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TOEICに出る全ての単語を覚える方法※ただし簡単ではない【TOEIC満点60回講師の学習法】

TOEIC満点者の頭ン中

フリーランスTOEIC講師を経て、現在は「猛牛ちゃんねる」でTOEIC対策動画を配信するTOEIC YouTuberの加藤草平さん(またの名をJet Bull、猛牛)。この連載「TOEIC満点者の頭ン中」では、TOEIC満点を通算60回以上取得している加藤さんが、TOEIC満点レベル以上の英語力を獲得する方法を紹介します。第3回は「これをやればTOEIC満点が取れる単語習得法」です。

TOEIC満点者は、TOEICに出る単語を全部知っているのか?

前回は、TOEIC満点を取るために、そして英語を自由自在に使えるようになるためには、どういった「意識」を持って学習すべきなのか、について書きました。未読の方は下記リンクからどうぞ。

▼第2回はこちら↓

gotcha.alc.co.jp

この第3回では、TOEICに出る英単語を(ほぼ)全て覚えられる方法を紹介します。

時々、TOEIC学習者の方から、「満点を取っているということは、TOEICに出てくる単語で知らないものはないのですか?」と質問されることがあります。

満点取得者もいろいろですから、人によるとは思いますが、僕に関しては「ほぼない」と答えています。公開テスト1回につき、知らない単語は1、2個登場するくらいです。

さらに言うと、その「知っている」というのは、「登場した文の中できちんと意味を理解できるレベルで知っている」という意味です。この表現はちょっと分かりにくいと思うので、説明します。

知らない単語はないのに、英文の意味を理解できない理由

皆さんがある英文を読んだとします。その英文の中に「知らない単語」はありません。でも、なぜか文の意味が理解できない。仕方なく英文の日本語訳を見たら、ある単語が、自分の知っている意味とは別の意味で使われていることが分かりました。「この単語にはそんな意味もあったのか!」、こういうことって結構ありますよね。

例えば、appreciateという単語。普通は「感謝する」という意味で皆さん知っていますね。でもTOEICでは、appreciateが「(芸術などを)鑑賞する」という意味で登場することがあります。この意味でのappreciateを「知らない」人は多いですよね。はい、僕は「知っている」のです。

先ほど述べた「登場した文の中できちんと意味を理解できるレベルで知っている」というのは、このように「辞書に登場する単語の2つ目(や3つ目)の意味も、TOEICで登場する程度であれば知っている」という意味です。

長々とこんなことを書いて、まるで自慢しているようですが、別に自慢がしたいわけではありません。

出る単語を全部知っていれば、TOEICは簡単

皆さんは、「TOEICで知らない単語がない状態」ってどんな状態だか想像つきますか?「知らない単語がない」のであれば、TOEICなんて簡単だと思いませんか?その「TOEICで知らない単語がない状態」になりたくないですか?

この記事では、僕がどうやってこの状態に達することができたのか、つまりどうやって単語学習をしてきたのかを公開します。

ただし、「誰でもできる」とか「短期間でできる」とかいうわけではありません。

満点を取れる単語の暗記方法は超シンプル

僕が行った単語学習の方法は、至ってシンプルで、次の通りです。

(1) 単語を英英辞典で引き、定義と例文を読む

(2) 知らない定義とその例文をノートに書き写す

(3) その単語ノートを何度も見直す

これだけです。シンプルですよね。もう少し詳しく説明していきます。

(1) 単語を英英辞典で引き、定義と例文を読む

「単語暗記=単語集を使って覚える」というイメージを持っている方は多いと思います。僕自身も最初は市販の単語集を使っていました。

でも、市販の単語集を使っていく中で、「自分の知らない単語だけが載っているものの方が、復習効率が良いのではないか」と思うようになりました。市販の単語集には、自分がすでに知っている単語も当然載っていますよね。

「自分が覚えたい単語だけが載っているノートを作ろう」

こう思って、「単語を英英辞典で引く」ことにしました。

英和辞典でなく英英辞典を使おうと思った理由は、単純にその方が「英語を読む」時間が増えると考えたからです。

自分の知らない単語(=覚えたい単語)のピックアップに使ったのは、「SVL12000」です。「SVL12000」とは、1万2000個の単語を1000個ずつ、12のレベル別にリスト化したものです。

