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まるで台本作家と声優の2役?!映像の英語吹き替え翻訳の基本とコツ

映像翻訳

働き方が多様化する昨今、長く働き続けるために、英語好きの方なら翻訳を仕事にすることを考えたことがあるのでは?この連載では、幅広い分野で需要が高まっている「映像翻訳」を基礎から学ぶべく、GOTCHA!編集部員が、日本映像翻訳アカデミーとアルクが共同開発・運営する「映像翻訳Web講座」に挑戦。今回は「吹き替え翻訳」のポイントをお伝えします!

前回までの記事はこちら

ドキュメンタリー番組で吹き替え翻訳!

前回までの記事では、「映像翻訳Web講座 ベーシックコース」の第1~3回の課題で取り組んだ短編映画の字幕翻訳についてお伝えしました。

第4~6回の課題では、ドキュメンタリー番組の吹き替え翻訳と字幕翻訳に挑戦します。この記事では、第4回課題で学んだ吹き替え翻訳のコツをお話しします。

吹き替え翻訳の種類

「吹き替え翻訳」には、「ボイスオーバー」と「リップシンク」の2種類があるそうです。

ボイスオーバーは情報番組やドキュメンタリー番組で使われる手法。オリジナル音声の音量を小さくした状態で(またはナレーション部分は完全に消した状態で)、日本語訳の音声をかぶせます。

リップシンクは映画やドラマでよく使われる手法。オリジナル音声は完全に消した状態で、出演者の口の動きに合わせた日本語の音声を入れます。そのため、出演者がまるで日本語を話しているように見えるような翻訳原稿を作成する必要があります。

ボイスオーバーの特徴

講座で挑戦するのはボイスオーバーの方です。課題に取り掛かる前に、受講開始時に郵送されてきた「映像翻訳ハンドブック」を再読。ボイスオーバーの特徴や翻訳する際の基本事項を確認しました。

ボイスオーバーの超基本は次の2点。

  • 視聴者が「聞きやすい」翻訳であること
  • 吹き替えをするナレーターや声優が「言いやすい」翻訳であること

つまり、「聞いたときの理解のしやすさ」や「文章のリズム」が重要になってくるのです。

目で見て読む字幕翻訳との違いはこの2点から生じます。具体的には、ボイスオーバーでは次のような点に注意して翻訳します。

  • 耳で聞いて理解しづらい言葉は避ける
  • 冗長にならないよう適切に区切る
  • 語順を変えたり言葉を言い換えたりして、リズムよく分かりやすい翻訳に整える
  • 体言止めも活用して単調にならないようにする(ただし多用は駄目)
  • ナレーション部分は基本的に「ですます調」で、標準的な表現を使用
  • 会話部分は話し手のキャラクターを生かし、文末表現を工夫して会話らしくする(やり過ぎに注意

「尺合わせ」とは?

字幕翻訳の文字数制限の代わりに、ボイスオーバー翻訳には「尺合わせ」があります。

尺合わせとは、オリジナル音声を言っている時間の長さ(=尺)と、その日本語訳の音声を言う長さを合わせること。英語の音声が30秒なら、その日本語訳も30秒に収まるように作ります。

そうは言っても、翻訳者が作るのは文字原稿ですので、実際に口に出して言ったときにどのくらい時間がかかるかは、翻訳者が自分で検証しなくてはいけません。

その検証方法が「音読」です。英語学習のために英語を音読する方は多いと思いますが、日本語を、ナレーターや声優が言うように大きな声ではっきり音読するわけです。まるで俳優修行のようですね!実際、演劇経験のある人は吹き替え翻訳にその経験を生かせるという話を聞いたことがあります。

また、オリジナル音声の息継ぎ(ブレス)と合わせて翻訳をして尺合わせをしたり、効果音が流れる箇所や映像カットの変わり目では言葉の音声がかぶらないようにするといった注意も大切です。

※参考文献:「映像翻訳Web講座 ベーシックコース」の「映像翻訳ハンドブック」

調べ物に戸惑う

ドキュメンタリー番組の吹き替え翻訳を実際にやってみて、まず困ったのはテーマに関する知識や番組に関する固有名詞でした。

テーマは「自然、動植物」で、私はあまりなじみがありません。ある木の名前の訳し方に迷いました。ドキュメンタリーなので正確な名称を使わないといけないと思うのですが、聞いてすぐに分かる日本語訳にする必要があります。「すぐに分かる」という基準も、自然についてのドキュメンタリーを見ようとする人を対象者として考えなければいけないのだろう……などと悩みます。

また、番組の中で番組名が言われているのですが、それをどう訳すのかにも困りました。そのため、ひとまずの訳を書いて、課題提出時に質問できる質問シートで質問してみました。

「大きな声ではっきり音読」にややハードルが

またもや提出締め切り間際に課題に取り組んだため、作った訳をしっかり音読して確認することが十分にできなかったことが悔やまれます……。

社内でやっていたので、自分のデスクで音読するのははばかられるにしても、会議室にでも行って大声を出せばいいのですが、余裕がありませんでした(言い訳)。代わりに、デスクで小声で音読しました。

尺合わせがきちんとできているのかは、はなはだ自信がありません!課題が添削、返却されるまで楽しみに待とうと思います。

今回のポイント!

  • 吹き替え翻訳には「ボイスオーバー」と「リップシンク」の2種類がある。
  • 吹き替え翻訳では、視聴者が聞きやすく、吹き替え者が言いやすい日本語に翻訳する。
  • オリジナル音声を言う長さとその日本語訳の音声の長さを合わせる「尺合わせ」をする。
  • 訳したら、日本語訳を大きな声ではっきり音読し、リズムが整っているかや尺合わせできているかなどを確認する。

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受講体験者・文:アンズ(GOTCHA!編集部)
「手に職」をと、実務翻訳や文芸翻訳の講座を受講したことあり。映像翻訳は字幕・吹き替えともに未体験。最近はビジネス分野の実務翻訳でも動画の字幕・吹き替えの需要が増加しているという話を聞き、今回の受講へ。