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英語の文型がわからない人も納得!スッキリできるクイズ3題

英語の文型がわかる

習ったはずなのにすっかり忘れてしまった英文法。わが子が英語の宿題を持ってきたとき、どう付き合えばいいのでしょうか。大丈夫です!英文法を「子どもにも説明しやすいようにわかりやすく」復習するこの連載におまかせください。今回は「文型」です。

まずはクイズに挑戦!

今回もクイズからスタートです。3問ありますので、考えてみてください。

Q1.

次の英文は第何文型でしょうか。

I saw myself in the mirror.

Q2.

次の英文は第何文型でしょうか。

The witch made her a doll.

Q3.

fortune cookie(おみくじクッキー)を開けると、次のメッセージが出てきました。このメッセージはあなたにどんなことを伝えているでしょうか。

Your good nature will bring you happiness.

文型の問題

今回のテーマは「文型」

「文型」って何だっけ?

「食べた、ハンバーガーを、トムは」という日本語を見て、みなさんは直感的にどう思いますか。意味こそ通じるものの、なんだか不自然な言い方だと感じるのではないでしょうか。

おそらく、どの人に聞いても「トムは、ハンバーガーを食べた」と言ったほうが良いと答えることでしょう。この「食べた、ハンバーガーを、トムは」は、語の並べ方、つまり「語順」が変なのです。

英語は語順に厳しいことばです。というのも、英語には日本語のような「てにをは」がないので、単語の順番を変えてしまうと、うまく意味が伝わらなくなってしまうのです。

たとえば、Tom ate a hamburger. なら「トムはハンバーガーを食べた」ですが、A hamburger ate Tom. だと「ハンバーガーがトムを食べた」という「恐ろしい事件」が起こってしまいます。他にも(×)Ate a hamburger Tom. という語順も考えられますが、これでは英文として間違っているので、まったく理解できないものになってしまいます。

英語では、意味を正確に伝えるために、語順が決まっています。そして、この語順を5つに分類したものを「文型」というのです。S、V、O、Cといった記号をノートに書き込んだのを覚えている人も多いと思います。今回は文型について、一緒に考えていきましょう。

動詞の後ろに何がある?

まずは、基本の5文型をおさらいしましょう。

文の中で、動きをしている語を「動詞(V)」、その動きをしている人物を「主語(S)」といいます。この2つがあれば文を作ることができるので、A baby cries.(赤ちゃんは泣きます)のような SV だけのシンプルなものだって、立派な文です。SV だけの文は英語の基本のかたちで、「第1文型」といいます

しかし、いつもこのように数語だけで話をしているわけではありませんよね。普通は、動詞の後ろに「その他」の要素を付け加えていくことになります。「その他」に何が入るかは、どんな動詞を使っているかで決まります。

たとえば、is や am などの be動詞を使うときには、She is Mary.(彼女はメアリーです)や She is cute.(彼女はかわいいです)のように、動詞の後ろに名詞や形容詞を入れることが多いですよね。文では、Mary も cuteも 、主語である「彼女」の名前や特徴説明してくれています。このような役割をしている語を、「補語(C)」といいます。この文のようにSVCとせる文を「第2文型」と呼んでいます

一方で、We ate pizza.(僕たちはピザを食べたよ)や We met him.(僕たちは彼に会ったよ)という文では、どう考えても pizza や him が「僕たち」の説明をしているとは思えません。むしろ、ここでは動作対象しているといえそうです。pizzaは食べる対象で、himは会う対象という感じです。このように動詞の対象となる語を「目的語(O)」といい、SVO の形になる文を「第3文型」といいます

その他」は1つとは限らない

動詞の後ろに付く「その他」の数が増えることがあっても、これ以上、使う記号の種類は増えません。

He gave me a present.(彼、わたしにプレゼントをくれたの)という文は、動詞の後ろに me と a present があります。しかし、「わたしにくれた」、「プレゼントをくれた」と give(あげる)の対象が2つあるだけのことですから、Oが2つある文と言えます。SVOOになる文は、「第4文型」です

では、The present made me happy.(そのプレゼントで、わたしうれしくなったの)という文はどうでしょうか。プレゼントによって、me(わたし)に変化があったわけですから、me は make(作る)の対象です。そして、happy はわたしの変化した気持ちを説明してくれいているようです。meという目的語を説明していると考えれば、このhappy は目的語の補語の役割をしていると言えますね。これが最後の「第5文型」で、SVOCとされます

英語の語順は「S→V→その他」ぐらいでOK!

文型の見分け方はある?

