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41歳の通訳者が15年ぶりに英語学習を本気で半年やって気付いた5つのこと

通訳者が実践する英語学習法

通訳・翻訳者で、ベネディクト・カンバーバッチさんやエディ・レッドメインさんなどの通訳や英語インタビューも行う川合亮平さん。この連載「通訳者が実践する英語学習法」では、15年ぶりに本格的に英語学習を再開した川合さんに、日々、向上し続けるための方法を多方面から教えていただきます。第5回のテーマは「英語学習にまつわる5つの気付き」です。

英語学習を半年続けて分かったことがある

こんにちは、川合亮平です。

僕は思うところあり、昨年(2018年)の秋ごろから能動的な英語学習を約15年ぶりに再開しました。その背景にどんな動機があり、どんなツールを使ってどのように学習しているのかについては、「通訳者が選んだ学習法」という全3回の連載で書きましたので、ご興味のある方はチェックしてみてください。

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学習を再開してから現時点で半年ほどがたったわけですが、その中でさまざまな気付きがありました。

今回の記事では、学習を半年継続したからこそ見えてきた「知っておけば役に立つかもしれない知恵」をシェアさせていただきます。

まあ、あくまで「個人的にはこう思うよ」ということなので、どれだけ普遍性があるのか分かりませんが、現在学習中の方、これから学習を始めたい方、そして学習を(不本意ながら)やめた方へ、何らかのメッセージとなれば幸いです。

ちなみに、「英語学習」というくくりで書いていますが、内容としてはより広範囲の「大人が勉強することで得た気付き」という見方も可能だと思っています。

気付き1:ガッチリ決めよう、イツ・ドコ・ナンデ

一般的に、物事を継続するには「イツ・ドコ・ナンデ」をフィックスする(決める、確定する)のが効果的と言われており、僕も本当にその通りだと実感しています。

今回の僕の英語学習が続いているのも、この3つをガッチリとフィックスさせているのが大きな要因だと分析しています。

  • イツ:毎朝5時半ごろ~6時半ごろ
  • ドコ:居間にあるダイニングテーブルの僕の指定席(僕は「自分の部屋」「自分の机」というものを持っていません、今のところは)
  • ナンデ:(これに関しては複数あるのですが、まあ簡単に言うと)自分がイメージする英語力を手に入れるため

ちなみに、過去2年以上、毎月100キロメートル以上を目安としたジョギングも継続中なのですが、これに関しても習慣化成功の要因は、イツ・ドコ・ナンデのフィックスだと実感しています。

継続するにはとにかく根性とか忍耐力とかが必要なんだと、もしかしたら世間一般では信じられている傾向があるかもしれません。でも、根性も忍耐も持ち合わせていない僕は、そうではなく、どれだけ戦略的にシステムを構築できるかが鍵になると思っています。

そして、そのシステムの一端を担うのが、「自分にとって都合の良いイツ・ドコ・ナンデをとにかく要領良く『決める』こと」だと思っているのです。システムさえ構築してしまえば、あとはそれに「乗るだけ」というイメージです。できるだけ意志や努力に頼らないように努力するが勝ち、とも言えます。

継続にはシステム作りが大切で、努力・忍耐・根性に頼るべきではない、というのが持論です。

気付き2:自分の間違いを自分で認める(そして前進する)のが大切

学習効率を俯瞰(ふかん)で観察し、機能していない部分は潔く機能していないと自分で認めて切り捨てること。このように、常にカイゼンしながら継続していくのがとても大切だと改めて実感しています。

多少大げさに書くと、「自分の間違いを自分で認める」ということですね。

とはいえ、実力もないのに変なプライドばかり高い厄介な性質を持っている僕には、これがすごく難しい。一度やり始めた方法なり考えなりを変えない方が絶対的に「楽」ですから。

だけど、背に腹はかえられない、というか、変なプライドや過信のおかげで英語力アップの効率が下がったら元も子もないので、その優先順位を常に自分にリマインドしながら、日々フレキシブルな態度を心掛けています。

だから、昨年の秋に学習を始めたときのアプローチと今のアプローチ、だいぶ違ってきていますよ(もちろん今の方が進化している、と思いたい)。

気付き3:常に自分を奮い立たせよう

学習に対して意欲的な気持ちを奮い立たせるために、できるだけ毎日、呪文を唱えるようにしています。マラソンランナーが適宜、給水するようなイメージです。意欲的な気持ちで取り組んだ方が学習効率は絶対的に上がるし、呪文ってやっぱり定期的に唱えないと忘れるんですよね。

「いや、川合さん、さっきから呪文呪文って、一体、何の話されてるんですか・・・」と思っていらっしゃる方、すみません。呪文とは、平たく言うと、自分を奮い立たせる言葉、または、英語学習の理由を自分にリマインドさせる言葉のことです。

僕は「reminDO」というアプリを日々の学習に活用しているのですが、そこには英文や英単語、英語表現に加えて、それらの呪文も入れるようにしています。

One step at a time.

