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読めば賢くなれるかも?「シャーロック・ホームズ」の原文に挑戦!

読めば賢くなれるかも?「シャーロック・ホームズ」の原文に挑戦!

冷静沈着、頭脳明晰。どんな難事件でも解決してしまう天才。それが名探偵、シャーロック・ホームズです。2019年5月、その「ホームズ」シリーズの作者、コナン・ドイルの生誕から160年を迎えます。この機に、ぜひシャーロック・ホームズの世界を原文で味わってみませんか?同作をすべて自力で日本語訳し、公開している寺本あきらさんがその魅力をなどを教えてくださいました。

[音声DL付]ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年6月号 ?英語学習・英語リスニングのための月刊誌 [雑誌]

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  • 作者: アルク ENGLISH JOURNAL 編集部
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2019/05/07
  • メディア: Kindle版

「シャーロック・ホームズ」とは?

シャーロック・ホームズは、アーサー・コナン・ドイルの小説、長編4作、短編56作に登場するキャラクターで、英語では名探偵の代名詞ともなっているほど、有名な存在です。

ホームズのモデルとなったのは、エディンバラ大学の外科医、ジョセフ・ベル教授で、ドイルが大学生だった頃、ベル教授は患者の身体的特徴から職業・経歴をズバリと言い当てたと言います。同じ離れ技は、ホームズのエピソードとしてよく使われています。

ホームズの小説は、ジョン・ワトソン医師という友人の目撃談として書かれていますが、描写にリアリティーがあり、ノンフィクションと勘違いした読者からの手紙が、ベイカー街221B(作中におけるホームズの下宿先の住所)に数多く舞い込んだそうです。

「シャーロック・ホームズ」シリーズがヒットした背景には、産業革命に伴う急激な人口増大によりロンドンの治安が非常に悪化したという点があり、最初の長編『緋色の研究』が出版された次の年(1888年)には、女性が鋭利な刃物で切り刻まれる「切り裂きジャック事件」が起きました。

当時、この猟奇的連続殺人を前にして、それを食い止めることも、犯人を検挙することもできなかったロンドン警察の無能さが厳しく批判されることとなりました。あらゆる謎を確実に解決できる人物を望む気持ちは、現在とは比較にならないほど切実だったかもしれません。

作者コナン・ドイルってどんな人?

「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者、アーサー・コナン・ドイルは1859年、エディンバラに生まれました。子どもの頃から母親に騎士物語を聞かされ、近所の図書館から貸出制限を受けるほど本を読んで育ったそうです。17歳でエディンバラ大学医学部に進み、医師を目指す傍ら、出版社に小説を投稿していました。

1887 年にシャーロック・ホームズを主人公とした最初の小説『緋色の研究』が出版されますが、このときは大きな話題にはなりませんでした。1891年7月から月刊誌「ストランド・マガジン」にホームズの短編作品が連載されると、たちまち大人気となった一方で、ドイルは歴史小説こそ自分の本分と考えていたため、24 作目『最後の事件』で、ホームズをスイス、ライヘンバッハの滝つぼに転落させ、強引に連載を終了してしまいます。しかしそれでもファンの熱望はやむことがなく、ドイルはホームズの連載を続けることになりました。

彼の執筆活動は多方面にわたり、歴史小説『マイカ・クラーク』、SF 小説『失われた世界』など、多くの作品が人気を博しました。1930年、71歳で亡くなりました。

「緋色の研究」に挑戦しよう

「シャーロック・ホームズ」シリーズ最初の小説は A Study in Scarlet(緋色の研究)です。この作品でホームズとワトソンが出会い、同居することになります。

ホームズといえば、莫大な知識をもち、頭脳明晰なイメージがあります。しかし、ワトソンはホームズの知識の範囲があまりにもいびつなことに驚きます。ある日、ホームズが太陽系について無知だと知って、ワトソンが言葉を失ってしまうシーンが描かれます。ここでのホームズの弁明は、彼らしさに満ちています。

I consider that a man’s brain originally is like a little empty attic, and you have to stock it with such furniture as you choose. [中略]It is a mistake to think that that little room has elastic walls and can distend to any extent. Depend upon it there comes a time when for every addition of knowledge you forget something that you knew before. It is of the highest importance, therefore, not to have useless facts elbowing out the useful ones.

(僕は人間の頭脳はもともと小さな空っぽの屋根裏部屋みたいなものだと考えている。そして、そこに選んだ家具を備え付けていかなければならない。[中略]屋根裏部屋の壁に弾力性があって、少しでも膨張すると考えるのは間違いだ。そう思っていると、知識を蓄えるたびに元から知っていた知識が追い出されるときがやって来る。だから、無用な知識が有用な知識を追い出さないようにすることが、何より重要なのだ)

さらに彼はこう続けています。

If we went round the moon it would not make a pennyworth of difference to me or to my work.

(もし地球が月の周りを回っていようと、僕にも僕の仕事にも何ひとつ変わりはないはずだ)

ホームズによる、この畳みかけるような言葉の数々を、ぜひ原文で味わってほしいと思います。

「まだらの紐」など有名作にも挑戦しよう

ENGLISH JOURNAL2019年6月号では、このほかにも「シャーロック・ホームズ」シリーズの中から、特に有名で人気のある「ボヘミアの醜聞」「バスカヴィル家の犬」「まだらの紐」などの一部分を日本語訳、語注つきで読むことができます。

まずは作品の空気を少し味わい、ぜひ、全編読破に挑戦してください。

[音声DL付]ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年6月号 ?英語学習・英語リスニングのための月刊誌 [雑誌]

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  • 作者: アルク ENGLISH JOURNAL 編集部
  • 出版社: アルク
  • 発売日: 2019/05/07
  • メディア: Kindle版

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寺本あきら
高校時代からシャーロック・ホームズの原文を読み始め、2008年に全作品の邦訳サイト「コンプリート・シャーロック・ホームズ」を公開(https://221b.jp/)。現在「ストランド・マガジン」を再現した「ストランド版・シャーロック・ホームズ」を企画出版中。