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ぜったい話せる極意とは?英語スピーキングの「鬼コーチ」が疑問を解決!

ぜったい話せる極意とは?英語スピーキングの「鬼コーチ」が疑問を解決!

どうしたら英語のスピーキング力を伸ばせるのか分からない、TOEICでは高スコアを持っているのになかなか話せるようにならないーー学習者が抱えるそんな数々の悩みを、スピーキングやTOEIC対策指導のエキスパート、冨田三穂さんが明快に解決します。

Q1 頑張っているのに、なかなか英会話がマスターできません。

ポイントは「メタ認知的学習」

頑張っているのに伸びない…と悩むことは誰にでもあります。もちろんスピーキング力は一朝一夕には習得できないことは頭で分かっていても、やはり練習をするからには成長も実感したいですよね。努力を成果につなげるためのポイント、それはメタ認知的学習にあります。

メタとは「高次の」という意味で、メタ認知とは「認知の認知」。つまり、メタ認知的学習とは、学習という活動をより高いところから認知しながら行うということです。ちょうど、自分が学習をするときにあなた自身が監督になって学習する自分を、上から見てコントロールする、そんなイメージです。

例えば、筋トレ。トレーナーにメニューをコントロールしてもらいながら取り組むと成果が出やすいと言われていますが、これも同じ論理ですね。

さらに、個々の練習でもメタ認知力をフル稼働させて行うことが大切です。「今、上腕二頭筋に効いている」と意識しながら筋トレをした方が、ただ漠然とダンベルを上げ下げするより断然効果が高いと言われています。

実際に体を動かしているのは筋肉ですが、使っているのは脳。トレーニングを脳に意識させることで成果を確実にするというのが、メタ認知的ストラテジーです。

自分の学習をコントロールしましょう

スピーキングの学習も同じことです。練習で動かすのは口ですが、それを脳とつなげます。まずは、自分が自分の学習の監督に就任しましょう。

「ペラペラになりたい!」というような、ふわっとした目標だけでなく、なるべく具体的なイメージを持つことをお勧めします。例えば、「スマートな雑談をする」とか「半年後の展示会は通訳なしで対応する」などでもOK。なるべく具体的な目標や到達点をイメージして、一段上に立って自分をコントロールしてください。

そして、練習をするときは、音読であっても、シャドーイングであっても、その練習にどんな効果があって、どう効いているのかを意識しながら行うことが重要です。伸び方が断然違います。これが、成功の決め手となるストラテジー、メタ認知的学習です。

Q2 音読は会話力アップに効果がありますか?

音読する際の注意

音読はとても良いスピーキング練習です。ただ、意味の理解を伴わない音読では効果が半減します。読むときは英文と意味をしっかりと結びつけて、イメージを頭で浮かべながら練習してください。また、スピーキング力を全体的にバランス良いものとするためには、音読などの「質」練習に加え、「量」の練習も取り入れることをお勧めします。

例えば、リーディング力アップには「多読」が良いと言われています。多読とは、読んで字のごとく「たくさん読む」学習方法です。

でも、リーディング力をさらに確実なものにするためには、多読に加え「精読」も必要です。単語や意味、文法事項にも焦点を当て、細かいところまで注意して読むことが精読。リーディング力を上げるには、多読と精読を組み合わせることが大切だと言われています。

「多話」と「精話」をバランスよく

スピーキング力も同様です。スピーキング力を伸ばすための練習は大きく分けて、「多話」(Extensive speaking)と「精話」(Intensive speaking)の2種類があります。多話とは、文字通りたくさん話すこと。自分のペースで良いので、話す機会を意識して作ります。

例えば、外国人に積極的に話しかけてみたり、オンライン英会話などを活用したり。もちろん対話だけでなく、英語で独り言を言う、なども良い練習です。能動的に話す機会を作ることで、話すことに抵抗がなくなります。

多話に加えて精話も組み合わせましょう。例えば、ニュース記事を繰り返し何度も音読したり、教材に入っているダイアログを真似してみるなどです。

映画のシーンを暗記するなども精話の練習です。一つの素材にしっかり向き合って、徹底的に練習することが精話で、スピーキング力を伸ばすには精話と多話にバランスよく取り組むことが重要です。

Q3 発音はどのレベルを目指せばいいでしょうか?