5つの文型を用いれば、少し難しい英文も説明しやすくなることがあるので、学校などの教育現場ではよく使われています。しかし、世の中にあふれている英語がすべてお儀よく文型を守っているわけではありませんし、そもそも文型を見分けるには相当な英語力が必要だったりします。

例えば、第2文型(SVC)は、「S = C」の関係を伝えているのだと言われています。たしかに、これはその通りで、I am Bob.(わたしボブです)は、「わたし = ボブ」という意味ですし、My mother is 40 years old.(お母さん40歳です)が 「お母さん = 40歳」をしているのは間違いありません。

ところが、イコールの関係ばかり気にしていると、おやっと思う英文に出くわすこともあるのです。冒頭のQ1.で考えてみましょう。

Q1.

次の英文は第何文型でしょうか。
I saw myself in the mirror. 

I(わたし)とmyself(わたし自身)は、同一人物を表現していますが、それだけで文型を判断できるでしょうか。

文型は、文全体が伝えている意味をもとに分類されています。文の見た目だけであれば、「I = myself」という関係があるように感じてしまいますが、この myself は I を説明しているわけではなく、むしろ saw(見た)という動詞の対象になっています。そのため、この文はSVOの第3文型なのです。「鏡で自分の姿を見た」という意味を理解していないと、文型を当てることは難しくなりますね。人間と同じで、文も見た目よりも中身が大切ということです。

それでは、今度は文の意味に注意して、Q2.について考えてみてください。

Q2.

次の英文は第何文型でしょうか。
The witch made her a doll.

The witch(魔女)はher(彼女)に何をしたのでしょうか。それがわかれば文型もわかるのですが……。

実は、この文は2通りの解釈ができます。ひとつは「魔女は彼女に人形を作ってあげた」という優しさにあふれるもので、make(作る)の対象が「彼女に作る」と「人形を作る」の2つあると考えられます。この場合は、第4文型(SVOO)だと言えますね。witchが「魔女」ではなく、「魔法使いのおばさん」くらいのイメージに思った人は、こちらの解釈をしているかもしれません。

もうひとつは少し怖い展開です。先ほど取り上げたThe present made me happy. (そのプレゼントで、わたしうれしくなったの) と同じ考え方をすれば、witchは「恐ろしい魔女」で、「彼女を人形にしてしまった」という意味に解釈することだってできます。これなら第5文型(SVOC)になりますね。同じ英文でも文型をひとつに絞れないこともあるのです。

文の持つ意味は、話の流れで変わります。文型は英文を理解する上で役に立つこともありますが、「木を見て森を見ず」になってはいけません。それに、英語を見るたびに「この文は第3文型だ」などと毎回考えていては疲れてしまいます。文型探しはほどほどにして、英語の語順は「S → V → その他」くらいに考えるほうが、気軽に英文に触れられて、かえって楽しめるかもしれませんよ。

Q1.の答え

第3文型(SVO)です。

 「鏡で自分の姿を見た」という意味の文なので、myself は見る対象になっていることがわかります。myself が、主語の I とイコールだということだけで、第2文型だと勘違いしてはいけません。文型は、文の見た目ではなく、意味から判断するものなのです。

Q2.の答え

「魔女は彼女に人形を作ってあげた」と考えれば、第4文型(SVOO)ですが、「魔女は彼女を人形に変えた」ととらえれば、第5文型(SVOC)です。

makeには、「~に…を作る」や「~を…にする」という意味があります。どちらの意味になるかは、前後の話の流れ次第なのです。もちろん、間違って解釈されないように、文の形を変えて伝えることもできます。

The witch made a doll for her.

魔女は彼女に人形をあげた。

The witch made her into a doll.

魔女は彼女を人形に変えた。

こうすれば、誤解のない文になりますね。

Q3.の答え

「あなたの性格の良さが、幸せをもたらすでしょう」

bring(持ってくる)の後ろにあるyou(あなた)と happiness(幸せ、幸福)の2つが、この動詞の対象になっているので、この文は第4文型(SVOO)です。結果的に、あなたは幸せな状態になるので「happiness は補語なのでは」と考えてしまいそうですが、あなたが「幸福そのもの」になるわけではありませんので、目的なのです。しかし、そんなの見抜けなくても大丈夫です。大切なのはメッセージを読み取れたかどうかなのですから。

まとめ

彼女に人形をあげた

文型を知ることで広がる世界もあれば、文型を知ったことでかえって英語が難しく感じるようになることもあります。「英語はSVが必要だ」ということは最低限知らなくてはなりませんが、文型の分析ができなくても英語を使えるようになります。安心してください。

英語学習は競争ではありません。自分が楽しいと思えるところから、自分のペースで進めてみてください。難しい文法も、しばらくしてから見直す理解できるようになっていることだってあります。大切なのは、人より英語ができることではなく、自分の中でできるようになっていくことです。日々の成長を楽しみながら、続けてみてくださいね。

6回にわたってお送りしてきたこの連載は、今回でいったんおしまいです。またお会いしましょう!

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大竹保幹

文:大竹保幹(おおたけ やすまさ)
神奈川県立厚木高等学校教諭。1984年横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーブン・キング。

編集:美野貴美