベルで、英語で学ぶ力を測る試験ですので、ある程度の英語力がある方にお勧めしています。たとえば英検で2級くらいの英語力のある人が、次の目標として目指すにはよい試験ではないでしょうか。

前田さん:高校では、IELTSがどういう試験かよくわからないから、よりなじみのある試験を、学校やクラス単位で十把一絡で選択させている所も多い。それは賛成しません。生徒の中には、将来留学を考えている子もいるかもしれない。そういう子のためには、留学時の英語力の証明にも使えるIELTSの方が最適かもしれない。他の試験がよくないというわけではありませんが、留学のためと大学受験のためと、2種類の英語の試験対策をしなければならないとしたら負担が大きい。留学したい国によっては、IELTSのスコアが求められるということも知らない先生は多い。生徒のためにも、先生方にしっかり周知できるように我々もより一層の努力をしていく必要があると思っております。

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対策には、無料のオンライン学習コンテンツも

――IELTSの試験対策はどのようにすればいいのでしょう。先生はどういう指導をしたらいいのでしょうか

市川さん:ブリティッシュ・カウンシルなど、IELTS試験対策コースを持つ英会話学校があります。先生の指導については、これからの最重要課題と考えています。IELTSは試験問題の解答を公表していないので、先生方もどう教えたらいいかわからない。現在、先生向けのオンライントレーニングプログラムを無料で公開しています(https://ieltsjp.com/ielts-teacher-training-program/)。また今後は、先生方向けのワークショップを開催し、先生方の不安を解消し、IELTSを授業の中でも活かせるように支援できればと考えています。
そのほか、受験者向けに、無料の学習コンテンツも公開しています(https://www.youtube.com/user/IELTSEssentials)。

前田さん:ご家庭でもできることはあります。たとえば、日本語でいいので、会話の中で「あなたはどう思う?」と、意見を聞く機会を増やしてほしい。日ごろから考える習慣や自分の意見を言う習慣をつけることが、テスト対策になるだけでなく、将来、グローバルな世界でお子さんが活躍していくにあたっても、大きなアドバンテージになると思います。

IELTSについて

■試験時間
ライティング :筆記試験(時間:60分)
リーディング :筆記試験(時間:60分)
リスニング :筆記試験(時間:40分、解答転記時間10分含む)
スピーキング :面接試験(時間:11~14分)
※スピーキングテストはIELTSの世界的な規定により、筆記試験の前後6日以内に行われる
■受験料 25,380円(2019年10月現在)
■受験日及び受験会場文部科学省の「大学入試英語ポータルサイト」にて随時更新
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1420229.htm
■IDP:IELTS Australiaの「大学入学共通テスト」関連のIELTS情報https://ieltsjp.com/university-entrance-exam-test-dates/(2019年10月現在)

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執筆&編集:あの国で留学 編集部

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