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スコアアップにディクテーションは効果あるの?ヒロ前田の間違いだらけのTOEIC勉強法。

スコアアップにディクテーションは効果あるの?ヒロ前田の間違いだらけのTOEIC勉強法。

英語を書き取る「ディクテーション」は、リスニングとリーディングの力を測るTOEIC L&Rの対策に役立つのでしょうか。TOEICスコアUPトレーナー、ヒロ前田さんがディスカッション形式でお届けします。

今回の登場人物(色分け)

ヒロヒロ:TOEICスコアUPトレーナーとして、学生から社会人までのTOEICスコアアップを請け負うカリスマトレーナー。47都道府県すべてを行脚(あんぎゃ)して公開テストを受験したという、TOEIC版伊能忠敬のような人。
賛成派マイ:賛成派
懐疑派ケン:懐疑派

スコアアップにディクテーションは効果的ですか?

ヒロ(ヒロ)どうも、前田です。前回に続いて、今回もメルマガ読者から届いたトピックをマイとケンに投げてみます。

ディクテーションとは、「英語を聞いて書き起こす」ことです。リスニング力を伸ばす効果があると言われますが、本当だと思いますか。ディクテーションの目的は何なのでしょう。

ただ、しっかり集中して英語を聞けばいい(懐疑派)

賛成派(マイ)ディクテーションをすると、英語をしっかり聞くことになるので、よい訓練になるわね。

懐疑派(ケン)そうだね。ただ、TOEICのスコアアップにつながるのかな。

賛成派 もちろん。英語をしっかり聞くということは、それ自体が英語のリスニング練習でしょ。それだけじゃなく、書き取るには同じ音声を繰り返し聞くことになるから効果があると思うな。

懐疑派 どうして?

賛成派 意識を集中させて聞くことになるから。ただ聞き流すより絶対にいいはずよ。

懐疑派 確かに意識を集中させるのは大切だと思う。でも、それは「ディクテーションをする」ことと同じじゃないよね。

賛成派 どういうこと?

懐疑派 ディクテーションをしなくても、しっかり集中して英語を聞けばいいことじゃない?

賛成派 そんなの、言うのは簡単だけど、実行するのは難しいのよ。

懐疑派 なぜ?

賛成派 ある先生が言っていたんだけど、人の脳ミソは怠け者だから、自分が知っている言葉だけを聞こうとするらしいよ。きちんと聞いているつもりでも、実はたくさん聞き落としているって。だから、聞き取れた部分だけを頼りに全体を想像するんだけど、その想像が正確ではないことが多いんだって。

懐疑派 聞き取れた部分から、全体を想像するのは大事だと思うけど。

賛成派 もちろん。でも、その前に、相手の発言を聞いて理解できる量を増やすことの方がもっと大切でしょ。ディクテーションは、そのきっかけになるって言っているの。

自分の弱点を見つけなければ克服もできない

ヒロ(ヒロ)大前提として、日本人の大人が日本で英語を学ぶ場合、ただ単に英語に触れるだけではほとんど力は伸びません。リスニングについて言えば、英語を浴びるように聞いても、それだけでは聞いて理解する力の向上は期待できません。自分の弱点を発見できないからです。弱点を発見できなければ、克服も不可能です。

リスニングにおける弱点には3つの可能性があります。①発音、②文法、③語彙です。ディクテーションをすれば弱点があぶり出されるのです。

懐疑派(ケン)意識を集中させてしっかり聞くことが大切なんだよね。だったら、ディクテーションをしなくてもいいんじゃない?頭の中で正確に内容を思い浮かべればいいと思うけど。

賛成派(マイ)すぐに手抜きしようとするのね。

懐疑派 手抜きじゃない。手を使って文字を書くのも、頭の中で文字を思い浮かべるのも同じだよねって確認しているんだよ。

賛成派 まぁ、サボらないのであれば、手で書く必要はないかもしれないね。

懐疑派 手書きすると疲れるし、やたらと時間がかかるのが好きじゃないよ。

紙にではなく「脳内に書く」方法

ヒロ (ヒロ)ケン(懐疑派)はディクテーションが面倒なので、頭の中で文字化すれば十分だと考えているようです。手書きにはそれなりのメリットはあるでしょうが、脳内スクリーンに書けば、記憶が鍛えられるメリットもあるでしょう。次の文を例に考えてみましょう。

Could you deliver this document to Ms. Homer’s office while you’re out? 

