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IELTS(アイエルツ)とは?試験概要:海外生活を疑似体験できる世界標準の英語テスト

IELTS入門

IELTS(アイエルツ)は、世界140カ国、1万以上の機関で認定されている、英語4技能テストです。世界で年間350万人以上の受験者が、留学、移住、就業のために受験しています。TOEICよりなじみがないかもしれませんが、4技能をバランスよく磨くことができる、実用的な試験です。ビジネスだけでなく日常生活やアカデミックな場での英語に関心が高い人にもおすすめ。この連載では、IELTS一筋20年のエキスパートが「IELTS入門」をお届けします。

※IELTS対策の記事はこちら。

IELTS対策:リスニングとリーディング~エキスパートが教える試験の内容、対策、サンプル問題、採点方法

IELTS対策:ライティングとスピーキング~エキスパートが教える試験の内容、対策、サンプル問題、採点方法

世界レベルの英語テストIELTSとは?

こんにちは、Don Oliver(ドン・オリバー)です。20年以上IELTSテストに携わり、世界各地であらゆる英語レベルのIELTS対策コースを考案、実施してきました。

この連載では、IELTSについて分かりやすく説明します。第1回では、「IELTSとはどんな試験か?」という疑問にお答えしますよ。

世界中で受験されている国際的な4技能試験

IELTS(アイエルツ)とは、「International English Language Testing System」の略です。このテストは、英語教育、言語研究の分野で世界をリードするIDP: IELTS Australia(IDP:IELTS オーストラリア)、Cambridge English Language Assessment(ケンブリッジ大学英語検定機構)、British Council(ブリティッシュ・カウンシル)の3団体が共同開発しました。4つの英語スキル(聞く、読む、話す、書く)を測るものです。

年間350万人を超える受験者が、世界中にある1100以上の試験センターでIELTSを受験しています。IELTSは世界で最も権威があり、広く認知されている英語試験だと言えるでしょう。

IELTSは、アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、およびイギリスを含む英語圏の国々に留学、就労または移住を希望する人々の英語力を測定することを目的として考案されたテストです。世界140カ国以上の1万を超える大学、企業、職能団体、移民局、その他の政府機関などで認定され採用されています。*1

日本国内では、2つの実施主体、IDP: IELTS AustraliaとBritish Councilが試験を運営しています。日本では現在、年間約4万人が受験しています。

IELTSの特長4つ

IELTSには次のような特長があります。

特長1:受験しやすい試験日程

IELTSは、140以上の国で、1カ月に最大4回実施されています。通常、土曜日や日曜日に行われます。試験会場は、下記のウェブサイトで確認できます。

https://www.ielts.org/en-us/book-a-test/find-a-test-location

特長2:テスト内容がグローバル

IELTSの問題は、国際性に重点を置いて作成されています。例えば、英文は英語圏各地の出版物から引用されていて、リスニングではさまざまなネイティブスピーカーのアクセント(北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど)が使用されています。

特長3:高い信頼性

IELTSは、世界でも有数の言語評価の専門家によって開発されていて、徹底的な研究、検証開発プログラムによって高い信頼性を実現しています。

特長4:結果が合否ではなく9段階評価

IELTSは、幅広いレベルで英語のスキルを評価するように設計されています。合格や不合格というものはなく、結果は1(最低)~9(最高)までの「バンドスコア」という段階評価で示されます。9つのバンドスコアと採点方法などの詳細は、下記のウェブサイトで確認できます。

https://www.ieltsjp.com/test-guide/get-ielts-results/

9:エキスパート・ユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8:非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7:優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6:有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5:中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
4:限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3:非常に限定的なユーザー 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2:散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1:非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。

なお、IELTSの受験はコンピューターを使うのではなく紙に鉛筆で記入します*2。リスニングとリーディングのテストでは、問題用紙にメモを取ることができます(実生活でもそうすることがあるのと同じように)。

受験するのはどんな人?受験のメリットは?

アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、およびイギリスを含む英語圏の国々に留学、就労または移住を希望する人が主に受験しています。

ただ、今のところ海外への留学や移住を考えていない人でも、IELTSを受験してバンドスコアを得ることで、現在の英語のレベルや強み、弱みなどが分かって、今後の英語学習に生かせます。また、テスト結果によっては、海外留学や移住という選択肢が増えるかもしれません。世界的に広く認知されている英語テストを受験することで、職場の上司や学校の先生などに英語レベルをアピールすることもできます。

