大阪サミット開催目前!G20が分かる6つの英単語・フレーズ

6月28、29日にいよいよ、日本が初の議長国を務めるG20大阪サミットが開催されます。アルクの英語学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』(EJ)7月号のテーマは「英語で時事問題にトライ」。G20 に関する時事英語の単語・フレーズを国際ジャーナリストの大野和基さんに解説していただきました。GOTCHA!ではその中から6つのキーワードをご紹介。G20 関連のニュースを英語でも読めるようになりましょう!

CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年7月号
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 雑誌

国際会議が英語で分かるキーワード

the chair country(議長国)

国際会議の議長を務める国のことを指し、単に chair と呼ぶこともあります。また、the host country(開催国)も同じ意味で使われます。

Japan served as the chair country for the G7 Ise-Shima Summit in 2016.日本は2016年のG7伊勢志摩サミットの議長国を務めた。

level (閣僚級会談)">a conference at ministerial level (閣僚級会談)

a ministerial- level conference とも言います。「会議、会談、会合」を意味する語にはmeeting もあり、外相同士の会合なら foreign ministers’ meeting、財務相同士なら finance ministers’ meeting などと表現します。an emergency/urgent meeting は「緊急会合」の意味です。

We will have a conference at ministerial level in three hours.3時間後に閣僚級会談がある。

G20大阪サミットの主要テーマが分かるキーワード

climate-fragility risks(気候脆弱性リスク)

まずは「気候 変動 」に関する話題からです。climate-fragility risks(気候脆弱性リスク)とは、国家及び社会の安全性に対して深刻な脅威を 引き起こす 可能性 のある、気候 変動 に関連したリスクのことを指します。2015年に G7 外相がシンクタンクに作成を 委託 した独立報告書では、「地域資源争奪」「異常気象と災害」「変わりやすい食糧価格と食糧供給」などがその例として挙げられています。

fragility の反対は resilience(強靭性、回復力)で、climate resilience は「気候 変動影響 からの回復力」のことです。干ばつやハリケーン、洪水などといった気象災害で大きなダメージを受けた耕作地を復旧することなどがこれに当たります。

The workshop will focus on the climate-fragility risks in Japan.そのワークショップでは、日本における気候脆弱性リスクに焦点が当てられるだろう。

general intelligence(汎用人工知能)">artificial general intelligence(汎用人工知能)

続いて、AI やロボット工学の分野です。AIに関するさまざまなニュースを見ない日はもはやなくなってきましたが、日々、研究が進む世界でこれから注目されるのが artificial general intelligence です。AGI と略されます。「特化型人工知能(Narrow AI)」という、特定の分野の知識を学習した人工知能に対して、「知識を応用して自己学習できる」汎用性の高い人工知能のことを指します。この技術が実現すれば、人間の知能を超えるのではないかと言われています。

Machines with artificial general intelligence ? the ability to perform any intellectual task that a human can ? are a common theme in science fiction novels.人間が取る知的行動のすべてを行う能力である AGI が搭載された機械は、SF 小説の共通のテーマだ。

property (知的所有権、知的財産)">intellectual property (知的所有権、知的財産)

続いては、国際的な貿易関係に関するキーワードです。これは一見、貿易には関係ない語のようですが、近年ではアメリカが中国に対して、知的財産権の侵害に対する制裁措置として、高い輸入関税をかけると発表するなど、国際貿易のニュースでも見掛ける表現となりました。国家間の諸問題は分野を越えて関連していることが分かります。

また、これに関連して技術などのデータを盗む cybertheft(サイバー窃盗)という表現も覚えておきましょう。

Two of the topics to be discussed at the summit are intellectual property theft and forced technology transfer .サミットで話し合われる2つの議題は、知的財産の窃盗と強制的技術移転だ。

transfer pricing (移転価格[操作])"> transfer pricing (移転価格[操作])

最後に、デジタル課税に関するキーワードです。 transfer pricing(移転価格[操作])とは、親会社と海外子会社などの関連企業間の 取引 で設定される輸出入価格のことを指します。 事前に 税務当局と企業の間で適正価格帯を相談しておくことで、実際の 取引 価格がその範囲であれば追徴されないという 仕組み を指します。この価格の操作により、国際的な脱税が可能であることなどが問題視されています。

世界を相手にビジネスする多国籍企業が増える中で、その会社の利益がどの国に属するかといったことも論点となっています。

Transfer pricing strategies are used by multinational corporations in the digital economy to reduce the effective tax rate imposed on their cross-border income.移転価格戦略は国境を越えた収入に対して課される実効税率を減らすため、デジタル経済の中にある多国籍企業によって使われる。

もっと知りたい、G20

EJ2019年7月号では、このほかにもG20の主要議題に関するキーワードをたくさんご紹介しています。mitigation and adaptationkiller robots、bilateral trade relations、arm’s length pricing・・・こういった言葉を、ぱっと聞いて意味が分かるでしょうか? 難しいと感じた方は、ぜひEJ本誌でチェックしてみてくださいね!

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大野和基(おおのかずもと)国際ジャーナリスト。1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業後、1979年渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。国際情勢や医療問題について精力的にリポートするとともに、世界の要人への単独インタビューを数多く成功させている。

『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明れいめい期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。

日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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