子どもが楽しみながら「英語」と「ITリテラシー」を伸ばすには?

子どもに英語をマスターさせたい方必見!料理研究家であるかたわら、英語教材の開発にも力を入れる行正り香さんの連載2回目。今回は、子どもが「英語」と「ITリテラシー」を楽しく身に付けるために、親ができることを教えていただきます。

「英語」と「ITリテラシー」はなぜ必要?

これからの子どもたちには 「英語」と「ITリテラシー」が必要不可欠 です。

ITリテラシーが必要な理由は、今のコミュニケーションの大半が、 LINE 、Facebook や Instagram などITリテラシーに頼っているからです。これからは自分でブログやウェブサイトを作るなど、今までは面識がなかった人たちとつながって、そこから新たな仕事が生まれていく時代です。

たとえ都会に住んでいなくても、自分が世の中の役に立つ、提供するものがあれば、世界中どこででも、いくらでもビジネスができるように、もうなっています。

例えば、農業をしていて、一般の人に農業体験を楽しんでもらうイベントを開催するなら、英語でPRすれば、海外からの観光客も呼び込めるかもしれませんね。

また、日本一の利用者数を誇るオークションサイト「ヤフオク」は1800万人 1 ほどが利用していますが、アメリカの「eBay」は、世界最大数の約1.6億人 2 を誇ります。英語ができれば、日本で安く手に入るものを海外の人に高値で売ることも可能です。

そいうわけで、日本にいながらにして世界とつながることができるのが、英語とITリテラシーなのです。どんな仕事を外国から発注されることがあっても、英語とITリテラシーは必須になってきます。

ITリテラシーはどうやって培う?

では、これからの子どもに必要な「ITリステラシ―」はどのように培っていけば良いでしょうか?

学校だけに頼っていては駄目です。2020年度から日本の小学校の約2万校で「プログラミング教育」が必修化されて、学校でもちろんプログラミングを学ぶし、文科省も取り組んでくれますが、ほとんどの学校にはWi-Fiもありませんし、スマホも持ち込めません。

そうなると、自宅でスマホやPCなど、インターネットを使う機会を増やす工夫が必要になってきます。すべての仕事には、マーケティングや検索能力が必要です。自分のポジション(立ち位置)やたくさんの 事例 などを調べることが当たり前になってきます。その調べる力を付けるのに、スマホやパソコンが大変便利です。

ITを使って調べ、解決する力を付けさせる

私は調べる力がすごく大事だと思っているので、自分の娘には小学校1年生からスマホを渡しています。「映画に行きたい」と言ったら、じゃあ自分で「映画」って入力して、「映画 地名 時間」って調べてごらんと言っています。

子どもには何でも自分で調べさせます。「何かおいしいものを食べたい」と言ったら、じゃあ「地名 おいしいもの 格安」で調べてごらんと言って、常に調べる力を付けさせていくんです。少なくともスマホは持たせてあげたほうがいいと思います。

「ITは怖い」みたいなことを言う方もいらっしゃいますが、これからの社会で生きていくためには、ITリテラシーは必須になってきますから、そんなことを言っていては子どものチャンスを削ぎ落してしまうと私は思うのです。

もちろん、親が監視して正しい使い方を教えることはとても大切です。犯罪に巻き込まれないための措置を親が講じて、子どもにも注意点を分からせておくことは必要です。でも「持たせない」という選択肢は、これからの時代にはなくなってくると私は思います。

教育は忍耐だ。英語は褒めて伸ばす!

