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英語が完璧じゃなくても強気で行ける!会議の進め方

英語が完璧じゃなくても強気で行ける!会議の進め方

文部科学省所管の国立研究開発法人に勤務し、次世代エネルギーの研究に携わる、工学博士ハズさん。イギリスの研究機関へ研究留学するまでと、留学中に実践した、「英語が完璧じゃなくても強気で行ける!プレゼンの方法」を3回にわたってご紹介いただきます。2回目は、会議の進め方についてです。

皆さん、こんにちは。実はこの原稿を書いている今、出張でイギリスに滞在中のハズです。僕は現在、仕事である委員会の議長を務めています。さまざまな国からの出席者がいると、文化の違いによって自己主張が強い人から謙虚な人までいろいろですので、会議をまとめるのも大変です(汗)。

僕の英語は完璧には程遠いけれど、それでも議長は務められます。ただ、的確なコメントを出すための言い回しは押さえておかなければならないと感じています。

会議でプレゼンの内容が理解できなくても悲観してはいけない!

今回はビジネスの現場では避けて通れない「会議」のお話です。会議にもさまざまな種類がありますが、ざっくり言うと会議出席者は、大きく3つに分けられます。

  • 議案を提案・報告するプレゼンター側
  • それを審議する側
  • 議事進行を行う側

例えば会議でプレゼンをする側に立った場合、せっかく素晴らしい成果や内容であっても、聞き手に正確に伝わらないと、過小評価されてしまうことがあります。

一方、聞き手側に立った場合、内容が分かりづらければ、質問して論点を明確にしなければ適切に審議することもできません。日本人は、難解なプレゼンを聞いた場合には黙ってしまう傾向が強いと言えます。

我々は、長い歴史の中で育てられた「謙虚な姿勢」という文化の中にいるため、特に学術会議などでの難解な発表はつい「自分には容易に理解できない奥深い崇高な内容だ」と思いこむ傾向があります。

しかし、多くの場合、内容が高尚だから難解に感じるのではなく、プレゼンターの意図がさっぱり聴衆に伝わっていないことが多いのです。

今回は、この中から「議事進行を行う」ことについてお話ししようと思います。

もしあなたがこのような会議で議事進行を行う「議長」を務めることになった場合、まずはプレゼンターの意図を汲み取る努力をして、議案のポイントを簡潔にまとめる必要があります。

次に、質問の内容がこれらの議案のポイントからずれてきてないかどうか注意して、必要があれば適切に軌道修正する必要があります。

  • プレゼンターの意図を汲み取る努力をする
  • 議案のポイントを簡潔にまとめる
  • 議案のポイントからずれたら、軌道修正する

これだけは押さえておきたい、会議を進める言い回し

これだけは押さえておきたい、会議を進める言い回し

会議をリードするために重要なフレーズ

議長として僕がよく使う言い回しをいくつか並べてみます。会議では堅苦しい表現を使われがちですが、会議の内容によっては、使う英語はできるだけ簡潔にした方がよいと思います。例えば開会時に

It is my great pleasure to extend a cordial welcome to you all. Many of you have come from all parts of the world to attend this meeting.

この会議に出席するために、世界中からお集りいただいた皆さんを心より歓迎申し上げます

なんて挨拶するのは、規模の大きい国際会議などの議長ならば良いかもしれません。

一方、もしあなたがもっとざっくばらんに議論してほしい会議を望むのであれば、まずは議長から、出席者への敬意を損なわない範囲で多少くだけた表現であいさつした方が良い場合もあります。例えば、

Ladies and gentlemen, I am very glad to welcome you to this meeting.

皆さん、この会議にお集まりいただき、大変うれしいです。

会議でよくあるスタイルは、協議事項が決まっていて、最初に協議内容に関するプレゼンをしてもらって、それから討論、決議というパターンです。プレゼンターにはあらかじめ協議事項が明確になるような資料を準備するように依頼しておくと良いです。

First of all, we shall ask Dr. A to talk about ..., and then we shall start our discussion.

初めに、A博士に~についてお話しいただきましょう。そのあとで、ディスカッションに移りましょう。

討論で議長が使う表現

ここからは討論で議長が使う表現を列挙してみます。

The floor is now open. Who has the first question for Dr.A?

どなたでも発言できます。A博士にどなたか質問はありませんか?

議案のポイントが複数ある場合には、一度に議論を始めるのではなく、1つずつこなしていくことでスムーズに進めやすいです。

 Could you discuss the topic in detail?

この問題について具体的に議論をしていただけますか?

