900点取っても英語が話せないのは当たり前?ヒロ前田の間違いだらけのTOEIC勉強法。

TOEICでハイスコアを持っているのに英語が話せない。そんなことってあるのでしょうか。TOEIC対策でスピーキング力を伸ばすことはできないのでしょうか。TOEICスコアUPトレーナーのヒロ前田さんが、生徒たちとディスカッションします。

今回の登場人物

 ヒロ:TOEICスコアUPトレーナーとして、学生から社会人までのTOEICスコアアップを請け負うカリスマトレーナー。47都道府県すべてを行脚(あんぎゃ)して公開テストを受験したという、TOEIC版伊能忠敬のような人。
 マイ
 ケン

TOEICのスコアとスピーキング力の関係は?

(ヒロ)どうも。前田です。先日、こんな話を耳にしました。

「TOEICで900点を取っても、英語を話せない人がいる。だったら、スコアアップのための研修なんか意味がない」

このような不満が社内で聞こえてくるというです。社員研修を企画している人事部が抱える悩みだそうです。

今回は、TOEICのスコアと英語を話す力の関係について、マイとケンに話してもらいましょう。

900点で話せないなら、600点を目標にする意味などない?

(マイ)確かに、「TOEICのスコアが高くても英語が話せない」という話はよく聞くね。

(ケン)実際にそういう人はいるよ。900点と言えば受験者の上位3パーセントくらいだけど、 それほどスコアが高くても英語を上手に話せない。 だったら、今400点の人が「600点を取れ」などと言われても、やる気が出ないのも無理はない。

(マイ)どうして?

(ケン)仮に自分が600点を取ったとしても、どうせ英語を話せるようにならないと 予想 できるからだよ。

(マイ)それはおかしいわ。 スコアも話す力も高い人だっている でしょ。

(ケン)そうだね。

(マイ)TOEICスコアが高いのに話せない人を見て、自分の暗い将来を 予測 するくらいなら、スコアが高くて上手に話せる人を見て、自分もそうなれると 希望 を持てばいいのに。

(ケン)理屈としては分かる。でも、実際は、スコアも話す力も高い人が自分の周りに全くいないんだよ。いたとしても、スコアも話す力も高い人は、たいてい学生時代から英語が好きで勉強してきた人で、「自分も同じように力が伸びる」とは思えないんじゃないかな。

英語を話す力を測定していない

(ヒロ)TOEICの人気が高まるにつれて、批判も増えてきました。おそらく、最も多いのは「高いスコアを取っても英語を話せない」といったタイプの批判です。

それらは、批判としてあまりにお粗末なので、真面目に反論する気もありませんが、1つ 指摘 しておきます。 TOEIC は英語を話す力を測定していません。 ですから、スコアと話す力を比べて「○○点なのに、××できない」と語るのは乱暴です。

TOEICという名称は「国際コミュニケーションのための英語力を測るテスト」という意味です。また、「グローバル社会で必要な英語力を測定する」といった文言も宣伝されているかもしれません。

しかし、リスニングとリーディングという2つのセクションしかないマーク式テストで、英語を話す力が測定できないことは明らかです。 したがって 、ハイスコアなのに英語を話せない人がいることを理由に、 TOEICや研修に不満を述べるのは全くの筋違い です。

問題があるとすれば、TOEICのスコアが英語を話す力を示していると思い込むことでしょう。

TOEICテストには TOEIC Listening and Reading Test と TOEIC Speaking and Writing Tests があり、受験者は目的や測りたいスキルに合わせてテストを選べるようになっています。常識を働かせれば、英語を話す力を測定するのは TOEIC Speaking Test だと気づきます。

「TOEIC Speaking Test のスコアが(200点中)180点なのに英語を上手に話せないのはおかしい」という批判であれば筋が通ります。ですが、そのような話は今までに聞いたことがありません。

企業は「努力する人」「結果を出す人」を見ている

(マイ)ケンは「スコアアップのための研修に意味はない」という考えに賛成なの?

(ケン)いや、そうじゃない。 そもそも 企業が社員にTOEICスコアを課す理由は、 英語を話す力を測定することだけじゃない と思うし。

(マイ)そうよ。英語に触れる機会を少しでも増やしてほしいからでしょ。

(ケン)あと、努力する姿勢や課題をクリアする力を見たいの かもしれない

(マイ)確かに。半年で200点アップして目標達成する社員は「たくさん努力する人」とか「要領よく結果を出す人」とみなせるね。

(ケン)たとえTOEICがテクニック(英語と直接関係のない問題の解法)だけで100点アップできるテストだとしても、それを実行して結果を出す人と、批判だけして行動しない人に分かれる。会社にとって有益な人材は前者だね。

(マイ)賛成。もっと言えば、スコアを上げながら TOEIC Speaking Test を勝手に受験し、スピーキング力が伸びていないことを証明する社員がいたら、そのリサーチ能力が重宝されるかもね(笑)。

(ケン)なるほど。ただ、会社の意図を先読みして、 英語を話す力も勝手に伸ばしちゃう人が最強 だね。

スピーキング力を伸ばせばスコアも上昇する

(ヒロ)いくらTOEICが話す力を測定するテストではないとしても、英語力の一部を測定することには違いありません。そして、話す力を伸ばす訓練を続けていれば、語彙や文法、読解やリスニングの力も高まり、スコアは必然的に上がります。

話す力を伸ばすにはTOEIC対策本があれば十分で、それ以外に特別な教材は必要ありません。対策本の日本語で書かれた解説や訳を読む時間を減らし、英語を脳内に吸収してアウトプットする練習をすれば、話す力は伸びていきます。

このような練習を、スコアアップを目指す上では「遠回り」だと勘違いしている人が多いような気がしますが、そんなことはありません。英語を話す練習は 正確な英語を大量にインプットする ことを 前提 としますから、TOEICのスコア上昇にも大きく貢献するのです。

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ヒロ前田(ひろ まえだ)

TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。 取得 スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEICRテスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEICRテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEICRテスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
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