IELTS入門

目的に応じた2種類のモジュール

IELTSには2つのテストモジュール、「アカデミック」と「ジェネラル・トレーニング」があります。これらの違いを理解し、自分のニーズに合った方を選びましょう。

アカデミック(Academic)モジュール

大学の学部生や大学院生として留学する人や、プロフェッショナルな機関への登録申請をする人のためのテストです。このモジュールには、大学やプロフェッショナルな機関で勉強する人にふさわしい内容が含まれています。

ジェネラル・トレーニング(General Training)モジュール

実践的な、日常生活での英語力を図るモジュールです。中等教育、大学、教育訓練センターへの入学や、英語圏の国への移住のために、このモジュールが必要な場合があります。内容には、生活の中の一般的なことが含まれます。

なお、リスニングとスピーキングはアカデミックとジェネラル・トレーニングで共通ですが、リーディングとライティングの問題は異なっています。

IELTS入門

※2019年4月13日より、試験の順番がリスニング、リーディング、ライティングからライティング、リーディング、リスニングに変更になります。各テストの所要時間に変更はありません。

IELTSの日程、会場、受験料、当日の流れ、結果通知

日本国内では、IDP: IELTS AustraliaとBritish CouncilがそれぞれIELTSのテストを実施しています。両者で申込締め切り日、会場、申込用ウェブサイトなどは異なりますが、テストの内容、受験料、採点方法は全く同じです。自分にとって試験日程や会場などが便利な方を選びましょう。

試験日

毎月、最大4回実施されています。通常、土曜日や日曜日に行われます。

会場

日本国内では、東京、大阪、京都などで受験が可能です。詳しくは、下記のウェブサイトで確認できます。

https://www.ielts.org/en-us/book-a-test/find-a-test-location

受験料

25,380円(税込み) ※2019年1月現在

必要書類

テスト申込時には、受験当日に有効なパスポートが必要です。パスポートはオンライン申し込み時に登録します。当日にパスポート原本を持参しないと受験できないため、パスポートの更新などを予定している場合は特に注意しましょう。

当日の一般的な流れ

午前9時前に会場に到着し、パスポートでの本人確認、指紋採取などを済ませます。受験する教室に持ち込めるのは、パスポート、筆記用具、水のみです。全体説明を聞いた後に、ライティング(60分)、リーディング(60分)、リスニング(40分)を行い、正午過ぎに終了します。

スピーキングテストは、筆記テスト(ライティング、リーディング、リスニング)の当日の午後またはその前後数日以内(会場により異なる)に、約11~14分間、試験官と1対1で行われます。

4つのテストの合計所要時間は、約2時間45分です。

結果通知

筆記テスト受験の13日後に発行され、郵送されます。オンラインでも結果が確認できます。テスト結果の有効期限は、筆記テスト当日を含め、2年です。

 

IELTS入門の第1回はいかがでしたか?少しでもIELTSに興味を持っていただければ幸いです!テストの具体的な内容や対策については、第2回(2月公開予定)と第3回(3月公開予定)で詳しくお伝えしていきますので、お楽しみに!

IELTSの詳細はこちらもおすすめ!

ドン・オリバーさんが、IELTSの基本事項と受験のアドバイスを伝える英語レクチャー「IELTSアドバンテージ」です。

IDP EducationのウェブサイトにあるIELTS試験対策の情報です。

www.ieltsjp.com

IELTSのおすすめ総合対策書

IELTSの概要、各セクションの出題傾向や攻略法、1回分の模試が入っていて、バンドスコア「6.5」(海外大学~大学院留学レベル)を狙えます。

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IELTSがコンピューター受験できる会場が2019年8月オープン!

コンピューターを使ってIELTSが受験できる新しいテストセンターが東京にオープンします(スピーキングは対面形式)。新センターでの初回の受験日は2019年8月22日(木)です。紙での受験と比べて結果を早く受け取ることができ、ライティングでタイプできるのは大きな魅力です。

▼詳細はこちら↓

ieltsjp.com

ドン・オリバー

Don Oliver(ドン・オリバー)

これまで複数の国々で20年以上にわたりIELTSと関わり、豊富な知識と経験を持っている。オーストラリア国内だけでなく、東南アジアや中東でもIELTS準備コースを含む、あらゆるレベルの英語を教えてきた。さらに、日本を含む東アジア、東南アジア、中東の12カ国以上でIDP/IELTSオーストラリアのマスタークラスセッションを行っている。https://www.ieltsjp.com/

編集:GOTCHA!編集部

*1:IELTSスコアを採用している団体リストは、https://www.ielts.org/en-us/を参照。イギリスのビザ取得および移住を目的にIELTSを受験する場合は、https://www.ielts.org/en-us/what-is-ielts/ielts-for-migration/united-kingdomを参照。

*2:コンピューターでの受験も選べるようになりました(スピーキングは対面方式)。詳細は記事の最後をご参照ください。