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勉強したのにTOEICスコアが下がった?!~その原因と対策~

Jay式 TOEICスコアアップの奥義 第一回

TOEICスコアアップ200点請負人の Jay(ジェイ)こと早川幸治さんが、TOEICのスコアをどうしても上げたいあなたに送る新連載。第一回は、勉強したのにスコアが下がった。そんな「あるある事件」への対策法を教えていただきます。

勉強なんてしなけりゃよかった?

気合を入れてしっかりと勉強をして、理解度も間違いなく上がった実感があった。それなのに、なぜかスコアが下がってしまった・・・。

そんな苦い経験をしたことある方は、どのくらいいらっしゃいますか?

セミナーや企業研修、大学の授業などでそんな質問をすると、手を挙げる人は少なくありません。

勉強したのにスコアが下がったなんて、やる気がなくなりますよね。「あんなに勉強したのに・・・」「勉強なんかしなければよかった・・・」そう思いたくなる気持ちもわかります。

勉強したのにスコアが下がる。そこには何かしらの原因があるはずです。その原因は、勉強したのに英語力がつかなかったからではありません。

逆です。

スコアが下がってしまった原因は、英語を勉強して英語力が上がったからです。

「は?」ですね(笑)

正確に言うと、「英語力『しか』付かなかったから」です。

TOEIC L&Rテストに必要な力とは?

では、なぜ英語力が上がるとスコアが下がってしまうのでしょうか。

それは、TOEIC L&Rテストが測っている力は「知識としての英語力」だけではないからです。スポーツでたとえると「筋肉は付いたけれど技術が付かなかった」という状態です。

図工の授業で言うと、今まで6色鉛筆で絵を描いていたのに、急に32色鉛筆を与えられて、どれを使っていいかわからなくなってしまった、という状態です。

TOEIC L&Rテストのスコアアップに必要な力は3つあります。それは「英語力」「情報処理能力」、そして「対策力」です。

必要な力1:英語力

必要な力1:英語力

1つ目の「英語力」とは、単語や文法の知識です。

知識が付くと聞ける、または読める割合は高まりますが、知識が増えただけでは英語のまま理解できるようにはなりません。

それまで何となく聞いていただけのものが、それまで以上に聞き取れるようになってしまうと、それまで以上に悩むようになってしまうのです。

これは知識だけ付けることの弊害です。

私たちが学校で伸ばしてきた力は、この知識としての英語力です。なぜなら、学校は成績を付ける必要があるため、数値化できるものを授業に取り入れます。それが、単語テスト、文法テスト、中間テスト、期末テストです。

単語テストは単語の意味さえ知っていれば点数が取れますし、文法テストも解き方さえ知っていれば点数が取れます。

しかし、TOEIC L&Rテストで知識を測っているのは、Part 5(短文穴埋め問題)だけです。200問中の30問だけが、知識のみを測っているのです。すでに700点をお持ちの方であれば、Part 5で約7割正解している方も多いと思います。すると、Part 5での伸びしろは3割しかありません。

必要な力2:情報処理能力

必要な力2:情報処理能力

もちろん知識は英語力の前提となりますが、この知識をスキルに高める必要があります。そのスキルが、2番目の情報処理能力です。

これは、英語を英語のまま理解する力で、「スピード処理能力」と言い換えられるものです。また、質問の意図を理解する力も、話の展開を理解する力も、この情報処理能力です。

英語力が知識であるのに対して、情報処理能力はスキルです。

「だいたい読めるのに、リーディングセクションがどうしても最後まで終わらない・・・」という場合は、英語力ではなく、情報処理能力が不足しています。

しかし、私たちは英語力だけを上げようと頑張る傾向があります。なぜなら、私たちは英語力の伸ばし方しか習っていないからです。

その結果、知識とスキルのギャップがこれまで以上に開いてしまい、問題を解く際に「聞けている気がするのに解けていない」「単語はわかるのに速く読めない」というギャップを生み出し、スコアダウンという悪夢、いや現実をもたらします。

必要な力3:対策力

必要な力3:対策力

そして、3つめが対策力です。

テストには傾向があります。そして、傾向があるものには必ず対策ができます。受験経験が少ない方は、リーディングの時間配分の訓練のほか、出題傾向に沿ったテスト対策を行わないと、テストで実力が発揮できません。

