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TOEICスコアアップ&スピードアップに直結!単語力倍増学習術

TOEICスコアアップ&スピードアップに直結!単語力倍増学習術

TOEIC スコアアップ200点請負人の Jay(ジェイ)こと早川幸治さんが、TOEIC のスコアをどうしても上げたいあなたに贈る連載。第6回は、語彙力に不安を持つ方に決定打ともなるアドバイスをお届けします。

覚えた単語を忘れないコツとは?

最終回の今回は、永遠の課題である「単語力アップ」に関する内容です。

前回は、TOEICテスト受験後に届くスコアシートの分析の仕方についてお伝えしました。「ある程度単語は知っているのに速く読めない」とか、「スコアシートの『語彙が理解できる』の項目の数字が伸びない」という悩みをお持ちの場合、今回の内容がお役に立てると思います。

ところで、私はこの記事が公開されるころ、フィリピンのセブ島に来ています。気温は30度。そういえば、今年は40度近い日が多かったなぁ・・・と、忘れかけていた夏を思い出しました。

さて、そんな暑い中にアイスを置いておくと溶けてしまうように、単語も放っておくとどんどん忘れてしまいます。ネイティブスピーカー級になれば、「脳の冷凍庫」に大量の単語を保存しておけますが、ノンネイティブの私たちは「冷凍庫」は持っていません。そこで、私たちが使うべきなのは「ドライアイス」です。

アイスの周りにドライアイスを置くことで、溶けるのを防ぐように、さまざまな情報と関連付けることで、単語も忘れにくくなります。

たとえば、英語と日本語の対訳で学習する場合を考えてみます。この対訳で覚えることは、学校でよくある「次の英単語の意味をカッコに書きなさい」といったスタンダードな単語テストには対応できるかもしれませんが、以下の欠点があります。

  • どんな単語とつながるのか不明
  • どんな文脈で使われるのか不明
  • どんな単語が仲間なのか不明

「『単』語」で学ぶ限界

「『単』語」で学ぶ限界

イメージしやすいように、外国人が日本語を学ぶ場面で考えてみましょう。

「ぐっすり」を学ぶとします。英語では、soundly です。これだけで、すぐに覚えられるでしょうか。おそらく単語テストで正解できたとしても、その後すぐに忘れてしまうでしょう。

何よりも、このように単語を覚えただけでは、リスニングやリーディングの力が上がるとは思えませんし、最終的に日本語を使えるようにはならないことは推測に難くありません。

そこで、ドライアイスです。

私たちが日本語を速く読むことができるのは、単語力があるからだけではありません。たとえば、先ほどの「ぐっすり」という単語に出合ったとき、私たちはその次に来るのが「眠る」などの単語だと無意識のうちに推測しています。

同時に、文脈が睡眠関係となることも無意識に推測しています。だからこそ、その後の展開を速く読むことができるのです。

では、なぜそのような高度なことができるのか。

それは、私たちが日本語では単語を「『単』語」として学ばず、フレーズや文脈と一緒に身に付けたからです。その証拠に、次の単語に続くものを考えてください。

雪が(   )

意味を(   )

予算を(   )

もちろん、答えはひとつではありません。「雪が」に続くのは「降る」「積もる」「溶ける」など。「意味を」に続くのは「調べる」「説明する」「尋ねる」など。そして、「予算を」に続くのは「超える」「削る」「決める」などです。

このようにスラスラ出てくるのは、「雪」や「降る」だけが頭に入っているのではなく、フレーズとして頭に入っているからです。

そこで、英語でも同様に頭に入れることで、ワンランク上の単語力を身に付けることができます。

ドライアイスを活用しよう!

英語の単語学習におけるドライアイスには、以下のようなものがあります。

英語の単語学習におけるドライアイス

日本語訳

「英語=日本語」の対訳は、一瞬で意味を理解できます。ただ、努力がいらないため、理解も早いのですが、忘れるスピードも最速です。たとえば、expedite という動詞。これは「促進する」とか「早める」という意味ですが、これだけを覚えても、おそらくすぐに忘れてしまうでしょう。

フレーズ3セット

動詞を学ぶ場合には、目的語や副詞とセットで覚えることで使い方や場面がイメージしやすくなります。たとえば、expedite(促進する)であれば、expedite the process のようなフレーズで学びます。そうすると「プロセスを高速化する」のように、「何かの手順を早める」ことがイメージできます。