一般論だけを並べた抽象的な議論になるケースもよくあります。具体的に議論するように促しましょう。あるいは、研究・開発の会議であれば、

Could you offer some experimental (or theoretical) evidence to illustrate the point?

ポイントを説明するための実験的(または理論的)な証拠を提供していただけますか?

というように、プレゼンターの主張を裏付ける実験(または理論)的な根拠を示してもらうと分かりやすくなります。

This is an interesting discussion, but it is off topic.

これは興味深い議論ですが、論点からずれています。

 議論していると、論点がずれてくることはよくあります。議長は論点を見失わないように軌道修正しましょう。しかし、このようなことを言う場合にはあまり失礼にならないように注意しましょう。「あなたの言っていることは的外れだ」と言うのではなく、「それは非常に興味深いが」とクッションを使いましょう。

困ったときに便利なフレーズ

実は学術会議でよくあるのが発表内容に対する批判です。これは会議の内容にもよりますが、何かを決定する会議の場合には、自分たちの目的に向かって建設的な議論をするように促す必要があります

I would like all of us to approach our discussion in a constructive manner.

私は議論に対して建設的に取り組んでいきましょう。

議論を収束させるポイントを見極めることは議長の重要な仕事です。出席者に意見を求めるべきところと議長が判断して決定すべきところがあります。

There do not seem to be any further objections. I take it that all members of the committee agree.

これ以上は異議はないようです。私は委員会が同意すると思います。

時間が許す状況であれば、収束しそうにない問題を次回に持ち越すことも検討しましょう。

Let’s continue this discussion at the next meeting.

次回の会議でこの問題について、もう一度話し合いましょう。

会議の終わり方のコツ

会議の終わり方のコツ

さて、何の反論もなくスパッと決まる会議もあれば、議論が紛糾し、収拾するのも一苦労という会議もあるでしょう。白熱した議論が繰り広げられるのは、考え方によっては現段階での問題点を浮き彫りにしているかもしれません。

I am sure you have all found this discussion to be especially fruitful and valuable. I would conclude by saying that …

 この議論が特に実り多く、貴重であることを皆さんがお気づきになっていると確信しています。私は・・・と結論づけたいと思います。

In conclusion, I believe we have made gratifying progress. However, I would point out that much still remains to be done, particularly on the subject of …

結論として、私は喜ばしい進歩を遂げたと信じています。しかし、・・・については、解決すべき多くの課題がまだ残っていることを指摘いたします。

会議をまとめるときは、議論を交わした参加者に敬意を表しましょう。そして、残った課題に対する認識を共有しましょう。 

ここに書いた例は、ほんの一部ですが、使われている英語はどれも非常に簡単なものばかりであることが分かると思います。これは僕が出席する会議は概して英語を母国語としない国からの参加者が多いこともありますが、この記事の冒頭でも述べましたように、聞いている側の立場になって分かりやすい表現を使うことが最も重要なことだと思うからです。

もっと言うと、イギリス人や米国人の参加者から見れば、議長の僕の英語が多少つたなかったり、発音が悪かったりすることくらいは当然彼らも分かっていて、それ自体は何の問題でもないのです。

やってみて気づくのは、文化的な違いから生じる発言者の主張の仕方などを除けば(日本人でもいろいろな人がいますし)、日本語で議長を務めることとそれほど大きく変わらないように思います。

ちょっとした笑いを取るスピーチを用意しよう

ところで、議長は会議の議事進行と取りまとめが大きな仕事であることには変わりありませんが、日本人にとって1つだけ忘れないようにしておかなければならないことがあります。国際的な会議の場合、懇親会やビジネスディナーが設けられることが多いです。

そこで議長は、乾杯の言葉や気の利いたスピーチなどが求められます。突然指名されることなんてザラですが、もしあなたが国際プロジェクトの中でリーダーシップを求められているならば、会議中だけなく、このような席でも堂々とした姿勢で臨みたいものです。

こればかりはパーソナリティーにも依存しますが、できればちょっとした笑いを取るくらいのスピーチを用意しておきたいものです。そういえば僕は最近の懇親会でマジックを演じてみました。こうした演出は会議出席者との距離をグッと縮めますね。みなさんも外国人とのパーティーでスピーチを求められたら、ぜひ積極的に応じて特技を披露しましょう!

次回は、僕がイギリス滞在中に、大学で講義をしたときのことをお話ししたいと思います。

ハズ

文:ハズ
文部科学省所管の国立研究開発法人研究員。専門は電磁流体力学、エネルギー工学。TOEIC L&R 960点。家族は妻と息子1人。最近は地域の子どもたちにマジックを見せて笑顔にするのが楽しい。筆頭著者論文約30編。工学博士。

編集:増尾美恵子