多くの親御さんが、子どもにITリテラシーを持つと 同時に 英語と仲良くなってほしいと考えていると思いますが、自分が苦労をしたから子どもには英語をどうにかして身に付けてほしいと思って、無理やりやらせると、すごく英語が嫌いになってしまったという話をよく聞きます。

何が子どもにとって楽しいかは、その子どもによって違います。だから、英語の学び方も、いろいろなものに挑戦して、子どもが何に良い反応を示すかを、まずは親が観察してあげるのがいいと思います。

子どもが英語を嫌いになるとき の、私がよく見かけるパターンでは、 親がおせっかいをし過ぎる場合が多い です。せっかく子どもが英語を読んでいるのに、親が「ここが違うよ」「こうしたほうがいいんじゃない」と口を挟んでしまうのです。

私はいつも「途中で口を挟むのはやめてください」とお願いしています。少しくらい発音が悪くても、博多弁の英語でも、大阪弁でも、何弁でもいいんです。とにかく、「えー、よかった、すごいねー」って褒めてあげましょう。99パーセントの子は「褒められて育つ」と、いろいろな子どもたちを見ていて私は思います。

子どもは途中で邪魔をされると「一生懸命にやっているのに」と思って嫌になってしまうのです。だから、そんなアドバイスをするくらいなら、親も自分で子どもと一緒にやってみたほうがいいと思います。

例えばお母さん自身がRとLの発音を率先して発音してみて、「あら、お母さんもできないわ」と言ったほうが子どもは共感します。「難しいわね、roseって」ってお母さんが言ってくれたほうが、「お母さん、こうやってやるんだよ」と子どもが教えてくれながら一緒にやってくれます。

でも、そこでお母さんが「それは違う」と否定したら、子どもは一気にやる気を失ってしまいます。子どもに続けてもらうためには、褒めることしかやらないというふうに徹して決める。

だから私は、家のお手伝い に関して も、子どもがお皿を割ろうが、「わー!」とか叫んだことはないんです。いつも「あらあら、大丈夫?」と言って、内心「しょうがないな」と思う。みたいな(笑)。

だって、 子どもにやりたくないって思われたら、もう二度とやってもらえません から。

いかがでしたでしょうか。子どもの英語の学びについて、私が伝えたいことはまだまだあります。次回もお楽しみに!

ビリからはじめる英語術―英語は声を出して学ぼう
 
karaokeenglish.com

行正り香
高校3年生のときにアメリカに留学、カリフォルニア大学バークレーを卒業。広告代理店勤務を経て料理研究家に。著書に「だれか来る日のメニュー」など50冊。英語の基礎学習アプリ「カラオケEnglish」をローンチ。

インスタグラム:  rikayukimasa
カラオケEnglish : https://karaokeenglish.com/ (7日間無料体験できます)

ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック

AI翻訳研究の第一人者が教える! ChatGPTの翻訳活用術!

ChatGPTなどの生成AIの登場によって、ChatGPT語を使ったコミュニケーションに、新たな時代の扉が開きました。本書では、AIによる翻訳技術を上手く使いこなし、外国語の壁を乗り越える「これからの時代に求められる」英語スキルを身につけられます。英語のメール、プレゼン、広告、レポート、etc...、あらゆる英語の発信に対応するためのノウハウが満載です。

本書の特徴
まず、AIを上手く操るために言語をどのように捉えればよいのかを理解し、ChatGPTへの指示(プロンプト)をどう書いていくのか、という活用方法を深めていきます。

技術の進化に左右されない核心的な言語スキルが身につく一方、今日からすぐに使える便利なテクニックも満載です。

本書の構成
Chapter 1 AI翻訳の進化の核心を掴む
Chapter 2 AI翻訳を駆使する「言語力」を身につける
Chapter 3 ChatGPTで翻訳する
Chapter 4 実践で学ぶChatGPT翻訳術
Chapter 5 AIと英語学習の未来予測

購入特典:プロンプトテンプレート集
本書掲載のプロンプト(ChatGPTへの指示)のテンプレートを集めたウェブサイトを用意しました。本書の内容を、今日からすぐに実践に移すことができます。

SERIES連載

2024 04
NEW BOOK
おすすめ新刊
英会話は直訳をやめるとうまくいく!
詳しく見る
メルマガ登録