英語面接で「5年後は何をしていると思いますか」にどう答える?

就職や転職で英語面接を受ける方、必見!面接官に採用したいと思わせる方法があります。『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』の著者であり、神田外語学院グローバルコミュニケーション科を率いるスーパーバイザーのレンフロ比佐子さんに、英語面接で必ず聞かれる質問と答え方を教えていただきます。

CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル
 
こんにちは。レンフロ比佐子です。 第3回第4回 に続き、英語面接で必ず聞かれる質問と、その質問に対する良い答え方を紹介しています。今回はリーダーシップがある人材 かどうか判断 されるような質問に、英語でどう答えると良いのかについてお話しします。

リーダーシップと将来の展望

さまざまなポジションで就職活動をする方がいると思いますが、リーダーシップ、マネジメントについてどう考えているのかを聞かれることがあります。「自分には関係がないこと」などと思わずに、しっかりと自分の意見を述べられるようにしたいものです。今回は私の著書『英語面接完全マニュアル』の「Chapter 3」から、英語面接を想定し、質問と回答例をご紹介します。

as a leader or manager.">Q1: Tell us some of your experiences as a leader or manager.

リーダーまたはマネジャーとしての経験について、いくつか教えてください。

答え方〇?クイズ

さて、次の回答はOK回答でしょうか、NG回答でしょうか?

I was a sales manager at my previous company for 5 years and made a mark on total sales for several new products. Also , I was a director of in-house training projects and launched an English communication course and computer literacy courses. The average TOEIC Speaking Test score of our company improved by 20 points after implementing the English communication course. Also , conducting the computer literacy courses cut down the tasks of the Media Support Center substantially .私は前職で営業部長を5年間務め、いくつかの新製品の総売り上げにおいて記録を残しました。また、社内研修プロジェクトのディレクターを務め、英語コミュニケーション講座とコンピューターリテラシー講座を立ち上げました。英語コミュニケーション講座を 実施 したあとは、社内のTOEICスピーキングテストの平均スコアが20点上がりました。また、コンピューターリテラシー講座を行ったことで、メディア・サポート・センターの業務を大幅に削減しました。

クイズの答え:? NG回答です。

決して間違ってはいないのですが、実はあまり模範的とは言えない回答なのです。単純にどんなポジションでどんなプロジェクトを立ち上げ、どんな結果を出してきたのかを列挙しているだけです。

厳しい 言い方かもしれませんが、これなら履歴書を見れば分かりますよね。 履歴書だけでは分からない皆さんの素顔や経験を知りたくて面接に呼ぶのだし、皆さんにとってもそれをアピールする機会なのですから、もっと「自分」を出しても良い のです。

確かに質問は「リーダーとしての経験を教えてください」なので、「成し遂げてきた業績を挙げるのだろう」と思う人もいるかもしれませんが、中には 「リーダーとしての苦労とやりがいを経験に基づいて話そう」 と思う人もいるわけで、一般的に外資系企業の面接で信頼を勝ち得るのは後者です。

では、どんなふうに答えれば良いのか、モデル解答の一部を見てみましょう。 

〇良い答え方

Being a manager has meant having to make tough calls, such as letting people go when they did not work out , in spite of my best efforts to help them succeed in the position . However , those experiences have been far outweighed by positive things…マネジャーであるということは、難しい決断をしなければならないということでした。例えば、部下が仕事で成功するようにできる限り支えた にもかかわらず 、うまくいかなかったときは、彼らを解雇しなければいけませんでした。しかし、プラスの面の方がこうした経験をはるかに上回りました。
押さえておきたいのは、 採用担当者が知りたいのは、応募者がどのような環境でどのような責任を果たしてきた人なのか 、また、 それを基に何をしていきたいと思っているのか 、ということです。OK回答では「つらいことも多々あるけれど、管理職であることのプラス面はそれをはるかに上回る」と、経験したからこそ言える言葉を伝えられています。

see yourself doing in five years?"> Q2 What do you see yourself doing in five years?

