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Huluの字幕で英語力をアップする方法

Hulu

海外のテレビ番組は、語学上達には欠かせないアイテムの一つです。最近は動画配信サービス(VOD、Video On Demand)がとても安価で契約できる上に、さまざまな番組を配信しているので、これを活用しない手はありません!英語字幕が充実している VOD「Hulu」を使った英語学習法について、詳しく紹介します。

以前の記事では、英語力アップにおすすめの VOD、dTV U-NEXT の海外ドラマなどのコンテンツをご紹介してきました。

今回は、課金やレンタル作品がなく毎月定額を払えばすべてが見放題になる、世界最大級の VOD、Hulu を紹介します。

Hulu とは?

Huluは、2008年にアメリカでスタートした定額動画配信サービスで、日本には2011年に参入しました。その後、2014年に日本市場のサービスは日本テレビが引き継ぎ、現在に至っています。そのため、Hulu のオリジナルコンテンツのほかに、日本テレビ系の番組などが見られるのが特徴です。

特筆すべきなのは Hulu 制作のオリジナル・コンテンツ。例えば、「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」(The Handmaid’s Tale)は、2018年ゴールデングローブ賞(アメリカにおける映画とテレビドラマに与えられる賞)のテレビシリーズドラマ部門で作品賞と主演女優賞を受賞し、第69回エミー賞(アメリカ放送界のテレビ部門における賞)でも主要部門を制覇しました。Hulu のオリジナル・コンテンツは、米大手テレビ・ネットワークに負けず劣らず質の高い作品が多いのが特徴です。

なお、以前の Hulu では動画をPCやスマホにダウンロードすることができず、インターネットに接続しながら再生する、ストリーミング再生で視聴するしか選択肢がなかったため、Wi-Fi 環境がないところで見るとデータ量が大変なことになっていました。でも現在は25本までダウンロードが可能ですので(できない作品もあります)、自宅など Wi-Fi 環境がある場所でダウンロードしてから外出先で楽しめます。 

他の動画配信サービスとの違い

Hulu は月額933円(税別)を払えば、海外映画やドラマを含む作品5万本がすべて見放題になります。先に書いたとおり、レンタルや課金という考えはありません。余計なお金を使ってしまうことがなく安心ですね!

見放題のコンテンツには、「リアルタイム配信」も含まれています。Hulu はこのリアルタイム配信が充実しているのが、他の動画配信サービスと大きく違う点です。リアルタイム配信とは、従来のテレビ局のようにあらかじめ決まった時間に、動画が配信されるサービスです。

特にニュース系が充実しており、英国公共放送の BBC ワールドニュース、アメリカのCNN、日本の日テレ NEWS24があります。海外で何か大きな事件や事故があったときに、BBC や CNN は日本の地上波と比べると情報がかなり速く、リアルタイムで見られる強みを発揮します。また、リアルタイム配信で見られるチャンネルでは、日本ではあまり取り上げない話題が深掘りされたり、興味深いテーマのドキュメンタリーが放送されたりするので、世界情勢に興味がある人には大きな情報源となるでしょう。

リアルタイム配信はニュースの他にも、FOXチャンネル(米国ドラマやバラエティ番組)、ナショナルジオグラフィック(ドキュメンタリー番組)、MTV Mix(音楽、ドラマ、リアリティ番組)、ヒストリー(ドキュメンタリー番組)、ニコロデオン(幼児向け番組)、Baby TV(幼児向け教育番組)、ピックアップHulu(海外ドラマやオリジナル番組) があります。

少し前まではリアルタイム配信はパソコンかスマートフォンのアプリからしか見られなかったのですが、現在は Apple TV や Chromecast のようなデバイス、テレビでも見られるようになりました。

なお、Hulu を初めて利用する人は、2週間無料でお試しができます。自分の好みにあった作品があるか、まず試してから決められるので安心です。

Hulu で英語を勉強するメリット

dTV や U-NEXT など、さまざまな VOD がありますが、英語力アップを目的に使うという視点から選ぶとしたら、筆者が個人的に一番おすすめするのは Hulu です。

最大の理由は、やはりアメリカ発のサービスということもあり、英語字幕が付いている作品が多いこと。

前回の記事で少し触れましたが、英語圏発のサービスの場合、聴覚障がいがある人のために英語の字幕が付いている作品が多くあります。日本の「字幕放送」のようなもので、英語ではこれを「Closed Caption」と呼びます。視聴者が字幕を表示するか否かを選べるもののことで、略して「CC」と表示されることもあります。一方で、あらかじめ画面に付いていて視聴者が表示の有無を選べないものを「Open Caption」と言います。