誰にでも理解してもらえる「良い発音」を目指しましょう

発音は明瞭なスピーキングをする上でとても重要な要素です。ただ、より大切なことは、全体のバランスです。コミュニケーションがしっかり成り立っているのか、相手に不要なストレスを与えていないのか、これがスピーキングの肝と言えるでしょう。

上手な発音であることに越したことはありませんが、ネイティブレベルで発音できることが絶対ではありません。むしろ「良い発音」を目指してはいかがでしょうか。

「良い発音」とは、誰にでも理解をしてもらえる発音で、逆に「悪い発音」とは、ほとんどの人にとって理解が困難な発音です。まずは、多少の母語訛りがあっても聞き手にストレスを与えない、「良い発音」を目指すことから始めるとよいでしょう。

きれいな発音に憧れるのはよいこと

ある研究によると、同じ内容の文章を「母語訛りの強い人」と「発音が上手な人」の2人に読んでもらい、採点者(英語ネイティブスピーカー)に文法判定テスト(文法的な間違えの有無判定)をしてもらったところ、ほとんどの採点者は「母語訛りの強い人」の方が「文法的な誤りが多い」と答えたそうです。

つまり、発音が上手な人の文法の誤りは、許容される傾向にあるということです。あまりにも聞き取りづらい、または誤解を与えてしまう発音は、意志の疎通どころか、実際の場面で信頼関係を損ないかねないので、そこはある程度練習を重ねて乗り越えましょう。

ただ、ネイティブ並みのレベルが絶対ではなく、あくまでも伝わりやすい発音かどうかが大切。あとは、その他の力とのバランスです。

しかし、そうはいっても、きれいな発音ですらすらと英語を話すと、ちょっとかっこいいですよね。イギリス英語に憧れがある、好きな俳優みたいに話したい、ということであれば、徹底的に練習をするのは大賛成です。憧れは言語習得の強い原動力となります。

Q4 TOEICスコアは800点超ですが、英語が話せません。

TOEICなどの試験で点数が取れているのに話せない理由は、大きく分けて次の3つの可能性があります。

  1. 「正確さ」にフォーカスしすぎている
  2. 話すための基底となる「概念」を伴っていない
  3. 知識が「自動化」されていない
「正確さ」にフォーカスしすぎている

話す時に「これはどの文型か」「ここは過去形を使うべきか」など、文法事項ばかりにとらわれすぎていると、発話における流暢性の発達が遅れることがあります。頭の中に浮かんだ概念が言語に乗って発話されるまでの時間が長くなる分、瞬発力が命のスピーキングにとっては障壁となるでしょう。

もし、勉強しているのになかなか「話せる感」を持てないのであれば、「精度第一主義」をいったん緩めてあげるのも一案です。

ただし、「間違ってもいいから話す」が常に是では、誤用が固定化(化石化)してしまいます。自信がない部分はそのままにせず、その都度振り返って確認するようにしてくださいね。正確さ、流暢さ、複雑さのバランスが取れていることが、良いスピーキングをつくります。

話すための基底となる「概念」を伴っていない

中身が大切と分かっていても、そもそも中身が薄すぎる場合もあるでしょう。英語文化では「沈黙は金」より、むしろ「雄弁が金」。アイデアが浮かばない…という状態からまずは脱することが大切です。

母語と第二言語には共通の基底があると言われています。日本語も英語も根っこの部分は一緒。

人が何かを話すとき、まず「概念」が底にあり、それらを言語コードに乗せて発話しているのです。この「根っこ」の部分が脆弱(ぜいじゃく)であれば、当たり前ですが「言いたいのに、言えない」となります。

概念を構築する思考がなければスピーキングはできるようになりません。日本語でも英語でもいいので、常に「思考を鍛える」意識を忘れずに。

知識が「自動化」されていない

もう一つの原因は、知識の「自動化」がなされていないということ。800点を取れているのであれば、英語力の基礎は出来上がっているはずです。単語量も十分でしょう。

でも、「知っている」だけでは事足りません。「知っている知識」を「使える知識」へ格上げする作業が必要です。前回、「自動化」について取り上げましたが、脳に効く深い練習を重ねて、知識を自動化させることができれば、スピーキングはできるようになります。 

まとめ

今回取り上げたお悩みは、日ごろ学習者の方からよく問い合わせを受ける内容です。回答でご説明した点は、いずれもスピーキング力アップには欠かせない要素ですので、ご自身の学習に足りないと思われる部分に補って、「脳に効く」スピーキング学習をしていきましょう!

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冨田三穂

冨田三穂(とみた みほ)

神田外語大学講師。『1000時間ヒアリングマラソン』の「スピーキング魂」担当コーチ。慶應義塾大学文学部卒業。上智大学大学院言語科学研究科博士前期課程修了(専攻:言語学)。英検1級、TOEIC990点。アルク主催TOEICテストスコアアップ指導者養成講座第12期生。大手英会話スクール講師や通訳・翻訳者を経て、現在は、自らが経営する「T’z英語ラウンジ」などで大学生、ビジネスマンを対象とした授業やセミナーを担当。監修に通信講座『TOEIC LISTENING AND READING TEST 完全攻略500点コース』(アルク)、カシオ電子辞書「EX-word RISE」学習プログラム監修協力、共著書にユーキャンの通信講座『TOEICテスト対策講座』、『TOEICテスト学習スタートブック 全パート編』(Jリサーチ)など。

写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)
撮影協力T’z英語ラウンジ