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職場での「mansplain」に注意!この英語の意味は?

イマココ働き方改革

職場での「女性活躍」が言われていますが、誰もが積極的に楽しく働くために私たち一人一人ができることは何でしょうか?ポイントは、職場での mansplaining(マンスプレイニング、man + explaining)は歓迎されませんが、「アライ」「メンター」「スポンサー」になることは大切ということです。異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタント、ロッシェル・カップさんに具体的に教えてもらいましょう。

女性の同僚が僕より苦労しているように見えます

office worker日本企業に勤める30代前半の男性です。

職場の男女比は6対4くらいで、女性の課長もいるのですが、部長職以上になると女性はほとんどいません。

私は人の昇進をどうこうできる立場にはないのですが、職場での女性に対する他の社員(男性とは限りません)の態度を見て、嫌な気持ちになることがあります。例えば、「子育て中の女性は突然休むことが多く迷惑」「うちの部署のAさんを(美人だから)接待に連れていこう(接待相手が男性の場合です)」といった発言などです。

また、女性の同僚から「出しゃばりと思われそうで、会議で自分の意見が言えない」という話も聞きますが、自分含め男性社員はむしろ意見を積極的に言うよう求められていると感じます。ただし、女性に対する発言や態度を注意することについてはその勇気が出せないでいます。

どう振る舞うのがいいのか、アドバイスを頂けますでしょうか?

カップさんからの回答

イマココ働き方改革

この質問に対してまず最初に申し上げたいことは、こういった問題意識を持っていらっしゃるのはとても素晴らしいということです。残念ながらこういった状況は多くの日本企業で見受けられますが、それが望ましくないということに気付いているのは非常にいいことだと言えます。

確かに、自分一人で、特にマネジャーではない立場で、職場の文化や雰囲気を変えるのはとても難しいことです。その困難を考えて、消極的になってしまう人は多いと思いますが、それでは状況は改善されません。

相談者のご指摘の通り、職場によっては女性が職場の雰囲気その他に関して意見を言うのは難しい場合もあります。一人だけで否定的な発言をするのは特に居心地が悪いことです。そのため、会社全体のパフォーマンスアップのためにも、男性の方には以下のことをお願いしたいと思います。

女性の「アライ」になりましょう

女性が働きにくい環境を改善するために職場の男性にぜひお願いしたいのは、「アライ」になることです。「アライ」は、英語で「同盟者、支援者、味方」を意味する ally が語源で、職場の女性の立場を理解し支援する男性を指す言葉です*1。アライに期待されている行動は次のようなものです。

発言する機会を均等に

まず、会議の場では、女性が発言しにくい状況になっていることはよくあります。自分を制限して、発言を控えてしまうのです。いざ発言しても遮られることも多いです(多くの女性は自分の経験としてそう感じていますが、調査でも、女性は発言中に男性よりも頻繁に遮られることが証明されています)。また、女性が発言しようとしても、無視されてしまうこともあります。

もしご自身が参加している会議で、女性が話している際に彼女が無視されたり、遮られたりしている場面があったら、その場で指摘することを提案します。例えば、発言を遮る人がいたら、「ちょっと、田中さんは言いたいポイントをまだ言い終わっていないようですよ。田中さん、まだ続きがありますよね?」というように言ってみましょう。また、会議の中で男性ばかりが話していて、発言していない女性がいると気付いたら、「この件に関して、山田さんと清水さん以外はみんな意見を言いましたが、山田さんと清水さん、何か言いたいことがありますか?」と言って発言を促すことができます。

アイデアを尊重する

もう一つ、職場の女性が頻繁に経験するのは、会議中に述べた自分のアイデアがまともに受け止めてもらえるのは、男性がそれを繰り返したときだけということです。そういうとき、女性を支持する男性アライは、認めるべきことを認めようとすることができます。例えば、男性が女性のアイデアを繰り返す発言をしたときには、「確かにそれは素晴らしいアイデアです。先ほど石田さんが同様のことを提起していましたね。石田さん、この件に関して何と言っていましたか?」のように言えます。

女性の「メンター」と「スポンサー」になる

また、男性は「メンター」や「スポンサー」として女性を応援することもできるでしょう。「メンター」は助言をする人、「スポンサー」は能力をさらに開発できる機会を与えて、昇進を後押しする人を指します。この両方の役割が大切です。そのため、一緒に働いている女性にアドバイスとサポートを提供するのはいいことです。しかし、女性からそれが歓迎されているかどうかには気を付けましょう。mansplaining(マンスプレイニング)にならないことが重要です。mansplain は man(男)と explain(説明する)を合わせた単語で、男性が偉そうに女性を見下しながら何かを解説、助言することを指します。

周りの女性のキャリアを推進するには、女性をチームに参加させたり、重要な仕事にアサインされるように推薦したり、上層の幹部が女性の成功を意識するように知らせたりすることができます。また、女性を自分の仕事上つながりがある人たちのネットワークに紹介することなども望ましいです。こういったメンターやスポンサー活動はおそらく、無意識に男性後輩のためにはしていると思います。ぜひ女性のためにも行うように心掛けましょう。

差別的な態度や発言を指摘する

女性に対する差別的な態度は残念ながらいまだに多いです。相談者のご指摘の通り、それは差別的な発言の形で出てきます。明白なものもあるし、微妙なものや無意識のものもあります。こういった日常的な性差別は女性にとって働きにくく昇進しにくい環境をつくってしまいます。また、女性はエネルギーや自信を奪われてしまい、積極的に前向きに業務に当たることが難しくなります。

男性は何ができるでしょうか?ぜひ男性にお願いしたいのは、もし差別的な発言を聞いたら、それをその場で指摘することです。例えば、一緒に働いている人が差別的なジョークを言ったのなら、そんなジョークは不適切だと言って、やめてもらいましょう。あるいは、一緒に働いている人がある女性のことを「アグレッシブ(攻撃的な)」や「けたたましい」と言ったのなら、「そのようなネガティブな言い方は、彼女がリーダーの持つべきスキルであるアサーティブさ(積極性、主張すること)を兼ね備えている点を無視しています」と説明すればいいと思います。

女性が伸び伸びと働ければ会社のパフォーマンスも向上する

最後に、とても大切なことは、女性の話に耳を傾けて、女性を信じることです。職場の女性が会社における女性の立場や役割について悩みを打ち明けてくれたら、彼女の言うことをよく聞いて、自己防衛的になりたくなったとしても信じることが大切です。女性の立場になって、彼女たちの経験を理解するように努力することです。

みんなが協力することによって女性の最大限の可能性を引き出すことができ、その結果、会社も最大限の可能性を実現できます。女性の職場での活躍のためには、女性自身の努力はもちろん重要ですが、そのためのよい環境をつくるために男性のサポートもぜひお願いします!

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ロッシェル・カップ

執筆:ロッシェル・カップ

ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社社長。

異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタントとして、日本の多国籍企業の海外進出とグローバル人材育成を支援している。イェール大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営学院卒業。日本語が堪能で、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)、『英語の品格』(集英社) をはじめ、著書は多数。朝日新聞等にコラムも連載している。

編集:GOTCHA!編集部

*1:LGBT など性的マイノリティーを応援する人のことも「アライ」と呼びます。