日本で展開している VOD で日本語字幕が付いているものはこの Open Caption が多く、そのため字幕を消せないことが多いようです。でも Hulu の場合は、「日本語字幕」「英語字幕」「字幕非表示」を視聴者が選べる、つまり Closed Caption の作品が多くあります(中には字幕を消せない Open Caption の作品や英語字幕がない作品もあります)。

CC の場合、聴覚障がいがある人も作品を楽しめるように作られているので、せりふ以外の音情報も字幕で表示されます。例えば主人公が走った後ではぁはぁと息を切らしているシーンでは、英語で[PANTING]などの説明が、また例えば遠くで犬が吠えているシーンでは[DOGS BARKING IN DISTANCE] などとカッコ書きで表示されます。そのためせりふ以外でもこういった語彙や表現力を覚えられておもしろいものです。

英語字幕がある作品を探すには、「海外ドラマ・TV」のページへ行き、スクロールダウンしていくと「海外ドラマを英語字幕で楽しむ」というカテゴリーがあるので、そこをクリックしてください。「フレンズ」のような定番作品や「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」などの話題作がそろっています。

Hulu で英語を勉強するデメリット

う〜ん、Hulu を英語力アップに活用する場合のデメリットがすぐに思い浮かびません・・・。強いて言うなら、中には英語字幕が付いていない作品もあること、字幕を消すこと自体ができない作品もあること、吹き替え版しかない(つまり英語音声で見ることができない)作品もある、ということでしょうか。それにしてもこうしたものは他の VOD と比べると Hulu はかなり少ないはずです。

Hulu を使って英語力をつけよう!

それでは、英語力をアップするためには Hulu をどう活用すればいいでしょうか。まず、せっかく英語字幕が充実しているので、これを使わない手はありません。英語力、特にリスニングにまだあまり自信がないと言う人は、先に説明した Hulu の「海外ドラマを英語字幕で楽しむ」カテゴリーにあるドラマから始めてみましょう。以前の記事に書いたとおり、最初は気軽に見られる作品を選ぶのがポイントです。

英語字幕でドラマを見る際には、文字ばかりを追ってしまわないように気を付けましょう。スピードが速くて文字がたくさん出るため、つい字幕ばかり見てしまうかもしれません。でもそうなると、耳からせりふも入ってこなくなってしまうし、ストーリーに付いていけなくなってしまいます。

そんなときには、字幕を追って無理にストーリーをすべて把握しようとするのではなく、できる限り字幕ではなく音(せりふ)から話を把握するようにしましょう。そして分からない表現、単語、聞き取れなかったせりふがあったときに、画面をタップすると10秒づつ前に戻せるマークが出てくるので、分からなかった場所に戻り、字幕を確認し、必要であれば辞書を引く、という感じで進めていった方がよいでしょう。英語字幕を使っているからといって、文字ばかりに頼らない方がドラマ自体も楽しめるし、リスニング力を鍛えることもできます。

 

英語が初級レベルの人におすすめ

ペッパピッグ(Peppa Pig)

英語のリスニングにも語彙力にもまだあまり自信がない・・・という人には、実は英語字幕付きの海外ドラマやドキュメンタリーの前に試してもらいたいことがあります。それは、子ども向けのアニメを見ること。

子ども向けのアニメは、当然ながら難しい政治や経済の話は出てきません。子どもにも分かる語彙(ごい)でゆっくりとストーリーが展開します。そのため、英語にまだ自信がないという人にもとても分かりやすい作品が多いのです。「理解できた」という達成感を味わうことができるのでおすすめです。

一般的に、子ども向けのアニメは子どもが楽しめるように吹き替えになっている作品が多いのですが、Hulu ではペッパピッグが英語版と日本語版の両方、用意されています。

「ペッパピッグ」はイギリスで2004年に放送が始まった子ども向けアニメです。世界180の国と地域で放送されているほどの人気を誇り、アメリカの子どもたちがペッパピッグの影響でイギリス英語のアクセントで話すようになった、なんていうニュースが報じられているほどです。

主人公は4歳の子ブタの女の子、ペッパピッグ。マミーピッグとダディピッグ、そして弟のジョージピッグと一緒に暮らしています。ペッパピッグの日常をほんわかと描く作品で、長さは1エピソード6分ととても短いのが特徴です。

1つ注意が必要なのが、作品には日本語字幕も英語字幕も付いていないという点です。分からない単語が出てきたら、何度も聞いてつづりを想像しながら辞書をひいて正しい単語を探してみてください。前の記事にも書いたとおり、こうすることでリスニングとスペリングに強くなります。どうしても分からなかったら、同じエピソードの日本語版を見て答えを探しましょう。

 

グリー(glee)

2009〜2015年にアメリカで放送された青春ドラマ。架空の学校ウィリアム・マッキンリー高校の合唱部が舞台です。日本でも大ヒットしたので、大好き!という人も多いと思います。Huluでは英語字幕でも楽しめるので、すでに全エピソード見終わっている人も、英語力アップを目指して改めて英語字幕や字幕非表示で見てみてください。