5年後のあなたは何をしていると思いますか。

〇良い答え方

In five years I hope to have acquired many new skills and experiences and possibly advanced to a higher position in your company. I realize that the world is changing at an increasingly rapid rate , but I am quite confident this is the industry I want to be in, and this is the company I want to work for . 5年後には、多くの新しいスキルと経験を得て、御社においてさらに大きな責任のあるポジションで働くことができればうれしいです。世界はますます速いペースで変化していることは認識していますが、私が働きたいのはこの業界であり、御社であることは確かです。
外資系企業では、自分のキャリアパスは会社ではなく自分でデザインして作っていくものと考えますので、このように「~年後は何をしていると思いますか」という質問が多いです。

未来のことを聞かれたら、未来 完了 形を使い、I will have acquired many new skills …(私は多くの新しいスキルを身に付けているでしょう)と自信を持って伝えましょう。

一度で伝わる英語を話そう

海外の方の中にはびっくりするほど日本語が堪能な方がいますが、彼らは決して早口で日本語を話しているのではありません。私たちが「日本語がうまい!」と感心するのは、早く喋れるからではなく、一度で伝わる正確な日本語だからなのです。

英語もしかり。英語力は高いのに何か言うたびに聞き返される人は要注意。正確でない発音で、スピードが速すぎる 可能性 があります。面接やプレゼンでは聞きやすい英語を話すことは相手への気配りだと思ってください。

また全てのセンテンスを I(私は)で始める癖がある人は少し工夫が必要です。稚拙な印象を与えない戦略として副詞と分詞構文を使えるようにしておくと良いでしょう。

Inevitably , the productivity of the team will improve .

必然的に、チームの生産性は向上します。

  • Apparently …(どうやら・・・のようだ)
Apparently, you are looking for someone who speaks German.

どうやら、貴社はドイツ語がせる人を探しているようですね。

  • Regrettably …(残念ながら・・・)
Regrettably, I am unable to come back until the end of the month.残念ながら、もう一度伺うことは月末までできないのです。
などの副詞で文章を始めても良いし、
  • Having said that …(そうは言っても・・・)
Having said that, we must try to keep out head above water.そうは言っても、我々は何とか頑張って持ちこたえなければなりません。
  • Frankly speaking …(率直に申し上げますと・・・)
Frankly speaking, I have got a job offer in Seattle.

率直に申し上げますと、シアトルの企業から内定をいただいています。

  • Speaking of which , …(ところで・・・)
Speaking of which , I used to work part time around here.

ところで、以前この付近でアルバイトをしていました。

など、分詞構文の慣用表現が使えると、知的な印象になります。ビジネスの現場でネイティブ・スピーカーたちがどのようにセンテンスを始めているか気を付けて聞くと、「I 」でセンテンスを言い始める人は 少ない ことに驚きますよ。

いかがでしたか。履歴書での 審査 で通った次のステップの面接ですから、 履歴書には表現しきれないあなたらしさを存分にアピール できるよう戦略的に備えましょう。

レンフロ比佐子さんの本

多くの学生たちを新卒で外資系企業に送り出してきた経験と、学科のカリキュラムに入れているEnglish Interview(英語面接対策)の実績を基に執筆したのが、『英語面接完全マニュアル』。臨場感あふれる英語面接時の英語のやりとりと、暗記では通用しない英語コミュニケーションの極意、日本人らしさを武器にする戦略など、外資系企業を目指す人にはありがたい情報が詰まった1冊です。

CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル
 

レンフロ比佐子(レンフロ ひさこ)
日本基督教短期大学、アメリカの Joe Blasco Make Up Center 卒業。ハリウッドで特殊メイクに携わる。帰国後、通訳・翻訳者を経て、神田外語学院の少数精鋭として知られる グローバルコミュニケーション科 のスーパーバイザーとして勤務。 全国学生英語プレゼンテーションコンテスト でベスト10入りの学生たちを育てた実績がある。

編集:増尾美恵子

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