TOEIC満点・英語上級になるには学習法を探さず育てろ!システム面と能力面での進化方法【TOEIC満点60回講師】

フリーランスTOEIC講師を経て、現在は「猛牛ちゃんねる」でTOEIC対策動画を配信するTOEIC YouTuberの加藤草平さん(またの名をJet Bull、猛牛)。この連載「TOEIC満点者の頭ン中」では、TOEIC満点を通算60回以上取得している加藤さんが、TOEIC満点レベル以上の英語力を獲得する方法を紹介します。第6回(最終回)は「自分にとっての最強の学習法の見つけ方」です。

結局、何が最強の学習法なのか

第3、4、5回の記事では、僕が実際に行ってきた学習法について 具体的に 書きましたが、世の中には多くの学習法があります。

さあこれから英語学習をしていくぞ、という学習者からすれば、「どれが最強の学習法なの?」と困惑してしまうくらい、多くの英語学習法がありますよね。皆さんも、「結局、どの学習法にすればいいんだろう」なんて迷ったことはありませんか?

でも、実はそんな迷いは無用です。なぜなら、 最強の学習法とは、自分に合わせて進化した学習法 だからです。

あらゆる学習法は、学習が進むにつれて、自分に合わせて進化します。どんな英語上級者も、初級者のころから一貫して同一の学習法を続けている人はいません。

▼第3回↓

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▼第4回↓

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▼第5回↓

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学習経験を積み重ねると、学習法は進化する

学習法は、学習を積み重ねることによって、学習者自身に合わせて進化していきます。

この進化には2種類あります。一つは「システム面の進化」、もう一つは「能力面の進化」です。

「システム面の進化」は学習者が意識的に行う もので、 「能力面の進化」は学習者が意識せずとも自然に起こる ものです。

この2つについて、例を出しながら 具体的に 説明していきます。

学習法のシステム面の進化

第3回の記事でおすすめの「単語暗記学習法」を書きましたが、これを例に取りましょう。

ざっくり言えば、このような単語暗記学習法を紹介しました。

(1) 単語を英英辞典で引き、定義と例文を読む

(2) 知らない定義とその例文をノートに書き写す

(3) その単語ノートを何度も見直す

でも、僕は最初から、この形でカッチリやっていたわけではありません。最初は市販の単語集だけを使って単語学習をしていたのですが、僕自身の学習が進むにつれて、この形に進化したのです。

どのように単語学習が進化したのか、順を追って説明します。

単語学習を始めたばかりのころは、単語集の中の知らない単語にマーカーを引き、マーカーを引いた単語だけを何度も復習するという方法を取っていました。

さて、復習を繰り返すうちに、マーカーを引いた単語の中にも徐々に覚えた単語が増えてきます。これは、覚えた単語とまだ覚えていない単語の両方にマーカーが引いてある状態です。

すでに覚えてしまった単語まで一緒に復習するのは効率が悪いのではないか、と考えた僕は、今度は「単語カード」を作って学習することにしました。単語集から知らない単語と意味(と例文)をカードに書き写し、それを復習するようにしたのです。カードであれば、「すでに覚えた単語」のカードを別にしておくことができます。

しばらくはこの形で学習を進めていたのですが、その後、「英英辞典を使いたい」と思うようになったのです。そこで、単語集の中にある知らない単語を英英辞典で引き、「定義」「例文」を単語カードに書くようになりました。

ところが、英英辞典の定義と例文をカードに書くというのは、スペースの問題で無理が出てきます。しばらくの間は小さい文字で頑張ってカードに書き写していたのですが、あるとき、カードにスペース上の限界を感じ、ノートに書き写すことにしました。

カードからノートに切り替えると、覚えてしまった単語も復習せざるを得なくなるというデメリットはあるのですが、スペース上の問題を解決できるというメリットの方が大きいと 判断 しました。そしてこの時点で、「自作の英英単語ノートを作る」という今の自分の単語学習法の基本形ができました。

ここまで、僕の単語学習は大きく3つの変化を遂げています。

(1) 市販の単語集→自作単語カード <媒体>

(2) 市販の単語集の意味・例文→英英辞典の定義・例文 <内容>

(3) 自作単語カード→自作単語ノート <媒体>

ここでは分かりやすくするために3つの変化と言っていますが、もちろん実際はもっと細かく変化しています。例えば、単語カード学習をしていた時期には、「カードはどのサイズが最も効率的か」「書き込むペンは何色が最も見やすいか」「表と裏にはそれぞれどんな内容を書くのか」など、 試行錯誤して、その時々で自分が最適だと思える学習法 を行っていました。

