「TOEICテクニック熱」にご注意!真の英語力を身に付けよう

英語がイヤでも、苦手でも、とにかく、ひたすらたくさん勉強すればできる!と信じていませんか?そんなあなたにおすすめなのが、連載「イングリッシュ・ドクター 西澤ロイの英語お悩み診療所」。第3回は、英語学習によくある病気「TOEICテクニック熱」の治療法をお教えします。

TOEICに向けた効果的な勉強方法とは?

年間に約250万人が受験しているTOEIC L&Rテスト(以下、TOEIC)。例えば、 英語の実力をTOEICスコアで測定 したい。 就職や転職のために一定のTOEICスコア が欲しい。 会社からTOEICスコアを求められる ようになった――。さまざまな理由で、TOEICを受験したいという方が多くいらっしゃいます。

では一体、どのように勉強するのが良いでしょうか?

【a】パート別の出題パターンを理解し、タイムマネージメント術を磨く

【b】問題集などを使い、ひたすらに問題を解くことで正答率を高める

【c】まとまった学習をするチャンスだと捉え、英語を基礎から学びなおす

これだけ多くの方が受験している試験ですから、インターネット、書籍、セミナー、企業研修などで試験対策のための情報があふれています。私がイングリッシュ・ドクターとして危惧しているのは、そのような情報の大部分が 「英語力と直接は関係のないテクニック」 であることなのです。

ビジネスで使える英語力を身に付けたいはずが・・・

ごく普通の英語学習者の方は、TOEICテストの受験を通じて、英語を学び直したり、ビジネスで使える英語力を付けたりしたいはずです。しかし、本来望まない受験テクニック(「TOEICテクニック熱」という英語病)に侵されてしまう 可能性 が非常に高く、注意が必要なのです。【a】のような対策は特に、受験テクニックに偏りがちなので注意が必要です。

まず大 前提 として、TOEICテストの出題形式を知り、それに慣れておくことは重要です(TOEIC 実施 元のETSも、それだけは勧めています)。しかし、それ以上の試験対策は、私は基本的に不要だと考えています。

なぜなら、 出題パターンを気にしてしまうのではなく、どんなパターンの問題でも正解できる実力をつけた方が良い からです。また、タイムマネージメント に関して も、学習の最初からやるべきものではありません。

いきなりタイムマネージメントをやってはいけない

TOEICは時間のない試験であり、わずか2時間で200問を解かなくてはなりません。タイムマネージメントがうまくできないと、確かに実力をうまく発揮できずに終わってしまうでしょう。

ですから例えばリスニングのパート3や4では、設問を先読みしたり、マークシートの塗り方を工夫したりすることがスコアにも 影響する のは事実です。また、英文が素早く読めることも大切なスキルです。

しかし、英語の実力を付ける前にタイムマネージメントをやってしまうのは、本末転倒なのです。まずは、 時間をしっかりとかけ、きっちりと解くことのできる英語力を付ける ことを考えましょう。

問題をただ解いてもダメ

【b】のように、公式問題集やパート別の問題集などを使って、ひたすらに問題を解く人もたくさんいることでしょう。そこで次の質問に答えてみてください。

Q1.問題を解き、解説を読むだけで終わりにしていませんか?
勉強をしているのに、あまりスコアが上がらなかったり、実力が伴わなかったりする人は、答えが「はい」のケースが多いでしょう。そのような方にオススメしたいのは、【c】の考え方です。TOEICのための勉強をすることを 「英語を基礎から学びなおすチャンス」 だと捉えるのです。

では、どのような学び方が良いのでしょうか? そのためのヒントとして、以下の質問に答えてみてください。

Q2.問題として登場した英単語や英文法が全て理解できていますか?
Q3.リスニング に関して 、全ての英語が聞き取れていますか?
両方とも「はい」と答えられる人は、間違いなく英語の実力もあるはずです。ただ、ほとんどの学習者は、いきなり全てが理解できたり、聞き取れたりはもちろんしないでしょう。つまり重要なのは、 知らない単語があれば意味をきちんと調べ、分からないところがあればその疑問点や不明点をしっかりと解消していくこと なのです。

リスニングにおいても、聞き取れなかった箇所はスクリプトでしっかりと確認しましょう。そして、パーフェクトに聞き取れるように、何度も何度も繰り返し聴くべきなのです。

そのような意識をもって、TOEIC対策の学習をしたならば、 スコアアップはもちろん、ビジネスで使える英語力にも間違いなくつながっていく ことでしょう。

今回の"処方箋"

「問題が解ける」ことよりもずっと上を目指そう

「TOEICテクニック熱」の“治療”のポイント

1.問題の中に知らない単語が出てきていたら、後できちんと意味を調べておく

2.リスニングの音声は、全てを聞き取れるように何度も繰り返し聴く

3.疑問点や不明点はしっかりと解消する

試験対策を行なうとなると、問題を解くことでつい勉強をした気になってしまいがちです。しかし本当に大切なのは、TOEICの問題が楽に解けるだけの英語の実力を付けることのはず。

ぜひ上記3つのポイントを意識しながら、勉強をしてみてください。そして、自信をもってTOEICの問題が解けるだけの、本物の英語力を身につけていきましょう。

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