「1000時間ヒアリングマラソン」主任コーチが教える、英語をモノにする9つの習慣

英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。

1000時間の特訓メニュー:9つの習慣

この連載の第1回 では、中級者の壁を乗り越えるのに「1000時間の練習が不可欠」、しかも、「3年以内で」というお話をしました。この過酷な練習を乗り切るために、 連載の第2回 では、自分にとって楽しい練習にする提案をしました。

さて、今回は、そのための 具体的な 取り組み 方、つまり学習習慣についてお話します。題して「英語をものにする9つの習慣」です。皆さんの1000時間特訓メニューのヒントにしてください。

1:ルーティンな学習を月刊誌で(習慣の中心軸)

1000時間の学習をするには、その中心となる教材(コア教材)が必要です。

おすすめは月刊の英語学習誌です。その教材を1カ月の学習の中心に据えてルーティンとなる学習習慣を作ります。 月刊なので毎月の一定量の学習が確保 できます。

『ENGLISH JOURNAL』(アルク)、『CNN ENGLISH EXPRESS 』(朝日出版)、NHK英語教材、そして正確には月刊誌ではありませんが、毎月新しい教材が届く「 1000時間ヒアリングマラソン 」(アルク)などがおすすめです。

冊子・CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2018年5月号
  • 出版社/メーカー: アルク
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 雑誌

2:音声を持ち歩く(多聴)

1000時間の学習には、 隙間時間の活用が不可欠 です。コア教材やその他の教材の音声をスマホやMP3プレーヤーに入れて持ち歩きましょう。

通勤時間が片道1時間だとすれば、毎日2時間はリスニングの練習ができます。私は40年前に『ENGLISH JOURNAL』のカセットテープを持ち歩き、テープが擦り切れるほど毎日のように聞いていました。

3:寝る前に「1分間の独り言」(話す訓練)

毎晩寝る前に「1分間の独り言」を英語で言ってみましょう。

音声日記のつもりで、「今日あったこと」や「明日の予定」などを布団の中でつぶやきます。どうもこれをやると寝つきが悪いという人は、出勤または帰宅途中でもいいでしょう。

たまにスマホで録音し、スピーキング力の点検 をしてもいいでしょう。

4:週末にはネット動画(現実との接点)

「教科書(本)」の中だけの学習では退屈になりがちです。語学の醍醐味は、やはり、現実の中でその言葉が理解できたり使えたりする経験です。

その点、ネット動画は 自分の学習に「現実との接点」を提供 してくれ、日頃の学習の刺激になります。 NHK WorldのNews はできれば毎晩、また、週末には趣味などのネット動画を見るようにしましょう。

www3.nhk.or.jp

5:月2回はディクテーション(精聴)

コア教材などの音声を使って、月に2回程度ディクテーションをしましょう。

長い音声は避け、1分程度のものでやります。5、6回、繰り返し聞きながら書き取り、その後、スクリプトを見て聞けなかった部分をチェックします。

「模範的(教科書的)な発音」と一般の話者の発音はかなり異なります。 現実の発音に慣れるにはディクテーションが 有効 です。

6:2カ月に1冊の本、または1本の映画を(まとまった内容)

教科書、学習誌、問題集などで見る(聞く)英語は、大抵が短い内容のものです。 従って 、感動や知的刺激はありません。そこで、2カ月に1冊は英語の本を読む、あるいは1本英語の映画(DVDなど)を見て、 まとまった内容の英語を経験 しましょう。

2回目の連載で紹介したGraded Readers のような簡単な読み物や、自分の趣味に関連する本、日本文学の英訳本(例:漱石のBotchan)などから始めてもよいでしょう。

また、映画はDVDであれば、英語と日本語の音声と字幕を自由に選択・組み合わせができます。次のような組み合わせで3回くらい繰り返し見るといいでしょう。

  • 1回目 音声:日本語、字幕:英語
  • 2回目 音声:英語、字幕:英語
  • 3回目 音声:英語、字幕:なし
坊っちゃん―BOTCHAN 【講談社英語文庫】
  • 作者: 夏目漱石,アラン・ターニー
  • 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
  • 発売日: 1997/04/01
  • メディア: 文庫

7:半年に1度はほかの学習者と交流(モチベーション)

1000時間の学習には モチベーションの維持が欠かせません 。セミナーやイベント、学習会などに参加すると必ずモチベーションはアップします。

講師から学ぶだけでなく、会場で交流したほかの参加者から刺激を受けたり、学習法や悩みをシェアしたり、学ぶことは少なくありません。アルクでもたくさん開催しています。半年に1度は参加しましょう。

8:年に1度は英語技能試験を受ける(目標と評価)

長期的な目標を達成するためには、 段階的な短期目標を設定することが効果的 です。

例えば、最終目標は映像翻訳家になることだけど、 とりあえず 、9月のTOEICで800点を超えようと。

そして試験を受け、評価を受け、 一定の緊張と刺激で学習が継続 されます。TOEIC、英検、通訳案内士(通訳ガイド)試験などをその道具にしましょう。

9:学習時間を記録(計画管理)

以上の活動を手帳や日記に記録し、 1週間 単位 で管理 します。記録も管理も大雑把(おおざっぱ)で結構です。手帳にその日の学習時間だけを書き、週末に1週間の合計を出します。

学習が、自分の計画に沿って週20時間ペース(1年で1000時間)で進んでいるか、または週10時間ペース(2年で1000時間)か、週7時間ペース(3年で1000時間)かをチェックします。「週7時間」を下回らないことが肝要です。

 

予告:次回は「英語はリスニングから:耳から口へ」についてお話しします。

 

1000時間ヒアリングマラソン

1982年に開講して以来、アルク人気 No .1の通信講座。生きた英語を聞き取り、多彩なトレーニングによって「本物の英語力」を身に付ける教材です。ネイティブスピーカーが使うリアルな会話やニュース英語、映画のセリフなどさまざまなジャンルの素材がたくさん収録されているだけでなく、トレーニングで力が付くようしっかり導き、細やかなカリキュラムに沿って学習を進めます。

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松岡 昇(まつおかのぼる)

青山学院大学大学院国際政治経済研究科修了。専門は、国際コミュニケーション、社会言語学。現在、獨協大学、立教大学及び大手企業を中心に講義やセミナーを務める超人気講師。 NPOグローバルヒューマンイノベーション協会理事。アルクの通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ。著書も多数ある。

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