手書きする場合、音声を何回か聞きながら少しずつ書き取るでしょう。よって、書く瞬間に脳にかかる負荷は大きくありません。

ところが、脳内スクリーンに書く、すなわち、頭の中で再現する場合は常に「振り出しに戻る」ことになります。

1回目 Could you deliver ...
2回目 Could you deliver this document to ...
3回目 Could you deliver this document to Ms. Homer’s office ...
4回目 Could you deliver this document to Ms. Homer’s office while you’re out?

このように、常に文頭に戻って脳内で再現すれば、意味を持つ情報を、語順通りに繰り返しアウトプットすることになります。ですから、情報を記憶に保持する力はもちろん、文法や語法、さらにはスピーキング力の向上にもつながります

言い換えると、「聞こえた部分の単語だけ先に書く」方式でディクテーションをしても、ただの書き取り作業となってしまい、期待に見合う成果は出ないでしょう。

自分の発音の弱さに気付くことができる(賛成派)

懐疑派(ケン)ところで、何回聞いても聞き取れない音ってあるよね。何回くらい聞くべきだろう?

賛成派(マイ)1つの単語とかフレーズを書き取れない場合は、たぶん3回は聞くべきね。それでも無理な部分は、5回聞いても10回聞いても進歩しないからね。

懐疑派 じゃあ、3回聞いた後にスクリプトを見ればいいのかな。

賛成派 そうね。文字を確認すれば、弱点に気付くことができる。たいてい、発音か文法か語彙のどれかが原因になっているはずよ。

懐疑派 発音が弱点だと気付いたら発音を学ばなきゃいけないのか。

賛成派 そう。発音は大事だと思う。相手の発言が、実は簡単な単語ばかりなのに聞き取れないことってあるよね。そういうときの原因はたいてい発音だもん。音が落ちたり変化したりするから、文字で見れば理解できることでも、聞くとお手上げになる。ディクテーションをすると、自分の発音力が足りないことにすぐに気付くよ。

発音を磨けば、聞き取れる英語が増える

ヒロ (ヒロ)リスニングを妨げる要素は、①発音、②文法、③語彙の3つです。このうち発音は「通じればいい」と言って全く学ばない日本人が多いようです。

本当に通じているのであれば、その通りですが、実際に自分の発音が相手(英語話者)に通じるレベルに達しているかどうか確かめもせずに、ただ逃げているだけの人が多いと思われます。

また、「通じるレベルの発音」で話していると自分が思っていても、相手は「この人、英語すらまともに話せないのか。アホだな~」とか「半分しか理解できないけど、ま、いいや。どうせコイツと仕事する日は来ないだろう」などと思っていることがあります。

英語と日本語の発音はまるで違うため、短期間であってもしっかり学ぶことをお勧めします。発音を磨けば、聞き取れる英語が確実に増えますし、相手が「聞く耳」を持ってくれる可能性が上がります。

懐疑派(ケン)ディクテーションの意義は理解できるけど、一体いつまでやるべきかな?

賛成派(マイ)とりあえず自分の弱点を意識できるまでかな。

懐疑派 どういうこと?

賛成派 たとえば、毎日10分のディクテーションを1カ月間ほど続ければ、自分のパターンをはっきり認識できるよ。音の脱落や連結が起きた時に書き取れないとか、自分が書いた英語が文法的におかしいとか。

懐疑派 なるほど。

賛成派 ディクテーションはずっと続けるものじゃないわ。弱点を見つけた後で、日々の学習の中でその弱点を意識的に克服していくことが一番大事なのよ。

懐疑派 確かに。ディクテーションそのものが上手になることを目指す人なんていないからね。発音や文法、語彙の力を伸ばすきっかけにすりゃいいのか。

正しい英語をアウトプットすることが大事(まとめ)

ヒロ (ヒロ)2人が言うように、大切なのは、ディクテーションを通じて得た気づきを日々の学習に生かすことです。ディクテーションは決して英語学習における万能メソッドでも最終兵器でもありません。あくまでも弱点発見ツールだと思ってください。

ただし正しい英語を自分でアウトプットする(書いたり脳内で再現したりする)ことは優れた英語学習法であることは強調しておきます。

結局のところ、英語に限らず、何かの技能を習得するうえで「お手本を真似する」ことは重要であり、必須なことですから。

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ヒロ前田

ヒロ前田(ひろ まえだ)

TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。取得スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEIC®テスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEIC®テスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEIC®テスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
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