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イギリスのボリス・ジョンソン新首相の英語は聞き取りやすいの?発音の特徴は?

ジョンソン首相の英語発音

イギリスの与党・保守党の党首選でボリス・ジョンソン前外相が対立候補のジェレミー・ハント外相に勝利し、イギリスの首相に就任しました。これから(さらに何事かが起こらなければ)ブレグジット(Brexit、イギリスのEUからの離脱)のかじ取りをすることになった新首相が話す英語の発音には、どんな特徴があるのでしょうか?

イギリスの新首相ジョンソン氏の英語もやっぱりposh!

ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)前外相が保守党の党首選で勝利して行ったスピーチをニュースで視聴して、一瞬、「変わったアクセント?」と思って調べてみました。でも結局、同氏が話す英語はイギリスのエリートらしいRP(Received Pronunciation、容認発音)ということが分かりました。

RPはイギリス英語の一応の「標準発音」とされ、イングランド南部の教養ある階層の人々が使う発音として知られています。王族が話す「クイーンズ・イングリッシュ(Queen’s English)」もRPです。RPは「上流階級の、気取った」という意味のposhという言葉で形容されることも多いようです。

一瞬「変わったアクセント」に聞こえたのは、単にジョンソン氏の声のせいだったのかもしれません・・・。落ち着いて聞いてみたら、確かに歴代のイギリス首相と同じような発音で話していました。イギリス英語として一般的に学ばれている発音なので、慣れれば聞き取りやすいはずです。

ジョンソン氏はああ見えて(?)、名門私立イートン校とオックスフォード大学を卒業しているそうです。

▼ボリス・ジョンソン氏の保守党党首就任時のスピーチ動画

伝統的なRPで地域性のない発音

下のサイトでは、ロンドン市長時代のジョンソン氏の発音を、同氏の音声付きで解説しています。

▼記事「What do London’s mayors sound like?(ロンドン市長たちの発音はどう聞こえる?)」

pronunciationstudio.com

Boris speaks with a traditional RP accent and a strong sprinkling of Upper RP (posh). ... There is no hint of London or any other region in his accent.

ボリスは伝統的なRPのアクセントで話し、強いアッパーRPの気取った発音が少し交じっている。(中略)ロンドンや他の地域の発音の特徴は入っていない。

「What do London’s mayors sound like?」より

同じサイトの別の記事によると、「Upper RP」は、イギリスの貴族や名門校を思わせる上流階級の発音で、最大の特徴は、母音を発音するときに口の中の特定の部分を大きく使うことだそうです。

RPのイギリス英語を話す人は魅力的か?

下の記事では、poshなRPが魅力的に聞こえる理由を検証しています。どうやらそう聞こえてしまうのにはちょっとしたメカニズムが働いているようです。

▼記事「We asked a psychologist why people find posh accents attractive(ポッシュなアクセントが魅力的に聞こえる理由を心理学者に聞いてみた)」

thetab.com

So do people tend to think they’re attracted to the accent, not the actor?

—— Benedict Cumberbatch has lots of fans who think he’s attractive, and therefore the association with his voice is attractive — but there’s certainly nothing intrinsic about the accent itself. Otherwise you’d have to include other people in your description: Boris Johnson, for example.

人々は、(本当は俳優自身に引かれているのに)俳優ではなく、その人が話すアクセントに魅力を感じていると思ってしまいがちということですか?

――ベネディクト・カンバーバッチを魅力的だと思うファンは大勢います。そのファンたちは彼の声に関わるものも魅力的だと思っています。でも、彼のアクセント自体に魅力的な要因があるわけでは全くないのです。もしアクセント自体に魅力があるなら、ボリス・ジョンソン氏などの人たちも魅力的ということになってしまいますからね。

「We asked a psychologist why people find posh accents attractive」より

つまり、ボリス・ジョンソン氏は魅力的ではないということですよね?結構な言われようですね(笑)。

この記事の最後では、「アメリカ人がイギリス英語に夢中な理由」も書かれていますので、ぜひ読んでみてください。

イギリス国民の英語発音は多様なのに、首相の発音は一様

下の記事では、イギリスの首相が話す英語のアクセントは、国民のそれを反映してもっと多様であってもいいのではないかということが書かれているようです。

▼記事「In British politics, posh pronunciation reigns(イギリス政治はポッシュな発音が支配している)」

www.economist.com

The United Kingdom has a huge variety of accents. Each of the four constituent nations is diverse, and England (just the size of Alabama) is the most diverse of all. Yet later this month a new prime minister will be installed who — whether it be Jeremy Hunt or Boris Johnson — will sound much the same as every modern holder of that office: like a polished South-Easterner.

イギリス(グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国)ではさまざまなアクセント(の英語)が話されている。(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの)各国は多様で、中でもイングランド(ちょうどアラバマ州と同じくらいの大きさだ)が最も多様だ。しかし、今月下旬に就任する新首相は――ジェレミー・ハント氏であれボリス・ジョンソン氏であれ――近代の首相たちと同じような発音で話すだろう。つまり、洗練された南東部の人のように。

「In British politics, posh pronunciation reigns」より

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イギリス英語の「toff」ってどんな意味?

余談ですが、ジョンソン氏の英語の発音について社内のイギリス人スタッフに尋ねたところ、返事の中に「toff」という単語が出てきました。調べたら、toffはイギリスの口語で「上流階級の人」という意味だそうです。使う機会があるかは分かりませんが、一応覚えておこうと思いました。

He has the demeanour of a pleasant toff.

彼は感じのいい上流階級の人という雰囲気を漂わせている。

イギリス人スタッフのこの言葉の後にはもちろん「but」と逆の内容が続くのですが、その内容はここで紹介するのは怖過ぎるので、省略させていただきます(笑)。

Irene

文:Irene
ブレグジットはどうなるのか、ジョンソン首相は早々に辞めることになるのかなど、イギリスの迷走(?)から目が離せません。イギリスがEUから離脱してしまうのは、個人的にはなんだか寂しいです。