このように、「学習の効率をもっと上げるためにできることはないだろうか」と意識して試行錯誤し、 学習のシステムを変えていくと、徐々に自分のために最適化された学習法に進化 します。やっていることは、「ある単語とその意味を例文とともに覚える」という単語学習で、学習初期と全く変わっていないのですが、そのシステムはどんどん変わっています。

これが「システム面の進化」です。

もちろん、これは単語暗記についてだけではありません。「もっと効よく」と意識して試行錯誤すれば、あらゆる学習においてシステム面は進化していきます。

学習法の能力面の進化

英語学習を続けていれば、当然、自分の英語力そのものが上がっていきます。そして、 英語力が上がると、同じ学習をしていても、その中身が自然と変化 します。

これはシステム面の進化と違い、意識して何かを変えるものではありませんし、はたから見ても分かりやすい変化はありません。完全に同じ学習をしているように見えるのに、勝手に効率が上がるのです。

単語暗記で言うと、「単語を覚えるスピードが上がる」ということがあります。なぜ単語を覚えるスピードが上がるのか。それは、さまざまな 単語の知識が自分の中に蓄積し 整理 されることで、新たな単語も自分の知識の枠組みの中に組み込みやすくなる からです。

例えば、「replenish」という単語を、「replenish A with B」(AにBを補充する)という表現で覚えるとします。単語学習がまだあまり進んでいない状態でこれを覚える場合、「replenish A with Bは『AにBを補充する』だな」と単純に暗記するしかありません。しかし、単語暗記がある程度進み、この3つの表現を知っている状態であれば、どうでしょう。

fill A with B(AにBを満たす)

supply A with B(AにBを供給する)

provide A with B(AにBを提供する)

なんとなく使い方が似ていることから、「replenish A with Bも同じグループみたいなものかな」と覚えやすくなるはずです。

このように共通のパターンが分かってくることに加えて、「単語を覚えること自体への慣れ」「接頭辞・接尾辞の知識の増加」「語源知識の増加」など、単語を覚えるスピードが上がる要因はいろいろあります。そのため、学習を進めると、単語暗記の効率は上がっていきます。

単語暗記以外にも、英語力が上がることによる学習の 効率化 はあらゆる場面で起こります。 文法力が上がって長文読解のペースが上がるリスニング力が上がってシャドーイングの精度が上がる など、いくらでも例を挙げることができます。

これが「能力面の進化」です。

「システム面の進化」と異なり、こちらは意識しなくても自然に起こります。

「システム」と「能力」の進化は密接に関係する

学習法というのは、学習が進むにつれて、システム面と能面で進化するものなのです。

さらに、「能力面の進化」が起こることによって可能になる「システム面の進化」というのもあります。単語暗記の例を出すと、「単語集から単語を拾ってきていたのを、英語ニュースや海外ドラマから単語を拾うようになる」などがあります。初級の時点でいきなり「英語ニュース」「海外ドラマ」は難しいかもしれませんが、英語力が上がってしまえば、このような「システム面の進化」も可能になるのです。

今回はあえて「システム面」「能力面」に分けて説明しましたが、 この2つは密接な関係 にあります。

自分に合わせて進化させた学習法が最良の学習法

世間には数多くの学習法があります。僕がこの連載で書いたものだけでも3つ(第3回の単語暗記、第4回の多読多聴、第5回の音読トレーニング)あります。

でも、それらも含めたあらゆる学習法のうち「どれが効果的な学習法なのか」なんて、大きな問題ではないのです。

どんな学習法でも、意識的に「システム面」を進化させつつ継続すれば、時間とともに「能力面」が進化し、さらにまた「システム面」を進化 させることが可能になるという良いサイクルが生まれます。

そして、その「学習法の進化」が進んでいった 先に 、「自分に最適化された、最強の学習法」があるのです。

「誰にでも等しく効果のある最強の学習法」というものは存在しません。

大事なことは、 自分が「いいかも」と思えた学習を継続 すること。そして、それをどんどん自分のために進化させていくことなのです。

ちなみに 、こんなことを書いている僕ですが、もちろん今でも少しずつ自分の学習法は進化しています。感覚的には、 自分で、自分のための最強の学習法を常に育てている ようなものです。

ぜひ皆さんも、自分のための「最強の学習法」を育ててみてくださいね。

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加藤草平(Jet Bull、猛牛)
TOEIC YouTuber。TOEIC対策動画を配信する「猛牛ちゃんねる」でYouTuberとして活動中。YouTuberになる前はフリーランスTOEIC講師。TOEIC満点は通算60回以上 取得 、最高で40回連続満点を 取得 したこともある。書籍 『TOEIC(R) L&Rテスト プライム模試400問』 (アルク)を監修するなど、TOEIC教材の制作にも携わっている。

「猛牛ちゃんねる」: https://www.youtube.com/channel/UCv8HudXBy1Hyd-R2v1jqTvg

編集:GOTCHA!編集部

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