GOTCHA!

英語、仕事、勉強。いろんな「わかった!」をお届け。

英語での電話会議のコツ。資料を活用して「聞き取れない」を克服!

英語で電話会議、聞き取れない

同時通訳者でビジネス英語の指導経験も豊富な小熊弥生さんが、仕事の現場で本当に役立つ英語を教えます!使える英語表現だけでなく、その背景やビジネスをうまく進めるためのマインドセットも詳しく解説。ビジネスパーソン必見です!

こんにちは。同時通訳者の小熊弥生です。

通訳者やそれに並ぶくらいの英語上級者でも、苦手とする人が多い電話会議。前回引き続き、電話会議を成功させるための準備方法を教えます。

電話会議は、ネイティブ・スピーカーでも聞き間違えることがあるくらい聞き取りが難しいものです。電話回線の接続が悪くて音がブツブツ切れてしまったり、自宅や車中では生活音やペットの声などの雑音が邪魔だったり。また、世界各地から参加者がいる場合は言葉の訛りもあるので、さらに聞き取りが難しくなるのです。

しかし、諦めないでください。通訳者が実践している準備をすれば、電話会議の聞き取りもかなり楽になります

会議の資料があるだけで、ここまで準備できる!

電話会議の準備には資料が大切

電話会議の前に、主催者に対して会議のアジェンダ(日程や参加者、議題の順序などを明記した資料)を請求しましょう。このアジェンダを読み込むことが、スムーズなリスニングにつながります。読み込むときのコツは次の3つです。

①文字を追わずに、「資料作成者の意図」を追う

私も慣れないころは、どうしても資料の「文字」を追ってしまって、資料作成者の「意図」を理解しようとしないことが多々ありました。すると一通り読んだはずなのに、全然頭にメッセージが残らないのです。ですから、資料を読むときには「要はなに?」と自分に問いかけながら読んでみましょう

1ページずつ、「要は、プロジェクトの進捗状況を確認したいんだな」などと口に出して言っていくことも、意図を読み取るのに有効です。

②参加者の名前と肩書きから、発言を想定する

名前と肩書だけを根拠に、その人が何を言うかを想定するなんて「ちょっと難しいのでは?」と思うかもしれません。しかし、考えてみれば日ごろから、顧客や上司に提案しにいくときなどは「あの人なら、きっとこう言うだろうな」と予想を立てているのではありませんか?

それを、電話会議の準備でもやってほしいのです。まず資料を読み込んでから、参加者の立場と性格を考えて発言を想定してみてください。

もちろん、最初はうまくいかないかもしれません。しかし、やり続けると必ず精度は上がります。そのうち、アジェンダと参加者の名前・肩書きだけで、会議の流れを読めるようになりますよ

発言を想定する際のコツは、こんな感じです。

名前から想定

  • John Rise:アメリカ人らしい名前なので、訛りはないだろう。
  • Sean Lew:中国人らしい名前。移民なら訛りがあるかもしれない。2世以降であればないはず。
  • Bénédicte Rey:フランス人らしいので、かなり訛りがあることを覚悟する。You Tubeなどで、過去にこの人が話している動画がないかを確認する。

職種から想定

  • Senior architect:シニアのアーキテクト(設計者、事業計画立案者)なので、全体を把握した上で技術的な視点で意見を言ってくるだろう。
  • Business development:ビジネス側の人なので、営業視点に近く、顧客目線でシビアな意見を言ってくるだろう。
  • Human resources:人事部であり本社側の人なので、論理的にバランスの取れた視点で意見を言ってくるだろう。

会議でよく使う表現をマスター

続いて、会議の進行に必要なフレーズをチェックしておきましょう。これらの表現が聞き取れれば、会議の流れを把握するのが楽になります。

また、くり返し口に出して練習して、自分でも言えるようにしておくことも大切です。

1.発言権を得るための表現

May I?

ちょっといいですか?

Could I add?

補足しても良いですか?

Can I just say one thing?

一言よろしいですか?

2.自分の意見を伝える表現

「私はこう思います」と言うつもりで I think ~ と言いがちですが、実は日本人が思っているより弱い表現です。次の表現を使えば、自分の意見に確信があることをぐっと強く伝えられます。

I believe ~.

さらに揺るがない意見であると印象付けるには、 firmly を付けましょう。

I firmly believe ~.

続いてはこちら。「私の意見では」ということで、あくまで私見であることが強調されます。

In my opinion, ~.

次の表現を使うと、「自分の経験上の意見」であることが伝えられます。

In my experience, ~.

3.やんわりと反論する表現

「お言葉ではありますが」「失礼ながら」と、相手に敬意を払いつつ違う意見を言いたいときに頻繁に使える表現です。

With all due respect, ~.

With no disrespect intended, ~.

I respect your opinion, but  ~.

4.相手の意見に賛同する表現

次のような表現で同意していることを表現できます。賛同している程度に応じて使い分けましょう。

We completely agree with you.

完全に意見が一致しています。

We generally agree with you.

全体としては賛成です。

We, in principle, agree with you.

原則としては賛成です。

We, more or less, agree with you.

だいたい賛成です。

反対というわけではないけれど、賛成ともいえない。そんなときはこの表現を使いましょう。

We cannot say that we are in agreement.

賛成してるとは言えません。

自分が言いたいことを、あらかじめ英語でまとめておく

ほかの参加者の発言を想定できれば、自分が言いたいことも定まってくるはずです。自分が発言したい内容を整理し、英語で紙に書き出して、口に出して言うトレーニングをしておきましょう。

言い慣れてない英語のフレーズが練習なしに口から出てくることを期待するのは、突然バレリーナになるぐらい非現実的です。口の周りの筋肉を鍛えるつもりで、何度も発音練習してみてください。

会議の様子を、最初から最後までをシミュレーションする

これまでに、会議の要点を把握し、参加者の言うことを想定し、自分が言いたいことを英語で言えるように準備してきました。

最後にするのはこれ。頭の中で、会議の様子を最初から最後までシミュレーションするのです。ちょっと大変な作業ではありますが、資料を見ながら、自分一人で参加者全員分の発言を想定してやってみてください。

私は実際にこの方法をやってみて、会議での聞き取りが格段に楽になりました。一度やるだけでも、あなたの「電話会議の聞き取り力」は明らかに上がりますよ!

まとめ

練習が大切

英語での電話会議で、楽に聞き取りができるようになるための準備法をご紹介してきました。ポイントを整理すると次のようになります。

  1. 資料を読み込み、要点を把握する
  2. 参加者が言いそうなことを想定する
  3. 自分が言いたいことを英語にし、口に出して練習する
  4. 会議全体の流れを一通りシミュレーションする

先ほども書いた通り、一度もバレエを踊ったことのない人が、いきなりプロのバレリーナになれるわけがありません。同様に必要な準備をしなければ、英語会議がうまくいくはずがないのです。

この記事に書いたのは、何千回と電話会議を通訳してきた私が効果を実感している方法です。「英語会議で相手の言うことが聞き取れない」と悩んでいる方は、ぜひ実践してみてください。

小熊弥生

文:小熊弥生 https://ameblo.jp/interpreteryayo/
(株)ブリッジインターナショナル 代表。TOEIC280点から、独自の勉強法で半年後にTOEIC805点を取得。短大卒業から3年半で通訳者デビュー。現在は自身の経験をベースにした英語学習サービスを展開。1人1人の目的に合った効果的な学習プログラム作りを指南し、のべ600人以上の英語力アップに貢献している。