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描きたい何か?描くための何か?3つのクイズで不定詞をマスター

描くためのもの

習ったはずなのにすっかり忘れてしまった英文法。わが子の宿題にどう付き合う?大丈夫です!英文法を「子どもにも説明しやすいようにわかりやすく」大竹先生と一緒に復習する連載が帰ってきました!

まずはクイズに挑戦!

今日のテーマは……というお話に入る前に、まずは以下のクイズに取り組みながら、今日は一体何の話がはじまるのか、あわせて想像してみてください。

Q1.

美術の時間、あなたの友人が探し物をしています。一体、何を探しているのでしょうか。

 “I’m looking for a pen to draw.”

Q2.

外国の方に「お箸(chopsticks)」を説明することになりました。①と②ではどちらが良いでしょうか。

① Chopsticks are something to eat.

② Chopsticks are something to eat with.

Q3.

これはワシントンD.C.にある「Washington Monument(ワシントン記念塔)」の注意書きです。観光客全員と持ち物(all visitors and their belongings)は “subject to search” であると書かれていますが、一体これはどういう意味でしょうか。

ワシントンDC

今回のテーマは「不定詞」

「不定詞」って何だっけ?

名前だけを見るとなんだか怪しい感じがする「不定詞」ですが、みなさんはこの言葉を聞いてどんな形の文法だったか思い出せますか。もしかしたら、「to不定詞」と言われれば「to + 動詞」の形のことだと思い出せる人もいるかもしれません。

to + 動詞」は、to read(本を読むこと)や to swim in the river (川で泳ぐこと)のように、日常の動きを名詞化することができるのでした。「~すること」という意味で覚えている人も多いでしょう。

しかし、不定詞の役割はそれだけではありません。例えば、time(時間)という名詞だけではかなり漠然としていますが、これに不定詞を付け加えることで「何をするための時間」なのかをはっきりと示すことができるのです。time to go なら「時間」ですし、time to eat なら「食べる時間(食事の時間)」になるというわけです。

このように、不定詞には名詞がどんなものなのか説明をする使い方があります。形容詞を使ってhappy time(楽しい時間)や long time(長い時間)と言うのとは違い、なんだか説明に動きが感じられますね。

今回はこの、不定詞の「モノを説明する使い方(形容詞用法)」について考えていきましょう。

名詞を後ろから説明する

boy(男の子)やhomework(宿題)など、人やモノをす名詞は形容詞 を使うことで色や大きさなど特徴すことができました。男の子が大きいのであれば a big boy、難しい宿題なら difficult homework と、名詞の説明日本語と同じように前からするのが基本です。

ところが、「不定詞」は名詞を後ろから説明します。あるbook(本)について例えばそれが今月おすすめの「買うべき本」ならば a book to buyこれから読む予定の本」ならa book to readという具合です。ちなみに、「~すべき」という日本語は少し強い言い方ですが、「不定詞」がいつも硬い意味になるわけではありません。状況に応じて「~した方がいい」や「~するための」くらいの気持ちで感じ取ってかまいません。

「何か書くもの」は something to write?

とても便利なsomething to ~

実は、この「不定詞」はsomething(何か)と一緒に使うことが多いのですが、「something to + 動詞(何か~するもの)」という形は、自分が欲しいものを伝えるときや、物を説明するときに非常に役に立ちます。のどが渇いたときは I’d like something to drink.(何か飲むものが欲しいのですが)と言えば、water(水)、tea(お茶)などすぐに用意できる「飲み物」を持ってきてくれるでしょうし、「食べ物」が欲しいならsomething to eat(何か食べるもの)と言えば大丈夫です。

他にも、動詞を入れ替えていけば「何か~するもの」という表現を作れるのでとても便利です。ところが、中には少し注意必要なものもあります。そして子どもはそういった、英語にすると少し難しくなる表現に限って疑問を持ったりするのです。

「何か書くもの」はどうやって表現するのか

「何か飲むもの」が something to drink で、「何か食べるもの」が something to eat なら、当然、筆記用具など「何か書くもの」は something to write だと考えてしまいます。一見すると良さそうに感じてしまうのですが、このままでは自分が思っているのとは違う意味に捉えられてしまうことになってしまいます。

似たような意味を持つdraw(描く)を使って考えてみましょう。

Q.

美術の時間、あなたの友人が探し物をしています。一体、何を探しているのでしょうか。

 “I’m looking for a pen to draw.”

 

a pen(ペン)を探しているのは間違いないようですが、何用のペンなのでしょう。

今回のポイントは動詞の対象です。例えばeatは、後ろに名詞をつなげると、eat lunchお昼ご飯を食べる)、eat cookiesクッキーを食べる)のようにそれ自体が食べる対象になります。では、something to eatはどうしょうか。位置こそ違うものの、「何か食べるもの」と言っているわけですからeatの対象はsomethingですね。

同じことがa pen to drawにも当てはまります。a penが draw対象だと考えると、draw a penペンを描く)という動作が浮かび上がります。なるほど、友人は自分が「描きたいと思うような」素敵なペンを探していたというわけです。

つまり、同じように考えると、something to writeは「書きたい何か」という意味になってしまい、筆記用具にはならなくなってしまうというわけです。そうではなく、ペンや鉛筆などの「何か書くもの」を指したい場合は something to write withという言い方をします。write with something(何か書く)という動詞の使い方が基になっていると考えれば、使用する道具をwith(~で)が必要なのもわかりますね。

道具として使うものには、最後にwithを使うということを覚えておきましょう。

クイズの答え

不定詞の「モノを説明する使い方(形容詞用法)」は日常のいろいろな場面で活躍します。クイズはすべて、身近にある道具や持ち物について、不定詞でどのように説明しているかを問うものでした。答えを確認してみましょう。

Q1.の答え

a pen to drawは「絵として描かれるペン」のことです。きっと静物画を描く授業で、身近にある文房具を描くことになっているのでしょう。

Q2.の答え

②です。chopsticksは道具ですから、最後にwithがないとまるで「食べられるもの」だと勘違いされてしまうかもしれません。身の回りの物が全部お菓子でできているおとぎ話の世界は別として、お箸を知らない人には正確に使い方を教えてあげましょう。

Q3.の答え

検査対象」です。subject対象)が、具体的に何を目的としたものなのかが不定詞を使って説明されています。searchは「検査する、調べる」ですから、危険物を持ち込んでないかどうか手荷物検査をすることを教えてくれていたのですね。

まとめ

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不定詞には「名詞用法」だとか「形容詞用法」だとか、なんだか難しい名前の使い方があります。しかし、説明するものが違うだけで、理由や目的などの情報を付け加えていることに変わりはありません。大切なのは「伝えたい内容」ですから、用法の区別にこだわりすぎず、楽しく不定詞を使ってみましょう。

大竹保幹

文:大竹保幹(おおたけ やすまさ)
神奈川県立厚木高等学校教諭。1984年横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーブン・キング。

編集:江頭茉里