「日本ではどうして○○なの?」に答えられますか?

『ENGLISH JOURNAL(EJ)』で大好評のキムタツ先生こと木村達哉さんの連載、「キムタツ式日常表現クイックレスポンス!」がこのたびEJOにも登場。どんなに英語を学習しても、意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生式クイックレスポンストレーニング(日→英を高速変換)で言いたいことを英語で言えるようになりましょう!

「クイックレスポンス」トレーニングとは?

みなさん、こんにちは。木村達哉です。英語を勉強していると、身の回りで日常的に起こるさまざまな出来事について、ふと思いついて口に出したい表現、たくさんありますよね。しかし実際には、 英語でなんていうか知らなかったり、適切に表現できる動詞が分からなかったりして、何も言えずに終わってしまう・・・ 「あるある」な経験ではないですか?

日常的な出来事を英語で話したいならば、それに応じた語彙や表現を学習する必要があります。また、体に染み込ませるようにそれを何度も口に出して、なじませておくことも重要です。

そのために行うのが、 言いたい表現をまずは日本語で聞き、それに対応する英語をぱっと浮かべる「クイックレスポンス」トレーニング です。

「日本ではどうして○○なの?」に答えられますか?

海外であっても有名な観光地であれば日本語が通じることが多いですし、英語が必要な場面があっても、最近では翻訳をしてくれるスマホアプリなどもあります。ですから、短期間の海外旅行ぐらいでは、英語であたふたすることは少なくなってきました。

とはいえ、海外では英語以外のことで困ることも出てきます。というのも、日本と日本人について尋ねられることがあるのです。僕は以前、イスラエルから来た先生と知り合いになり、「どうして日本人の多くは無宗教なんだ?」と聞かれたことがあるのですが、答えられませんでした。

そうすると

You’re Japanese, but you don’t know much about the history of your mother country. It’s a shame!”
君は日本人なのに母国の歴史を知らないのか。残念だよ!

という言葉が返ってきました。僕は、本当に恥ずかしくなり、帰国してから日本史の勉強を始めたのを覚えています。

外国の人に日本文化や日本人について堂々と話せる程度の知識や考えは持っておきたいものですね。もちろん、それを伝えるための英語力も身に付けなければいけません。

お正月、花見、夏祭り、紅葉狩り・・・といった、 日本の文化に関する英単語は、例えばカレンダー形式の表などにまとめて覚えてみてはどうでしょうか。 東京オリンピックが開催される2020年の、政府が目標とする訪日外国人観光客数は4000万人と言われています。彼らに「日本ではどうして○○なの?」と尋ねられたとき、しっかりと話せたらすてきですよね!

「クイックレスポンス」トレーニング手順

例題に取り組む前に、トレーニング手順を説明します。

  1. 例題の日本語・英語表現を確認します。分からない単語や文法があれば、 事前に 調べておきましょう。
  2. 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直しましょう。
  3. 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
  4. 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
  5. 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
  6. もう一度音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。

例題

今回は、日本の文化などについて話すときに使いたくなるようなフレーズを取り上げました。下の4つのフレーズを一通り確認したら、早速音声を聞きながらクイックレスポンストレーニングに取り組んでみましょう。

お正月、お年玉はいくらもらったんだい?
How much money were you given at New Year?

節分の日には家庭で豆まきが行われます。
Bean-throwing is done at home on the day of Setsubun.

春と言えば、なんといっても花見だよな。
Speaking of spring, cherry-blossom viewing is my favorite event .

梅雨入りと梅雨明けの時期は平年並みでしょう。
The beginning and end of the rainy season will happen at about the same time as an average year.

文:木村達哉
文:木村達哉

1964年1月29日生まれ。奈良県出身。関西学院大学文学部英文学科卒業。奈良県の私立高校教諭を経て1998年より灘高等学校英語科教諭。教員と執筆業以外にもラジオのパーソナリティーを努めるなど多方面で活躍。趣味は沖縄の海に潜ること。また野球が好きで、灘中学校野球部監督を務めている。主な著作に「センター試験英語」シリーズ、「東大英語」シリーズ、夢をかなえるシリーズ(いずれもアルク)、「熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター」シリーズ(講談社)などがある。

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