一歩一歩確実に。

Persistent people always get a break.

コツコツ続ける人は必ずチャンスを得る。

こういった、「学習することで目標に一歩ずつ近づいているんだ」「よし、やるぞ」と、フツフツとやる気が湧き上がってくる呪文です。これらは僕にとって、日々の学習を進める上で、いや、日々生きていく上で、とても大切な要素になっています。

気付き4:自分の状態の定点観測ができる

これは、僕が41年間生きてきて、「へー、こういうことがあるんだな」と割に目からうろこだった現象です。

前述したように、僕の学習は原則的にイツ・ドコが決まっているので、ほぼ毎日、決まった時間に、決まった場所で、同じメニューの学習をしている訳です。すると、それが定点となって、毎日変化する自分の肉体的・精神的調子が、とてもクリアに感じられるようになりました。

具体的には、日々の集中力の変動がよく分かるようになりました。そういうことが自分の中で明らかになると、「なぜ昨日は集中力が高く、今日は甚だ散漫なのか?」という自分への問い掛けが可能になります。

その結果、「前の晩、お風呂にゆっくり入った方が、朝の学習は集中できるな」とか、「夜8時ごろ、あれだけ白いご飯を食べたら、ちょっと体調に響きますね」など、生活習慣を見直すきっかけを得やすくなりました(だからと言って、夜8時の大食いをすぐにしなくなるかというと、まあそれはまた別の問題なのですが)。

このことは僕にとって、日々の学習から得られる小さくない副産物だと思っています。

気付き5:頭が良くなる

「魚を食べると頭が良くなる」という、魚にとっては耳をふさぎたくなるようなすてきなヒットソングが昔ありましたが、頭が良くなる要因は、魚を食べる以外にも数多くありますよね。

その一つが、「頭は使えば使うほど良くなる」だと思います。確固たる証拠を提示しなさいと言われると困ってしまうのですが、古今東西の少なくない数のリサーチで示されていることですし、人間の物理的メカニズムというのは筋トレしかり、おおむねそういう構造になっていると、「人間」の僕としては体感しています。

何が言いたいかと言うと、これまで半年間、学習を続けてきた僕は、学習が日課でなかった昔と比べて、頭の冴え(さえ)を実感しているんです。具体的には、「あれ、なんやったっけ、名前がココまで出かかってるけど口から出てこない」みたいな現象が激減しました。それと、物事一般をより論理的に考えられるようになりました。

そして、これは「学習成果」の範囲に入るかもしれませんが、朝しっかりシャドーイングをすると、明らかに、その日の滑舌が良くなり、言葉が出やすくなるのも実感しています。

百歩譲って、これまでの半年間で英語能力の進歩が全くなかったとしても、脳みそを刺激した分だけ(脳みそに負荷をかけた分だけ)は、脳には進歩があったと感じているので、今は「とにかく良かったです」「大人の勉強、最高です」という気分です。

具体的な学習での気付き

もう少し細かい学習上の発見を最後に紹介すると、

  • 洋書は、難しくて歯応えのあるものを読むよりも、英語レベルがやや簡単と思えるものを読む方が、英語力に還元されやすい。そして、洋書を毎日コツコツ読んでいくのは、地味だけど非常にパワフルな英語力アップのアクションである。
  • やっぱり「BBC Learning English」のアプリが良い。実践でバンバン出てくる語彙・表現がてんこ盛りで登場する素材。こういうのを「使える」教材と言うのだろう。

というようなことが挙げられます。まあ、あくまで個人的実感なんですけどね。

今回は半年間の報告でしたが、もう半年、つまり1年継続すればまた違った景色が見えるのかなと想像したりしています。そしてそういう想像が、今後も継続していくための小さくない力になっています。

では、次回の記事(最終回)もお楽しみに!川合亮平でした。

川合亮平さんが英語学習セミナーを開催!

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川合亮平

文:川合亮平(かわい・りょうへい)
通訳・翻訳者。最近の通訳実績はエディ・レッドメイン来日イベント(OMEGA主催)、TBSドラマ『グッドワイフ』制作会議など。関西のテレビ番組で紹介され、累計1万部を突破した『「なんでやねん」を英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・監修書は現在9冊。イギリス現地の観光・エンタメ・文化情報を伝えるジャーナリストとしても活動中。

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編集:GOTCHA!編集部/トップ画像の写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)