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公式問題集はベストの教材なの?ヒロ前田の間違いだらけのTOEIC勉強法。

公式問題集はベストの教材なの?ヒロ前田の間違いだらけのTOEIC勉強法。

世にはびこる間違ったTOEIC対策法を正す連載の第4回。今回、ヒロ前田さんが取り上げるのは「公式問題集」です。TOEIC対策にはこれがベストと言えるのかどうか。早速、ケン、マイのディスカッションを聞いてみましょう。

今回の登場人物(色分け)

ヒロヒロ:TOEICスコアUPトレーナーとして、学生から社会人までのTOEICスコアアップを請け負うカリスマトレーナー。47都道府県すべてを行脚(あんぎゃ)して公開テストを受験したという、TOEIC版伊能忠敬のような人。
懐疑派マイ:賛成派
懐疑派ケン:懐疑派

「公式問題集」がベストの教材なのでしょうか。

ヒロ(ヒロ)どうも。前田です。今回は、マイとケンに公式問題集について話してもらいます。

正確に言えば「公式問題集」という名前の問題集は存在しません。IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会) が出版する、ETS(Educational Testing service:TOEICの問題を制作している団体)のロゴマークが入っている本が「公式教材・問題集」と呼ばれています。それらを「公式問題集」と呼ぶことにしましょう。

公式問題集は「TOEICそのもの」と言えると思う(賛成派)

賛成派(マイ)私は公式問題集がベストだと思う。何しろ、TOEICを作っているETSが作った問題集なんだから、公式問題集は、はっきり言って「TOEICそのもの」と言えるよね。

懐疑派(ケン)確かに英文のクオリティは本番と同じレベルだけど、ほかの問題集は劣ると言えるかな。

賛成派 「ほかの問題集」って、公式ではない問題集? 

懐疑派 そう。仮に「非公式の問題集」と呼ぼうか。非公式の問題集でも良質のものは多いって聞いたことがある。

賛成派 そりゃ、良い本はあるけど本家本元には負けるよ。

公式問題集の質を超えるものは存在しようがない

ヒロ(ヒロ)非公式の問題集は数え切れないくらい出版されているため、収録された練習問題の質に差があるのは当然です。しかし、たとえば10年前と比べれば「本番との類似性」という意味での質は確実に上がっています。

これは、手に入る公式問題集の数が以前より増えたことや、インターネットの普及によりユーザー同士の情報交換が容易となり、その結果、良質の本が生き残りやすくなったことが原因です。

同時に、「TOEICらしさ」が著しく低い問題集が存在することも事実です。

もっとも、本家本元であるETSが「ホンモノの基準」を決めている以上、公式問題集の質を超える非公式の問題集は存在しようがないと言えます。

良し悪しを決めるのは、必ずしも練習問題のクオリティーではない(懐疑派)

懐疑派(ケン)公式と非公式の問題集を比べるとクオリティに差があるってこと?

賛成派(マイ)そうよ。

懐疑派 じゃあ、その差は成果の違いを生むくらい大きい差なのかい?問題集を使う人にとって大事なのは「スコアアップ」という成果だよね。

賛成派 そんなことは知らないわ。それに、測定できないでしょ、そんなこと。

懐疑派 だったら、公式問題集がベストとは言えないよ。

賛成派 試験本番に一番似ている本を使って勉強するに越したことはないでしょ。

懐疑派 もちろん、越したことはない。ただ、教材の良し悪しを決めるのは、必ずしも練習問題のクオリティーじゃないよね。

賛成派 どうして?

懐疑派 こう考えてみよう。Aさんは来月TOEICを受けるとする。でも、出題形式すら知らない。Aさんは公式問題集を使うべきかな。

賛成派 もちろん。

懐疑派 では、10回受験したことがある、650点のBさんはどうだろう?

賛成派 公式問題集でいいよ。最高のクオリティなんだから。

懐疑派 リーディングセクションが220点でも?

賛成派 220点?

懐疑派 そう。パート5とパート6を解くのに30分かかる。しかもミスだらけ。公式問題集はBさんにとってベストかな?

賛成派 ベストじゃないって言いたいのね。

懐疑派 その通り。公式問題集は、練習問題の質は最高だけど、その意味は「本番に似ている」ということだから、弱点を補強する教材としてベストとは言えない。リスニングや文法といった、スコアアップに必要なスキルを習得させることを意図していないんだよ。弱点補強が目的なら、そのために選ぶべき教材がほかにあるはずだよ。

賛成派 そういう見方もあるのね。

公式問題集を「どう使うか」が大事

ヒロ(ヒロ)公式問題集の中でも、ケン(懐疑派)が苦言を呈しているのは模試スタイルのものです。リスニングやリーディング、語彙に特化した「トレーニング本」もあるので、それらは弱点補強に役立つでしょう。

ケンは、模試は弱点補強には向かないと思っているようですが、そうとは限りません。説明が足りない部分を誰かに補ってもらったり、自分で参考書を調べたりすれば、模試を使って弱点を克服することは可能です。

また、多くの人にとって悩みの種となりがちな「語彙」については、公式問題集は信頼できます。公式問題集は「TOEICに出る単語の集合」と言っても過言ではありませんから。

1回解くだけの使い方では結果は出せない(賛成派&懐疑派)

賛成派(マイ)率直に言えば、「どの問題集がいいですか」と質問する人はセンスがないよね。

懐疑派(ケン)そうだね。公式であれ何であれ、どの問題集を使うかは重要じゃない。重要なのは、どのように、そして、どれだけたくさん勉強するかだよ。

賛成派 その意味では、問題集を選ぶことにエネルギーを使うのはもったいないよね。

懐疑派 問題集の評論家になるわけじゃないからね。たとえ公式問題集がベストな教材だとしても、さらりと1回やるだけの人は良い結果を出せないよ。

賛成派 そうね。結局、一番モノを言うのは「量」だよね。

モノを言うのはやっぱり継続的な学習

ヒロ(ヒロ)最後に今回のトピック自体が否定されました(苦笑)。

ですが、納得できる展開です。問題集の良し悪しを気にするより、「どれだけたくさん中身を吸収しているか」を気にするべきです。

大きい結果を出している人は、「この良質の問題集のおかげでスコアが伸びた」とは言わないものです。たとえ言ったとしても、その背景には、中身を吸収するための継続的な学習があったはずです。

「サラリーマン特急 新形式リーディング発売記念イベント」開催

(T’z英語ラウンジよりお知らせ

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ヒロ前田

ヒロ前田(ひろ まえだ)

TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。取得スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEIC®テスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEIC®テスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEIC®テスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
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