知識をスキルに高め、そしてそのスキルをテストで確実に使えるようにすることが大切です。この3つの力のバランスが崩れてしまうことで、「勉強したのにスコアが下がった」という結果につながってしまうのです。

システムリスニング&システムリーディング

では、情報処理能力とはどのように伸ばせるのでしょうか。

スキルである情報処理能力を高めるためには、リスニング、リーディングともにトレーニングを行うことが不可欠です。

リスニングに必要なトレーニングは、音読です。

まずは、トレーニングを行う前に、音声の英文スクリプトを読んで内容を100パーセント理解してください。

そして、音声と同時に英文を読んで声に出すオーバーラッピングをしたり、すでに何度も練習したものを使ってシャドーイング(音声を追いかけながら英語を声に出すトレーニング)をしたりすることで、表現力を身に付けながらリスニング力を高めることができます。

声を出すことでスピードに慣れることができるほか、フレーズや構文をそのまま頭にインストールできますし、さらにTOEICの会話やトークは「冒頭で概要が伝えられ、徐々に詳細へと展開する」という、話の流れまでつかむことができます。

頭の中にシステムができあがり、パターンで理解することができるようになります。よくある展開が頭の中でパターン化されるため、流れのあるシステムとしてリスニングができるようになるのです。

ここまで行くと、Part 3、4は設問を先読みしていなくても解けるようになります! 

また、リーディングセクションを余裕をもって終わるようにするために、普段から速く読む練習が必要です。

リーディングにもシステムがあります。冒頭で目的や概要が伝えられ、徐々に詳細へと入っていきます。

すでに答えを知っているPart 7の文書を使って、ストーリーを理解するために本文を読んでください。そのときに、ストップウォッチで時間を測りながら意識的に速く読むことで、徐々にスピードが速くなってきます。

何度も読んでいると、フレーズや構文をかたまりで理解する力が身に付いてきます。

次の文を素早く読んでみてください。

Thank you very much for your inquiry. I’m afraid the product is out of stock. I apologize for any inconvenience.

いかがでしょうか。

これをかなりのスピードで読めた、5秒くらいで読めたという方の場合は、英語力に加えて、フレーズで頭に入っているものが多く、さらに何度も読んだことがある表現のため、スキルまで高まっているのです。

スコアダウンは飛躍の前兆です

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ちなみに先の英文は20ワードあります。これを5秒で読めた場合、1分間(60秒)に換算すると20×12=240、つまり1分間に240ワードを読めるということです。

ちなみに、実際はそこまでのスピードはいりません。1分間に平均180ワード前後読めれば十分です。そして、このスピード、つまり情報処理能力が上がることで、スコアが急上昇する方も多くいらっしゃいます。

そして、勉強したのにスコアが落ちたのは、次回のテストでの飛躍の前兆とも言えます。高くジャンプしようとすればするほど、低く屈まないといけませんよね。まさにその状態です。

「もう二度と、勉強したのにスコアが下がったという苦い経験はしたくない!」という方は、知識をスキルに高め、さらにテストの傾向にあった準備をすることが大切です。

「いや、今回のことは普通にできているし800点も超えている。だけど、それ以上上がらない・・・」という方は、「TOEIC対策」が足を引っ張っているのかもしれません。

その話は次回ご紹介します。

最後にやる気の出る格言を。

為せば成る 為さねばならぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり

上杉鷹山

早川幸治さんの本
頻度順1問1答 TOEIC L&Rテスト リスニング

頻度順1問1答 TOEIC L&Rテスト リスニング

  • 作者: 早川幸治
  • 出版社: アスク
  • 発売日: 2018/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
TOEIC® L&Rテスト スコアアップ英単語1000

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  • 作者: 早川幸治
  • 出版社: 永岡書店
  • 発売日: 2018/05/15
  • メディア: 単行本

Koji Hayakawa

早川幸治(はやかわ こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。企業研修講師として、英語公用語化企業はじめ、これまで全国の140社以上で研修を担当してきたほか、大学や高校でも教えている。セブ島留学プログラムも監修。TOEIC990点(満点)、英検1級取得。豊富な受験経験から傾向をおさえた効率的な対策法が好評。著書多数。アルクの通信講座「TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST 完全攻略600点コース」監修。

写真(1枚目とプロフィール写真):山本高裕(アルク GOTCHA! 編集部)