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トマトソースにホワイトソース?世界でSoba(そば)がアツいらしい 【連載】海外ニホンゴ調査団 第1回

世界のニホンゴ調査団

古くは「スシ」「ゲイシャ」「ニンジャ」。そして「モッタイナイ」に「オモテナシ」。海を渡って世界で使われていると言われる日本語がありますが、最近ではどの国でどんな言葉が使われているのでしょうか。「世界のニホンゴ調査団」は、世界80カ国以上の現地在住日本人ライターやカメラマンの集団「海外書き人クラブ」がリレー形式でお伝えします。

スーパーで普通に買える「soba」

第1回は「海外書き人クラブ」お世話係で、今回「世界のニホンゴ調査団」の団長の任を拝した私、柳沢有紀夫がオーストラリアからリポート。ちなみに「モッタイナイ」も「オモテナシ」もオーストラリア人の口から一度も聞いたことがないのは……単に私の勉強不足ということにしておきましょう。

さて、世界中で「ラーメン」がブームなのはご存知の方も多いと思います。きっとこのリレー連載でもいつか誰かが取りあげてくれるでしょう。というわけで、今回は同じ麺類から「soba」を取り上げたいと思います。

じつはオーストラリアでは、都市部のちょっとした大きさのスーパーであれば、「日本食」の棚があります。お米や海苔、巻き簾(海苔巻きを巻く道具ですね)、醤油にわさびなどに交じって「そば」と「うどん」の乾麺も置かれているんです。そう、日本食材店や中華系や韓国系の人が経営するアジア食材店にかずとも、そこらでそばが手に入るんです!

オーストラリアで売られているそばとうどん
オーストラリアで売られている“Made in Australia”のそばとうどん

……まあ、日本人であるわれわれは、日本食材店に買い出しにったついでに入手することがほとんどです。種類も多いですし。でもオーストラリア人にしてみたら、わざわざ日本食材店にかずともいいのは便利でしょうね。

見たことのない「そば」メニューがたくさん!

では、なぜ「そば」がスーパーに置かれているのか。これはおそらく「そばを使ったレシピがあちこちで紹介されているから」です。そう、たとえば新聞に「おすすめレシピ」みたいなコーナーがあるのですが、そこでもそばは大人気

と、ビックリマークを付けましたが、喜んでばかりはいられません。というのはそのレシピ、たとえば「そばとシーフードのトマトソース」とか「そばとチキンのアルフレッドクリームソース」とか「そばのジェノベーゼ」(バジルペストと粉チーズ、オリーブオイルをあえたもの)といった「うーん、それはそばじゃないだろ」と思わず首を傾げたくなるものも散見されるからです。「バスタの代わりにそばを使う」という感じですね。

とはいえ、われわれ日本人も本場イタリアにはない「ナポリタン」だとか、「明太子パスタ」「納豆パスタ」など和風バスタを次々と開発。そしてそれがまたイタリア人にもおすすめしたくなるほどおいしい。洋風にアレンジされた一見不思議なそばからも、思わぬ逸品が生まれる可能性はあるでしょう。

そして試食の時を迎えた!

というわけで実際に作ってみました(なんだかYouTuberみたいになっていますが)。

選んだレシピは「そばのジェノベーゼ」。これにした理由は「冷蔵庫に使い古しのジェノベーゼソースがあった」「ジェノベーゼソースと粉チーズとオリーブオイルと塩、こしょうだけでできてカンタン」「トマトソースやホワイトソースと違ってシーフードやチキンなどの具を入れなくてもいいから、万が一まずくてもあまりもったいない気にはならない」といったところです。

はい、作る前から腰が引けています。で、できあがったのがこちら……。

そばのジェノベーゼ
実際につくった「そばのジェノベーゼ」。見た目はそれほど悪くない

そしていよいよ試食ですが、頭の中に疑問がくるくると渦巻きました。「はたしてこれはフォークで食べるべきか、箸にするべきか」。でも麵はそばですし、極細パスタであるカペッリーニ並みの細さ。フォークで悪戦苦闘するよりも箸で食べるのがおりこうさんというものでしょう。

そしてそのお味は……。正直なところ、「悪くない」です。「すごくよくもない」ですが。よくよく考えたら、そばそのものにはほのかな味しかない。一方ジェノベーゼソースはかなり強い味と香りなので、勝ってしまうのですね。

たぶんトマトソースやホワイトソースで食べても同じような感じだと思います。

健康的なイメージが人気の秘密

さて、そんな「そば」に関して、オーストラリアの英語ネイティブの声を聞いてみました。

I occasionally eat Soba. I like the fact that it's gluten-free. I'm not a fan of dipping soba into a small cup of rich soup, but I like the other Japanese way of eating soba, where the soba is already in a large bowl of light flavoured soup. It goes so well with tempura.

 

「そばはときどき食べるよ。グルテンフリーなのが気に入ってる。小さなカップに入った濃いスープにつける食べ方は苦手だけど、同じ日本風でも最初から薄い味のスープが入っている大きなボウルで食べるのは好きだね。てんぷらともよく合うし」

「小さなカップに入った濃いスープにつける食べ方」というのは「ざるそば」や「もりそば」、そして「最初から薄い味のスープが入っている大きなボウルで食べる」というのはどんぶりに入った「かけそば」のことでしょう。

この人が言った通り、同じ日本の麺類である「うどん」に比べて、そばのレシピが数多く紹介されているのは健康的というイメージがあるからでしょう。とはいえ、そば粉だけで作っているいわゆる「十割そば」は実際には少なく、つなぎとして小麦粉が使われているものがほとんどですが……。

まとめ

料理が海外に進出すれば、その国に合わせた形にアレンジされるもの。それを「邪道」と言うか、「進化」と呼ぶか。中国発祥のラーメンと、インドを起源とするカレーライスが「日本の国民食」となったように、「そばが国民食」という国も出てくるかもしれない。と、なんだか夢も大盛りです。

 

海外書き人クラブ

文・写真:海外書き人クラブ・柳沢有紀夫

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