 

英語が中級レベルの人におすすめ

BBCワールドニュース

リアルタイム配信で見られるBBCワールドニュースでは、ニュースやドキュメンタリー、トラベル番組、情報番組などを放送しています。英語レベルが中級以上で、さらに磨きたいという人にはどの番組もおすすめです。

BBCワールドニュースはオリジナルの英語版と日本語同時通訳版があり、英語版ではほとんどの番組で英語字幕が付いています(付いていない番組もあります)。日本語同時通訳版の方は、同時通訳が付かない時間帯は日本語字幕で楽しめることもあります(通訳も字幕もつかない時間帯もあります)。同じ番組が一定期間何度も再放送されるので、英語に自信がない人は日本語版で見てから再放送で英語版を見る・・・ということもできます。

BBCワールドニュースは中級レベルの人だけでなく、英語が上級レベルの人も活用できます。上級レベルの人には、1時間おきに放送されるニュース番組をおすすめします。世界で何が起こっているかを知りながら時事に関する語彙を増やせます。

プロのナレーターが台本を読むドキュメンタリーと違い、記者が現地から伝える様子やインタビューなどが含まれるため、必ずしも分かりやすい英語ではない場合もありますが、臨場感あふれる生の言葉から学べる醍醐味(だいごみ)があります。

またこうしたニュースやドキュメンタリーを見て学べるのは、言葉だけではありません。世界で起こっていることについて、自分の頭で考え、自分の言葉で意見を主張するというのは母国語でも難しいものです。

こうしたニュースやドキュメンタリーを見て、その問題について自分が何を感じるのか、どう考えるのかを、番組で学んだ語彙を使いながら英語で考えて言葉にしてみる練習をするのも大切だと思います。

 

キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿(Castle)

2009〜2016年アメリカで放送の、クライム・ドラマです。主人公のリチャード・キャッスルは人気の小説家。自分の小説を模倣した殺人事件が発生したことがきっかけで、ニューヨーク市警の殺人課で捜査の協力をすることになります。事件解決後も、事件を担当していたケイト・ベケット刑事のもと、リサーチ目的でキャッスルは捜査に同行します。

Hulu では「コメディー」のカテゴリーにはありますが、大笑いしてしまうシーンがあるわけではありません。とはいえ軽いタッチで描かれているので、重たい作品でもありません。

英語の字幕も出せるので、せりふのスピードに付いていけない場合は日本語の字幕と英語の字幕をうまく使い分けながらストーリーを楽しんでください。

 

英語が上級レベルの人におすすめ

メンタリスト(The Mentalist)

アメリカで2008〜2015年に7シーズン放送されたクライム・サスペンスです。メンタリストという言葉は、今や日本でもすっかりおなじみになりました。この作品でも、主人公のパトリック・ジェーンは人の心理を読んで相手を巧みに操る特技を持ちます。この能力で、かつては死者との交信ができるとして詐欺をしていましたが、番組ではその後CBI(カリフォルニア州捜査局)にコンサルタントとして協力するようになってからのジェーンを描いています。

クライム・サスペンスということで、番組自体を楽しむためには英語ばかりに集中するのではなく話をしっかりとフォローしていく必要がありますが、英語の字幕が付いているのでうまく活用しながら楽しんでください。

 

ウェントワース女子刑務所(Wentworth)

2013年にオーストラリアで始まった番組で、現在も放送が続いています。日本ではどのVOD でもオーストラリアのドラマが少ないようなので、貴重な1本です。

自分を虐待していた夫を殺害しかけたことで刑務所に収容されたビー・スミスを中心に、刑務所での派閥争いや人間ドラマを描いています。オーストラリアで1979〜1986年に放送されていた人気ドラマ「Prisoner Cell Block H」の現代リメイク版で、オーストラリアのエミー賞と呼ばれるアステラ賞などを受賞しています。

話自体は難しい語彙などはそれほどないのですが、オーストラリア英語な上にかなり「ラフ」な言葉遣いも多いので、聞き取りが難しい場面も多々あります。でも英語字幕が出せるので、うまく活用してオーストラリア英語の発音や表現に触れてみましょう。

 

まとめ

これまで紹介した動画配信サービスの中でも、Hulu は「日本語字幕」「英語字幕」「字幕非表示」が選べる作品が多いため、海外のテレビ番組を見ながら英語力アップを目指す人にぴったりのサービスです。

リアルタイム配信、特にニュース番組が充実しているのも特徴なので、時事表現をたくさん覚えて、世界情勢について英語で語れるようになる自分をイメージしながら楽しんでください。

 

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文:松丸さとみ

フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員として英国・ロンドンで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。https://sat-mat.blogspot.jp/

編集:GOTCHA!編集部