そして、おすすめはフレーズを「3セット」学ぶことです。まさに、太陽が海に沈むサンセット(sunset)のように、単語がイメージとともに脳内にしっかり沈むのが3セットです。

expedite - the process(プロセスを早める)
expedite - the delivery(配達を早める)
expedite - the recovery(回復を早める)

このように3セットで学習することで、「expedite は delivery に使える。ということは shippingにも使えそうだな」のように使い方を推測することもできるようになります。

教材を使いながら学習する際は、周りの単語もセットで覚えるようにすると効率的です。

また、どんな単語とセットで使われるのかを調べたい場合は、検索サイトのウィンドウに、クォーテーションマーク(“ ”)を使って“expedite the”と打ち込むと、expedite the 〇〇というフレーズが大量に検索できます。また、expedite sample sentences と検索することで、expedite の使い方が分かる例文を掲載したサイトが出てきます。

同義語

難易度の高い単語ほど、すでに知っている易しめの単語と関連付けることをおすすめします。電子辞書をお使いの方は、「類語辞典」(「同義語辞典」「Thesaurus」など)を活用すると便利です。expedite の同義語を調べると、accelerate、quicken、speed などが出てきます。「なるほど、quick にすることなのか!」という発見もありますし、expedite=speed と関連させることで、忘れにくくなります。

【参考】https://www.thesaurus.com/(オンライン類語辞典)

英英辞典の定義

英和辞典で単語を調べると、日本語訳は確認できますが、細かいニュアンスまでは分かりません。細かいニュアンスを知りたい場合は、英英辞典で定義を調べることをおすすめします。

expedite の定義を英英辞典の「Merriam-Webster Learner’s Dictionary」で調べると以下のように出てきました。

[+ object] formal

: to cause (something) to happen faster

「何かが早く起こるようにすること」

分かりやすいっ!

説明によっては、日本語訳よりも分かりやすい場合が多々あります。さらに、後ろに目的語(object)を取ることや、フォーマルな単語であること。また、例文が付いている場合もあるため、調べる手間はかかりますが、ドライアイスが大量にあるため、記憶に残りやすくなります。

なお、英英辞典の定義が難しすぎて分からないということのないように、ここで紹介したような学習者向けの英英辞典(Learner’s Dictionary)がオススメです。

参考:http://www.learnersdictionary.com/

文脈

さらに、新しい単語を学びながら「読む力」や「聞く力」を上げていくために、多読の中で知らない単語をピックアップしていくこともおすすめです。

すでに問題を解き終えて答えも確認した TOEIC 教材でもいいですし、興味がある記事、洋書、TED Talk などでも OK です。それらを読みながら(または聞きながら)、知らない単語があったら文脈から推測してみます。その後、辞書で確認することで、推測が当たったかどうかに加えて、正しい意味を確認することができます。

たとえば、働き方改革の記事の中で expedite が出てきた場合、何かを効率化する話になるはずです。expedite が別の記事に出てきた際にも「働き方改革で、効率化する話で使われていた単語だ!」のように、頭の中から引き出しやすくなります。これを続けていくことで、知らない単語があったとしても推測しながら読み進められるようになります。

まとめ

ドライアイス

「単語を覚えられない」と悩む学習者はたくさんいます。でも、その原因は「単語を覚えようとするから覚えられない」のかもしれません。

「覚える」を目標にすると、「1回で覚えたいのに、5回やらないと覚えられない。自分は記憶力が悪い」のように思ってしまいがちです。でも、実際には「覚えること」ではなく、「思い出せること」がポイントです。その思い出しやすくする仕掛けが、今回ご紹介した「ドライアイス」なのです。

さまざまなドライアイスを置くことで、単語が「溶け」なくなるだけでなく、問題が「解け」るようになります!

最後に、私が2011年5月2日から毎日配信し続けている単語学習メルマガ「ボキャブラリーブースター」を紹介させてください。

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最後に、今回の格言です。

苦は楽の種、楽は苦の種と知るべし。

徳川光圀

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Koji Hayakawa

早川幸治(はやかわ こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。企業研修講師として、英語を公用語化した企業はじめ、これまで全国の140社以上で研修を担当してきたほか、大学や高校でも教えている。セブ島留学プログラムも監修。TOEIC990点(満点)、英検1級取得。豊富な受験経験から傾向をおさえた効率的な対策法が好評。著書多数。アルクの通信講座「TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST 完全攻略600点コース」監修。

写真(1枚目とプロフィール写真):山本高裕(アルク GOTCHA! 編集部)