▼「レベル別語彙リストSVL12000」(アルク)はこちら↓

www.alc.co.jp

SVLのLevel 5くらいまでの単語の定義はほぼ全て知っていたので、Level 6からLevel 12までの7000個の単語を、一つ一つ英英辞典で引き、定義と例文を全て読みました

使ったのは、「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」という英英辞典です。 これは、英語を学習しているノンネイティブ向けの英英辞典です。

(2) 知らない定義とその例文をノートに書き写す

SVLの単語を「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」で引き、自分が知らなかった定義は、例文とともに全てノートに書き写しました

1つの定義につき例文が複数掲載されていた場合は、自分がノートを見直したときにその単語の意味を思い出しやすそうな例文を1つだけ選んで、書き写しました。

これを続けていくと、覚えたいもの(知らない単語の知らない定義とその例文)だけが集められた、自分専用の単語ノートができます。

毎日、20単語程度をノートに追加するくらいのペースで進めていきました。

(3) その単語ノートを何度も見直す

自作の単語ノートは、毎日少なくとも3回見直しました

復習するときは黙読です。最初に例文を読み、意味が分かれば次の単語に移ります。例文を読んで単語の意味が分からなければ、定義を確認します。

最初に例文を読むようにしたのは、その方が単語の意味を思い出しやすいからです。

といっても、毎日3回は見直していましたから、徐々に例文なしでも単語の意味を思い出せるようになりました。「例文なしでも大丈夫」と感じた単語は、その単語だけを見て意味を思い出す、というように、復習の形を変化させました。

このように、毎日、単語ノートを復習していると、1つの単語は大体1週間で覚えられます。

「このページの単語は確実に覚えた」と思ったら、そのページの復習は終わりにしていましたから、常に、過去1週間くらいにノートに書き込んだ単語を復習しているような状態でした。

これが、僕の行った単語学習です。この学習を集中して行ったのは約1年間で、最終的にこの単語ノートは30冊以上になりました。

やっていることはシンプルで、(1) 単語を英英辞典で引き、(2) 知らない定義と例文をノートに書き写し、(3) そのノートを見て復習する、です。

英英辞典で調べて書き写す単語学習のメリット

すでに述べた通り、この単語学習を始めた動機は、「自分の学びたいものだけが載っている単語集を作りたい」でした。

でも実は、この単語学習には、意図していた目的以上に多くのメリットがありました。主なメリットは次の3つです。

(1) 英単語の理解が進み、記憶に定着しやすくなる

(2) 英英辞典を使うことで、英語を読む量が増える

(3) 英文を書き写すことで、英語を瞬間的に記憶する力が伸びる

(1) 英単語の理解が進み、記憶に定着しやすくなる

単語を英英辞典で引き、全ての定義と例文を読むと、その単語がいったいどんな意味を持つのかの理解が深まります。

例えば、皆さんは市販の単語集を使って勉強しているときに、「なんで1つの単語に全く別の意味が幾つもあるの?」なんて思うことはありませんか?

英英辞典の定義を読み通すと、その理由が分かることがあります。日本語訳では全く別の言葉なのに、英語の定義を読んでみると実は意味が近い、ということが案外あるのです。

例えば、appreciateに「感謝する」と「鑑賞する」という2つの全く違う意味(日本語訳)がありますね。この2つには、「良いものを良いと認識する」という共通のイメージがあります。「感謝する」とは、「相手の良い部分や良い行いを認識すること」とも考えられますよね。「鑑賞する」とは、「作品の良さを認識すること」です。

英英辞典を読むと、「単語の根本イメージ」の理解が深まり、意味を覚えやすくなるのです。

(2) 英英辞典を使うことで、英語を読む量が増える

英英辞典は全て英語で書かれています。そのため、英英辞典を引いて定義と例文を読んでいるだけで、英語を読む量が増えます。

普通の単語集や英和辞典を使って学習するときには、「英語」と「日本語」に同程度触れて学習しますね。それを英英辞典に変えるだけで、「リーディング」の機会が増えます

正直なところ、「英単語の定義を英語で読む」というのは、慣れるまで楽ではありませんでした。でも、慣れるまでそんなに時間はかかりませんでしたし、慣れてしまえば全く大したことはありません。

英英辞典をしっかり使えば、「多読」の効果が得られます。

ちなみに、僕が英英辞典を使い始めた(この単語学習を始めた)のはTOEIC 730点を取ったころです。

(3) 英文を書き写すことで、英語を瞬間的に記憶する力が伸びる

定義と例文をノートに書き写すことで、英語を瞬間的に記憶する力が伸びます。

辞典の英語をノートに書き写す際、最初はいちいち1単語ずつ見て書くことを繰り返していたので、大変でした。でも続けるうちに、2単語、3単語と徐々に英語を長く記憶できるようになっていきました。

僕の場合は、この学習を始めて1年くらいで、長い文でも1文を丸ごと覚えて書き写すことができるようになりました

定義や例文をノートに書き写すことを繰り返していたら、英語を英語のまま瞬時に記憶する力が付いたわけです。

これは、英語を大量に書き写すことで、英文法などが感覚的に身に付いたためだと思います。

僕が行った単語学習にはこの3つの大きなメリットがあり、これらが自分の現在の英語力の基礎になっています。

時間が有り余っていない人のためのアレンジ単語学習法

さて、最初に書いたように、僕が行った単語学習は時間が異常にかかります。万人向けの方法ではありません(時間がある方にはぜひおすすめしたい方法ですが)。

僕が行った単語学習で時間がかかる原因のほとんどは、「定義と例文を手でノートに書き写す」という部分にあります。そこで、そこまでする時間がない方には、「定義と例文を手では書き写さない」という方法も考えられます。

例えば、オンラインの英英辞典で単語を調べて、それをワードやエクセルのファイルにコピペして単語ノートを作ることもできます。ただし、オンラインの英英辞典には英語母語話者向けの難しいものが多くあるので、注意が必要です。英語学習者向けの「Oxford Learner’s Dictionaries」などがおすすめです。

「定義と例文を手で書き写す」ことの主なメリットは、「英文法が感覚的に身に付き、英語を瞬間的に記憶する力が伸びる」ことです。これは言ってしまえば、「単語の記憶定着」にはあまり関係がありません。そう考えると、このステップは飛ばしても問題ないわけです。

時間短縮のためのアレンジは、他にもいろいろ考えられるかもしれません。ぜひご自身で工夫して試してみてください。

TOEIC満点の基礎力は、この単語学習のおかげで身に付いた

「英英辞典で単語を引いて、そこから自分専用の単語ノートを作る」

文字にするととてもシンプルなのですが、実際にやってみると多くの学びがあります。

細かい部分で言えば、「知っている単語を別の英語で言い換えられるようになる」「辞典には類義語や対義語も載っているので、複数の単語を関連付けて覚えられる」「語源の知識が付く」など、この記事で書いた3つ以外にもまだまだ多くのメリットがあります。

僕がTOEICで満点を取得して上級レベルに足を踏み入れることができたのは、この単語学習によるところが半分以上を占めています。

正直なところ、この学習「だけ」をやっていても、相当な英語力(例えばTOEIC満点くらい)を身に付けることができるはずです。

この単語学習は、英語力を上げたい方に本当におすすめです。いや、いきなりそこまでは・・・という方も、よければ1つ単語を英英辞典で引いてみて、定義と例文を読み通してみてはいかがでしょう。この方法の良さや、まずは英英辞典の良さが分かると思いますよ。

TOEIC学習ができるYouTube「猛牛ちゃんねる」

▼加藤草平さんがTOEIC対策動画を配信するYouTube「猛牛ちゃんねる」はこちら↓

www.youtube.com

加藤草平

加藤草平(Jet Bull、猛牛)
TOEIC YouTuber。TOEIC対策動画を配信する「猛牛ちゃんねる」でYouTuberとして活動中。YouTuberになる前はフリーランスTOEIC講師。TOEIC満点は通算60回以上取得、最高で40回連続満点を取得したこともある。書籍『TOEIC(R) L&Rテスト プライム模試400問』(アルク)を監修するなど、TOEIC教材の制作にも携わっている。

「猛牛ちゃんねる」:https://www.youtube.com/channel/UCv8HudXBy1Hyd-R2v1jqTvg

編集:GOTCHA!編集部